大禅師文子の事件簿 第74話「七沢温泉ミステリー」 | 大禅師文子Official Blog Turn Me On~私を熱くさせて~

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 あゆコロちゃんとブーミンは七沢荘のご主人・中村さんの運転するワゴンに揺られ、七沢荘に向かっていた。

ワゴンの中であゆコロちゃんは、

「ねぇブーミン君、七沢荘はパワースポットとして有名なんだよ。宇宙と地中からパワーをもらって、お客様がみんな元気になって帰っていくんだよ!」

zzz…

ブーミンは爆睡していたが、気付かずあゆコロちゃんは話し続けた。

「玄関には大きな岩が置いてあって、その岩にはすっごく不思議なエネルギーがあるんだよ!ねぇ、聞いてる?」

zzz…

ブーミンは気持ち良さそうに眠り、七沢温泉でプカプカ泳いでいる夢を見ていた。

やがてあゆコロちゃんも喋り疲れて眠ってしまった。

しばらくしてワゴンが七沢荘に到着した。

「おかえりなさいませ!」

女将さんや中居さんが笑顔で迎えてくれた。

ブーミンは、玄関にラブラドール犬がいる事に驚き、逃げてしまった。中村さんが

「ごめんね、驚かせちゃったかな?うちの本当のご主人は、このムーさんなんです。」

と笑って犬のムー君を紹介してくれたが、ブーミンはあゆコロちゃんの後ろに隠れて怯えていた。

あゆコロちゃんとブーミンはさっそくお風呂に案内してもらった。

ブーミンは「美肌の湯」が気になっていたが女湯だったため、「天狗の湯」に入った。

二人は「いい湯だな~」とご機嫌だった。


その頃ゆるキャラグランプリの会場では、大禅師文子がブーミンがいないことに気付き大パニックになっていた。

「私のブーミンはどこ?!大変、きっと誘拐されたんだわ!!誰か、ブーミンを助けて~!!」

ハセクラとチーちゃんと一緒に会場内を探しまわっていた。

するとある男性が、

「麻布の大禅師さん、黒豚ちゃんなら厚木のあゆコロちゃんと一緒にワゴン車で温泉に行きましたよ。」

と教えてくれた。

「ブーミンたら、私を置いて温泉ツアーに行ってしまったのね!ハセクラ、私たちも行くわよ!」

「は、はい!」

ハセクラは急いで車を出し、厚木の温泉街へと向かった。大禅師文子は

「きっと、美肌の湯がある温泉に違いないわ!調べてちょうだい!」

「はい。」

ハセクラは「自分が行きたいだけでしょ」とは言い出せずにいた。大禅師文子は

「ブーミン、待ってて。」

と言いながら眠りについた。

ハセクラが「美肌の湯」をリサーチした結果、七沢荘に辿り着いた。

「さぁ、着いたわよー!!」

大禅師文子が車から降りると中村さん、女将さん、中居さん、ムー君が出迎えてくれた。

「おかえりなさいませ!ど、どうされましたか?」

大禅師文子の様子がどうもおかしい。

「何か、すごい気を感じるわ!宇宙から呼ばれているみたい、不思議だわ!」

大禅師文子は突然、玄関においてある巨大な岩に抱きつき、それから廊下をスーっと歩いて行くと、酸素カプセルのようなボックスの中に吸い込まれるように入って行った。

中村さんは、

「さすが大禅師文子さん、お目が高い。この宇宙パワーボックスには、人間の寿命を若返らせる不思議なパワーがあるんですよ。」

と笑顔で説明してくれた。

「でも、もう動かないんです。今は、この場所に置いているということだけで十分だと思っています。」

中村さんは少し悲しそうだったが、誇らしげに話してくれた。

「ハセクラさんも、温泉どうぞ。」

「は、はい。」

ハセクラは案内され、ここへ黒豚が来ていますかとは聞けないままでいた。そして天狗の湯につかった。

あゆコロちゃんとブーミンは天狗の湯から出て、ドクターフィッシュのいる足湯でキャッキャとはしゃいでいた。

大禅師文子が宇宙パワーボックスから出てくると、さらに様子がおかしくなっていた。

「私、今日からハレー彗星を追いかけるわ。」

と訳の分からない事を言い、庭にある七福神の隣に立ってポーズを取り始めた。

「!?」

中村さん、女将さんはやはり笑顔だったが

「このようなタイプの人は、初めてですね。」

と少し焦っている様子だった。




来週に続く