大禅師文子の事件簿 第9話「ブーミンの失踪」 | 大禅師文子Official Blog Turn Me On~私を熱くさせて~

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 大禅師文子とブーミンはマンションに帰る途中、近くのスーパーマーケットに寄った。

禅師文子は「ブーミン、今日はとても美味しい料理を私が作ってあげるね!」
ブーミンはトマト事件を思い出し、無視。スーパーの中を歩き回っていた。

30分後、大禅師文子は買い物カート一杯に料理の材料を積んでレジに並んでいた。
レジのパートの女性が「1万3千659円です!」と告げると、
大禅師文子は「3千659円値引きしなさいよ、私は1万円札以外お財布に入れない主義なの!」
パートの女性は「お客様そう言われましても、うちのスーパーは値引きしない規則になっていますから」
大禅師文子は「おたくの規則より私の主義の方が大切なの!どうして理解できないの?お客様の方が大切に決まってるでしょ!支配人を呼んでくれる?説明するから」

支配人がレジに来て言った。
「お客様そうでしたらあと、6千341円お買い物をされたらどうでしょう?」
大禅師文子は「そうね、いいアイデアだわ。最初からそう言ってくれればいいじゃない。社員教育は大切よね」

「ねえ支配人、何を買ったらいいと思う?」
大禅師文子は支配人に聞いた。
支配人は「産地から直接取り寄せた、とてもいい物があります」
大禅師文子は「じゃあそれにするわ、6千341円分ね。お願い」
大禅師文子は4万円レジで支払い、ブーミンとスーパーマーケットを出た。

駐車場でタクシーの運転手は、延々と待たされて昼寝をしていた。

大禅師文子はマンションに着くとタクシーの運転手に
「あなた、荷物運んでくれる?運んでくれたら私の手料理を食べさせてあげるわ」
運転手が断る余地もなく、大禅師文子とブーミンはエレベーターに乗り込んだ。
仕方なくタクシーの運転手は部屋まで、荷物を運んだ。

大禅師文子はブーミンに「運転手さんとテレビでも見ていて」と命令してキッチンに入った。
キッチンから大禅師文子の鼻歌が聴こえて、料理の匂いがしてきたのは約1時間後だった。
ブーミンとタクシーの運転手は、テレビをつけたまま昼寝をしていた。

大禅師文子が「さあ!食事ができたわよ!二人とも起きて!」
ブーミンと運転手は眠いのにいきなり起こされた。
テーブルには料理が並べられていた。
「私の渾身の手料理よ、残さずに全部食べて!」
サラダ、フライドポテト、ピザ、パスタなどテーブルの上には大禅師文子が作った料理で一杯だった
大禅師文子と運転手が「いただきま~す!」と言って食べようとした時、
ブーミンが急に固まってしまった。
大禅師文子は「どうしたの?ブーミン早く食べなさい」
と言ったがブーミンがテーブルに乗っている料理に、目が釘付けになっていた。

大禅師文子がブーミンの視線に気がついて言った。
「とても美味しいトンカツよ、だって鹿児島県直送の黒豚のお肉を使っているんだから」
ブーミンは無言で震えていた。

大禅師文子は「ブーミン、トンカツは嫌いなのね?じゃあ違う料理を作ってあげるわ」
言い残してキッチンに行った。
5分後テーブルに戻ると、「黒豚の生姜焼き、美味しいわよブーミン、食べなさい!」
ブーミンは無言のままマンションを飛び出した。

大禅師文子は食事をしながら言った。
「こんな美味しい料理をブーミンは何故食べないのかしらね。鹿児島県直送の黒豚のお肉を6千341円も買ったんですもの。
ブーミンが帰ってきたら今度は美味しい酢豚を作ってあげるわ」
タクシー運転手は無言で料理を食べていた。

それから2日間ブーミンは帰ってこなかった。

来週に続く…