大禅師文子の事件簿 第13話「地下鉄ミステリー」 | 大禅師文子Official Blog Turn Me On~私を熱くさせて~

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  大禅師文子とマネージャーのユリとブーミンは次の現場、アバコスタジオに車で向かっていた。
マネージャーのユリは時計を気にしていた。撮影スタジオまであと20分で着かなければならない。

ラジオで首都高速が渋滞しているという交通情報が入った。
大禅師文子は「何か事件があったの?それとも事故どっち?」
大禅師文子はいてもたってもいられなくなり
「行くわよ!」
高速道路の真ん中で突然車を降り、タクシーを捜し始めた。
マネージャーのユリは「高速のタクシーにはもう人が乗ってます!それからタクシーも渋滞なので時間は同じですから!」
大禅師文子はハリウッド映画のように車の間を走り始めた。1台だけ客を乗せていないタクシーを発見し、強引に乗り込んだ。
タクシー運転手はうつ向いている。「また会ってしまった」小さく呟いた。

大禅師文子は「急いで高速を降りて!飛んでもいいから!」
マネージャーのユリとブーミンも必死に追いかけた。
タクシー運転手は側道に出る道を見つけ、出るとすぐに地下鉄の駅を見つけた。
「お客さん、急いでいるなら地下鉄の方が早いですよ」とタクシー運転手が言うと大禅師文子は
切符の買い方がわからないからあなた、一緒に来て!」タクシー運転手は有無も言えずに大禅師文子に従った。
大禅師文子は何事も無かったように「地下鉄の駅ってちょうどいい場所にあって便利ね!」と大声で言った。
周りの乗車客が、いっせいに大禅師文子を見ているのを何も気にせず話し出した。
ユリ。私ねずっと不思議に思ってることがあるの。聞いてくれる?
「は、い…」マネージャーのユリとブーミンとタクシー運転手は息を切らしていた。
大禅師文子は、「なんで私は痴漢をされないんだと思う?男性は私のお尻の魅力に気付いていないのかしら?」
マネージャーのユリが「地下鉄に乗らないからだと思います」と言い終わる前に、
「わかったわ!!」とまた大声で言った。
「最近べリーダンスに通ってないからお尻が退屈してるんだわ!レッスンに行かなくちゃ!ユリ、帰りにベリーダンスの衣装買うの忘れないでね!それから明日のレッスン予約しておいて、お願いね!」
「げ。」
ブーミンは、大禅師文子が真夏の深夜に公園でずっと腰を振っていてお巡りさんに「あなた職業は?」と職務質問されて連行された事を思い出した。
そうこうしているうちに、スタジオの最寄り駅のたまプラーザに着いた。
 
大禅師文子の頭の中はベリーダンスでいっぱいだった。
撮影スタジオに着くと「よろしく!お願いしまーす!」と挨拶をして、確認もせずにBスタジオに入って行った。カラフルな衣装が置いてあったからだ。
大禅師文子は「このワンピース可愛いじゃない!」「リボン?これちょっとスカート短いんじゃない?」
と言いながら早速自分に合う色を選んでいた。
するとマネージャーのユリが慌ててBスタジオに駆け込んできて、「それ、着ないでください!大禅師さん、ここはももクロさんのスタジオです!」
大禅師文子は「私の方が似合うのに」と衣装の間をすり抜けてBスタジオを速やかに退室した。
大禅師文子のスタジオは、Cスタジオだった。
カメラマン、アシスタント、照明スタッフ、ヘアメイク、スタイリスト、軽く打ち合わせたのち撮影が始まった。
 
大禅師文子が衣装のワンピースを着ると、ウエスト周りが少し余っていた。
大禅師文子はスタイリストに「言ったじゃない!縄跳びを始めるから3センチマイナスしておいてねって!」
縄跳び生活は採寸の日から始まった。それも、今流行りのAIR縄跳び。
大禅師文子は「いまいちテンションが盛り上がらないわ!ブーミン、効果音をお願い!」
「ビュンビュン!」と言うのがブーミンの仕事だった。
スタイリストは「ウエストを3センチつまみましょうか」と言ったが、
大禅師文子は「セパレートがいいんじゃないかしら!それから、もう黒は飽きたわ。赤とか紫の花柄がいいわね!」
撮影が始まった。カメラマンの山岸は「大禅師さん素敵!カメラ目線!ポーズ最高!」などと声を掛けながらシャッターを切り続けた。
大禅師文子はその言葉を無視して、ベリーダンスを踊り続け、撮影は無事終了した。
タクシー運転手は、スタジオの隅で寝ていた。
 
来週に続く…