高血圧治療の記録です。
いよいよ副腎静脈サンプリング検査の日。
太腿の付け根の太い血管から入って副腎近くの血管までカテーテルを通して採血し、左右どちらの副腎からアルドステロンというホルモンが出ているかを調べます。
はぁ〜どきどき。
身につけるのは「外せるものは全部外して」と指示されていたので、術衣の下はパンツのみになって病室でスタンバイ。マスクはしていたけどノーメイク。コンタクトもメガネもダメ。
目が見えない状態で初めての人に会ったり、知らない場所に行くのって怖いよね〜。ましてや自分の体に何かされるだなんて
ストレッチャーで血管造影室前まで運ばれて、寝転んだまま恒例の確認の質問をされる。「今日受けるのは何の検査ですか?」
「ジョ…副腎静脈サンプモゴモゴモゴ検査」これから何をされるのか不安で緊張してる人にこんな難しい言葉を言わせるだなんて酷だわ。質問された途端に頭の中が白くなるんだから勘弁してほしい。だけどモゴモゴしてても聞き返されることなく、大きくうなづいて入場を許可してくれました。おはいりください。ありがとう。
部屋に入ると大きなモニター中心に、沢山の機械が並んでる。キョロキョロと周りを見るけどぼんやりとしか見えないのが残念。
ストレッチャーにピタリと並ばせた狭い作業台のようなベッドに自力で移動。
思いの外クッション性のあるベッドでした。冷たく硬いとばかり思い込んでいたので、乗った途端につい「あ、ふかふか」と声が出た。誰も拾ってくれなかったけど。
仰向けに寝ると、「足が痛くなる人が多いから」と足の下や、点滴の入った腕の下にタオルを入れてくれた。
誰かにパンツ脱がされた。つま先の方で引っかかったみたいで「あれ?こっちこっち」とかやってる。。あたすのパンツ…
右腕に血圧計、5分ごとに測ってくれるそう。
左の人差し指にパルスオキシメーター。
胸に心電図。
テキパキと進行されていく準備。
みんな次々に声かけてくるもんだから、誰に何言われてるのか判別できない。取り敢えず私は「はーい」と返すだけで精一杯だった。
部屋は涼しい。機械類が熱を持たないように室温を低く設定してあるんだそう。薄着だから指先冷えそうだなぁ。
「途中で医師から呼吸の指示がありますから、寝ちゃわないでくださいね」と説明あり。レントゲン撮る時のあれですね、「はい息止めて〜」「楽にして〜」ってやつ。
「先生たち入っていい?呼ぶよ」と聞こえ、すぐに医師たちが入ってきた。一人ベテランと、新人さんだろうか、指導を受ける2人。準備している間にモニターを見ながらQ&Aやってる。
体にかけていたバスタオルを取り外し、鼠蹊部近辺を消毒して、清潔な布をかけて。意外と寒くない。
いよいよ始まる…
「麻酔入りますね」
この検査は局所麻酔で行われる。
右の鼠蹊部がチクリ。結構痛い。鈍いような、鋭いような痛み。それと、ちゅるちゅると「何か」が注入されてくる感がイタ気持ち悪い歯医者の麻酔注射と同じ感じ。
もしかしたら実際の痛みはそうでもなかったかも知れない。いつ終わるのか、この後更に強くなるのか分からないから不安で増幅されて痛かったのかも知れない。
暫く時間が経って、今度は左の鼠蹊部。目をぎゅっと閉じて耐える。右が無事に終わったんだから大丈夫、と自分に言い聞かせる。
麻酔が終わった…。「麻酔が一番痛い」って聞くから、ここからはもう怖いものなし…だよね?
事前に痛み止めの筋肉注射もしてもらってるし安心安心…のはず?
そしていよいよ始まった……のか?
麻酔が効いて感覚がなく、ノーメガネで見えないから何かされているのか全く分からない。「麻酔しても押される感覚だけ残ります」と言われたけど、押される?押してるの?何を?右足の上に何か置かれてる?え?この何か置かれた感覚が押されてるってこと?
理解できないまま時間が経ち、医師から「思いっきり息吸って〜。はいそこで止めて〜」が2回ほど繰り返された後、
「この後、深い呼吸をするとカテーテルが外れることがありますから、呼吸はできるだけしないでください。」
えっ?しちゃダメなの呼吸?
「あ、深い呼吸はしないでください。短く普通の呼吸で」
あぁ、ビックリしたよ。
それでも難しいぞ!この先検査が終わるまで浅い息を続けるのか。…ウトウトしている場合じゃない。
「動くと危ないですから、気持ち悪いとか何かあったら声に出して教えてください」
って言われてもそんな咄嗟に声なんか出ないかもよ万が一痛かった時に腹の底から「いてーー」って声出したら逆に怒られそうだし
突然、右脇腹から右胸の辺りにピリッと痛みが走った。痛い?いや…もしかして熱いのか?造影剤が入った時の熱さか?
事前の造影剤CTの時は局所的に熱くはなるものの、全体的にはじんわり温かいという感覚でした。
でも痛いとは感じなかったんだよなあ。
じゃあなんだろ、この瞬間的に感じる痛み…。
結局何の痛みか分からず、自分の中で「造影剤で熱いんだ」ということにしました。
何度か痛みは走り、その度に体がピクリと少し強張りながら検査は進んでいきました。
時々ベッドが動いた。ウィーンと滑らかに動いて、でも止まる時はガタン。
この揺れは良いのに、深い呼吸はダメなんかーーいと動くたびに心の中で突っ込んで暇つぶし。
途中でスタッフが入ってきて両腕万歳の姿勢になりました。右腕は頭の上で曲げられたけど、左腕は肘のど真ん中に点滴が入っていて、点滴を一定の速さで入れるには腕を伸ばしたままにしなければならない。それに左手の人差し指はオキシメーターを装着していて曲げられず、人差し指一本立ててる。この姿勢はまさか…
「我が生涯に一遍の悔いなし」
いやいや、これじゃ敵(オリックス)じゃん!
じゃなくて…あっ!「ガンダム最後のシーンじゃん!」そうだ、ア・バオア・クーで頭部をやられた後のラストシューティングのポーズだ!
どーでもいいことを考える。
そうでもしないとウトウトしちゃいそう。
その後すぐに腕は身体の脇に下ろされた。人差し指のオキシメーターを中指に付け替えられて、鼻から酸素チューブを入れられました。酸素濃度が下がったのかな浅い呼吸をしてるからかな。
途中で何も言わずに室内から全員立ち去ったり(多分15分くらい?)、終盤に知らない偉そうな態度のおじさん先生?が入ってきて医師と話してたり。そんなこんなあって、どうやら検査は終わったようです。
そう言えばそのおじさんに急にトントントントンって体ノックされて「深い息しないで!」と注意された。「あっ、スミマセン」って謝ったけど、なんかちょっと嫌な言われ方したなー。医師同士で話してる合間に一言だけ注意してまたすぐに会話に戻って。
自分も仕事の時に無意識でやってる気がする。気をつけないとな。
鼠蹊部の針を抜いて、止血のために左右から2人がかりでぎゅーっと圧迫してくれています。
その間、私の体を挟んで2人の医師が緩いトーンで会話。お仕事の話をされていました。
私はそれをうっすらと聞きながら「この止血までが医師の仕事なんだなー。看護師じゃダメなのかなー」とぼんやりと考えていました。
5分ぐらい経ったのかな、圧迫止血が終わったら今度は看護師さんが粘着力強そうなテーピングをしてくれました。お腹のところ大きくバッテンを描くようにがっしりと。内腿にも巻き付けて。
あぁ、、これは剥がす時に痛いやつだ…。
でも、これで検査は終了心の中でジタバタと暴れまくった検査でした。あー疲れた笑。
とにかく無事に終わって良かった。
あ、ラオウ選手、日本シリーズMVPおめでとうございます。