傷ついた脊髄を人工的につないで手を自在に動かす
「人工神経接続」技術が開発されたらしい

損傷した脊髄の経路をバイパスして、人工的に脳と脊髄の運動神経をつなぐ技術。

この実験ではサルにおいて麻痺した手を自在に動かすことができるまで回復したそう。

これが発展すれば、神経の損傷が大きい患者の治療もできるようになるんだろうな。

義手とかではなくて自分の手足を思い通りに動かすことができるようになったら

患者さんの満足度は全然違うでしょう。


再生医療やこのような人工素材の技術の今後の発展に期待です。




以下詳細↓↓


平成25年4月11日
自然科学研究機構 生理学研究所 広報展開推進室
科学技術振興機構(JST) 広報課
http://goo.gl/bIwB0
傷ついた脊髄を人工的につないで
手を自在に動かす「人工神経接続」技術を開発

脊髄は、脳と手や足をつなぐ神経の経路となっています。脊髄が損傷し、その経路が途絶えると、脳からの電気信号が手や足に届かなくなり、手や足が動かせなくなってしまいます。今回、自然科学研究機構 生理学研究所の西村 幸男(にしむら ゆきお) 准教授と、米国ワシントン大学の研究グループは、脊髄損傷モデルサルの損傷された脊髄の部分を人工的にバイパスしてつなぐ「人工神経接続」技術を開発。これにより、脳の大脳皮質から出る電気信号により、麻痺した自分自身の手を自在に動かすことができるようにまで回復させることに成功しました。神経回路専門誌「Frontiers in Neural Circuits」(4月11日号電子版)に掲載されます。
<研究内容>
研究グループは、脊髄損傷においては、脊髄の神経経路が途絶えているだけで、脳の大脳皮質からの電気信号を、損傷部位をバイパスして、機能の残っている脊髄に伝えてあげれば、手を健常に動かすことができると考えました。そこで、特殊な電子回路を介して傷ついた脊髄をバイパスし、人工的につなげる「人工神経接続」の技術を開発しました(図1)。実際、脊髄損傷モデルサルの損傷した脊髄を人工神経接続によってバイパスさせたところ、手の筋肉を思い通りに動かすことができるようにまで回復しました(図2)。
西村准教授は、「運動麻痺患者の切なる思いは、自分自身の体を自分の意思で自由自在に動かしたい、これにつきます。今回の手法はこれまでの研究とは異なり、ロボットアームのような機械の手(義手)を自分の手の代わりに使っていません。自分自身の麻痺した手を人工神経接続により、損傷した神経経路をブリッチして自分の意思で制御できるように回復させているところが新しい点です。従来、考えられてきた義手やロボットを使う補綴より実現の可能性が高い(早道である)のではないかと考えています」と話しています。
本研究は、JST 戦略的創造研究推進事業 個人型研究(さきがけ)の「脳情報の解読と制御」研究領域(研究総括:川人 光男 (株)国際電気通信基礎技術研究所 脳情報通信総合研究所 所長)における研究課題「人工神経接続によるブレインコンピューターインターフェイス」(研究代表者:西村 幸男)の一環として行われました。
また、今回の動物実験に関しては、動物実験の指針を整備するとともに、研究所内動物実験委員会における審議を経て、適切な動物実験を行っております。
<今回の発見>
1.脊髄を損傷したサルの損傷部位をバイパスして、脳の大脳皮質の信号を脊髄の運動神経に人工的につなげて送る「人工神経接続」技術を確立した。
2.「人工神経接続」によって、麻痺した手を自在に動かすことができるまで回復した。
<この研究の社会的意義>
脊髄損傷患者の手足の運動回復に応用へ
今回の手法はこれまでの研究とは異なり、ロボットアームのような機械の手(義手)を自分の手の代わりに使わずに、自分自身の麻痺した手を人工神経接続により、自分の意思で制御できるように回復させているところが新しい点です。従来、考えられてきた義手やロボットを使う補綴より実現の可能性が高い(早道である)のではないかと考えています。
<参考図>

図1 損傷した脊髄をバイパスさせる「人工神経接続」技術を開発
$研修医days


「人工神経接続」の模式図。損傷した脊髄の経路をバイパスして、人工的に脳と脊髄の運動神経をつなぐ技術。原画:理系漫画家はやのん。

図2 人工神経接続によって、筋肉を自在に動かすことができるように回復
$研修医days
脳の局所電位を記録し、そこから腕の運動にかかわる電気信号を抽出しました。その信号にあわせて障害部位より下の脊髄に刺激をあたえたところ、刺激にあわせて腕の筋肉の収縮が見られ(腕の筋電図)、手を動かし、レバーを押すことができるようになりました。人工神経接続の電子回路をオフにしたときには、こうした手の動きは見られませんでした。
<論文情報>
“Restoration of upper limb movement via artificial corticospinal and musculospinal connections in a monkey with spinal cord injury
Yukio Nishimura, Steve I. Perlmutter, Eberhard E. Fetz”
Frontiers in Neural Circuits 4月11日号掲載(電子版のみ)