石田長生さん。 | DAIZOオフィシャルブログ「日だまりの小部屋」Powered by Ameba

石田長生さん。

日付は変わってしまいましたが

今日、一つの悲しいニュースを知った。

ギタリスト、シンガーソングライターの石田長生さんが亡くなったそうです。

僕の故郷である和歌山にも定期的にLIVEをしに来てくださっていたミュージシャン。

僕の世代にとって印象的なのはCharさんとのアコースティックデュオ「BAHO」

当時まだアコースティックしか弾いていなかった僕は、「BAHO」の楽曲を聴きまくって、そしてコピーしまくっていた訳です。

まだまだ世間知らずの子供。

当時の相方以外、この田舎には自分よりギターの上手い同年代はもう居ないとタカを括っていた高校時代。

ドラゴンボールの孫悟空じゃないけど、自分よりも強い相手とセッションしたいと、無駄に血の気の多い日々を過ごしておりました。

そんな中、地元のライブハウス、オールドタイムで石田さんがワンマンをされる事を聞きつけて、ギター片手にLIVEを観に行ったんです。

終演後。

カウンターでスタッフさん達とお酒を飲んでいる石田さん。

ギター片手に近寄る森少年。

「石やん!勝負してください!!」

今考えたら失礼極まりない行動。

すかさず隣のスタッフさんから牽制が入る。

「今プライベートタイムやから、兄ちゃんそういうの他所でやって」

ライブハウスのオヤジも「だいぞー。今日はやめとこか」という顔でこちらを見ている訳で

「今日の所は、生石やん観れただけでも良かったか」と諦めようとした時。

「兄ちゃん。おもろいやんけ。」と石田さんが話しかけてくれたんです。

「ただ流石に今からセッションするんは疲れてるからめんどくさいわ。代わりに兄ちゃんなんか歌い?」

と言ってくれたんです。

当時のイチ押し曲「地下世界」をワンコーラス演奏しながら

流石にこれで「兄ちゃんもうええわ」となると思っていた時

「兄ちゃん。違うパターンの曲あるか?」と言っていただき

その後ワンコーラスずつ、合計3曲も聴いてもらった上

これは後から知った話ですが、最初僕を牽制していたスタッフさんに

「児島。この兄ちゃんお前が何とかしたれや」と話してくれていたそうです。

その僕がスタッフさんだと思っていた人の名前が児島進さん。

僕が第二の故郷と思っている神戸の老舗ライブハウス「チキンジョージ」の社長さんでした。

この日、石田さんが繋げてくれた縁のお陰で、世間知らずのまま燻っていた僕は色んな世界を知る事ができ

高校卒業の頃にはチキンジョージのレーベルから初めてCDを作ることが出来

良いことも悪いこともいっぱいあったけど

神戸という街で「音楽」とどっぷり付き合う事が出来たのです。

初めてお会いした和歌山の夜から、その後2,3度お逢いすることはあったけど

上京直前。ましてや上京してからは中々お逢いする機会もなく

その最新の「コトバ」を聞いた先日のCharさんの武道館。

もしかしたら和歌山で会った少年の事は覚えてないかも知れないけど

石田長生さんは僕にとってとても大切な時間をくれた方です。


これからも変わらずギターを弾き続けてください。

そして変わらずあの声で歌ってください。


石田長生さんのご冥福をお祈りします。