賃料減額取消訴訟 レオパレス敗訴

レオパレス21

 

 レオパレス21(以下、レオパレス:東京都中野区)と一括借り上げ契約をしているオーナーが、同社に対して家賃減額契約の取り消しを求めて起こした訴訟で、2月28日、岐阜地裁はオーナー側の主張を認める判決を下した。レオパレスに対しこれまで複数の訴訟を起こしてきたオーナーらにとって、今回の判決は全国初の勝訴となった。家賃減額契約に関してオーナー側の主張を認めた判決だけに、今後のサブリースに関する契約に影響が出てきそうだ。

 

誤認の責任問われる

 レオパレスの物件オーナーが同社に対し家賃減額契約の無効と、減額分の家賃の支払いを求めた。

 

 今回の裁判の主な争点は2点。

1点目は、オーナーが家賃減額契約の重要な前提自体を誤認していたか否か。

2点目は、誤認の原因はどちらに責任があるか。

 

 *争点である家賃減額契約の重要な前提の誤認とその責任の所在について、原告側は10年後、自動的に大幅な借り上げ賃料の減額が行われると誤認したため減額に同意したと説明。

 

本来、減額するためにはオーナーとレオパレス両者の合意があるか、もしくは賃料増減額請求権を行使する必要がある。

 

だが、オーナーはレオパレスの説明が誤認を招いたと主張。

*10年経過後の減額賃料表に「通常改定」と表記し、あたかも当然減額になると認識付け、大幅な減額を避けようとするオーナーの動機をつくったとした。

 

背景には、2010年ごろからレオパレスが業績回復のために行っていた通称「終了プロジェクト」が影響したと説明。原価削減目標を定め、不採算物件の借り上げ賃料の減額や契約解除を強く求めるメールを各担当者に送付し、強引に推進していたと指摘した。

 

 レオパレス側はオーナー側の指摘を全面的に否定。

10年経過後に一定の額が減額となるといった説明はしておらず、誤認していたのであれば、確認を怠ったオーナーの過失に基づくと主張。

さらに「終了プロジェクト」の影響についてだが、12年3月期には営業利益が黒字化したことを説明し、12年10月に減額合意がなされた今回の事業は同社の経営不振が理由ではないと説明した。

 

 今回の判決では「契約の動機が黙示に表示されていたこと」を認定し契約無効を認めた。

 

「動機の黙示の表示」とは、契約に至った理由を言葉にせずとも表現しており、契約の当然の前提になっていたということ。

 

契約時、重要な動機について「明示」または「黙示の表示」をしていた場合は、契約を無効にできる

 

裁判所は、減額合意はオーナーにとって負担を強いるものであり、10年経過後の大幅な賃料減額を前提にしたものでなければ合意をなさなかっただろうと指摘。

これが「動機の黙示の表示」であると認定した。さらに誤解はレオパレス側の説明によってなされたものでありつつも、誤解を解くことをしなかった。責任は同社にあると認定した。(全国賃貸住宅新聞)

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コメント

賃減額契約の重要な前提自体を誤認していたこと、そして誤認の原因はレオパレス21にあるということのようです。

要するにレオパレス21側の契約時の賃料減額についてのオーナー側への説明が十分とはいえないということのようです。

結果、レオパレス21は家賃減額契約の無効と、減額分の家賃の支払いを裁判所から命じられることになります。

しかし今回の結果は、サブリース会社を相手にした訴訟でオーナー側が勝訴することができるということ、またサブリース会社側としては将来の賃料減額については、きちんと十分に説明する必要があり、うやむやに行うべきでないことが示されたようだ。

 

 

名古屋地裁の判例(敗訴)

 名古屋地裁は、10年経過後の下落賃料を「通常改定」と表記するなど、オーナーに対して説明の適切さを欠いたこと、また減額合意がオーナーのメリットになることはないためオーナーは何らかの誤認をしていた可能性は認めた。

だがレオパレスが自動的に減額すると説明したとまでは根拠がなく、それを踏まえると原告の「誤認の理由がない」とした。

さらに、当時レオパレス社内で減額交渉を推進する取り組みがあった事実だけを見て直ちに「一括借り上げ賃料が自動的に減額される」と説明したとは認定できないとした。

 

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■この家賃減額も借地借家法では認められてはいますが、

・双方の協議のうえ合意のうえでそうすべきというのが原則

 ⇩

・もし合意にいたらない場合は調停(ADR調停)

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・そして裁判へと手順を踏むことになります。

 

 

 

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