大禅師文子の事件簿 第58話「甲子園ミステリー」 | 大禅師文子Official Blog Turn Me On~私を熱くさせて~

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 湘南での灼熱の夜が明けた翌日、大禅師文子はマンションでテレビを見ていた。

見ている番組はワイドショーではなく、高校野球だった。そして真剣な様子で言った。
「私、甲子園の砂が欲しいわ。どうしたらいいの?どこに売ってるの?」
ハセクラは
「あれは、甲子園大会に出場した球児だけが手にする事の出来る神聖な土です。」
と力強く語った。
しかし大禅師文子は全く聞いていなかった。
「サラサラしてるのかしら?湘南ビーチの砂と似てるかしら?確かめてみなくちゃ。」
ハセクラは逃げる準備をしたが、手遅れだった。
「みんな!今から甲子園に行くわよー!ブーミン、チーちゃん、バットとグローブ持って!ハセクラはプラカードを準備して頂戴!
「?!」
「甲子園に向けて、レッツゴー!!」
ハセクラは仕方なく、車を出した。
ブーミンとチーちゃんはよくわからなかったが、キャッチボールが出来ると思い、喜んでいた。
高速に入るとお盆のUターンラッシュで反対車線は大渋滞だった。それを横目に大禅師文子は窓を開け、突然六甲おろしを歌い始めた。
「六甲おろ~しに~、颯爽と~~♪ バース、掛布!岡田ー!!!」
ハセクラは聴こえないフリをしていたが、反対車線の車たちはこちらに大注目だった。
「みんな、ありがと~!!伝説のバックスクリーン3連発よ!」
大禅師文子は皆に手を降り一頻り注目を浴びて満足した後、爆睡した。
ブーミンとチーちゃんは、いつものように車酔いでぐったりしていた。

 大禅師文子と一行はサービスエリアでソフトクリームを食べて休憩をし、出発しようとしたその時、体格のいい外国人がヒッチハイクをしていた。
腕を高く上げ、プレートには「OSAKA」と書いてあった。
ハセクラは無視して通り過ぎようとしたが、大禅師文子は窓を開けて言った。
「あなた、ちょうど良かったわ!私の野球チームに入ってちょうだい!そして一緒に甲子園を目指すのよ!!」
「!?」
ブーミンとハセクラとチーちゃんは驚いたが、気がつくともう外国人は車に乗っていた。
「Welcome!!Mr.バース!!」
と大禅師文子は歓迎し、
「阪神ファンは、イチバンやぁ~!!」と肩を組んで盛り上がっていた。
ブーミンとチーちゃんは、彼のTシャツからはみ出る金髪の胸毛に釘付けだった。
「ところでMr.バース、一応聞くけどあなたは何処へ行くつもり?」
「テンノウジ、ツウテンカク、クイダオレ!それから、カイユウカーン!!」
Mr.バースは目をキラキラと輝かせながら言ったが、
「そう、じゃあまずはコウシエンからね!!」
「…??」
大禅師文子の勢いに負けて言われるがまま、とりあえず連れて行かれる事にした。
そして二人は再び六甲おろしを歌い、ブーミンとハセクラとチーちゃんもコーラスに参加させられていた
「オゥオゥ オゥオゥ~♪ はーんしーんタイガーース!!フレ~フレフレフレ~♪」
こうして甲子園球場までの長く険しい旅は、続くのであった。


来週に続く…