人間の脳というものは色々と足りないところを補完してその主に判断をさせているらしい。

いや、主は脳なのかも知れない。
それはともかく。

例えば子供の頃学校で習った、「クラス25人のうち、リンゴを持っている人が11人、みかんを持っている人が16人います。リンゴとみかんどちらも持っている人は何人でしょう」のような問題の時に使われるベン図。

(『ベン図と言っても、ドイツ製の高級車のことではない』と書こうとしたが、それを言ってしまうと私も終わりのような気がしてやめた。結局書いているではないかと思う向きは間違っている。これは説明なのだから、その言葉を使っただけで、私は言っていない。書いていない。)



丸が二つ重なっているカタチに見える人が殆どだろう。

これを二つの(ちょっと太めの)三日月型と(白い部分)、一つのラグビーボール型(? 赤い部分)からなっていると感じる人は恐らく捻くれもn、いや少数派だろう。

勿論、算数のベン図として理解するときは丸が重なっているのだが、今は単にカタチのみに登場戴いた。

また次のような図の場合、実際は ][ が並んでいても、目にした時には単に[ ]が並んでいるように見えるのではないだろうか。


  ][ ][ ][ ][ 


また、この図はどう転んでも三角形が浮かび上がってくるだろう。
三角形の定義 ( "3つの頂点を3本の線分で結んだ図形" )を満たしていないにもかかわらず。
これは"カニッツァの三角形"
と呼ばれるものである。



このように、脳が勝手に最も理解しやすく、まとまりのある落ち着くカタチとして読み取ってしまう訳だ。

これは図形だけに留まらない。

例えば女性の水着の写真があるとする。
勿論、男性でも良いのだが、よりその効果を感じてもらう為ここは女性にしよう。ムフ。

そしてこの際、セパレート型がより分かり易いのだが、身体に密着している上下の布の部分にボールペンでも、付箋でも、猫でも、冷蔵庫でも乗せてみて欲しい。

裸に見えるのだ。
(これはサンプルを示さない)

見えている部分は、① 顔から喉元を経て胸上部、② お腹、③太腿以下の脚である。
可視部分が直の肌であるせいか、脳はこの女性を裸だと錯覚させるのだ。

これらのことは脳の補完作用が起こす錯覚だが、これはプレグナンツの法則と呼ばれている。
(何故プレグナンツ『妊婦』なのかは未調査)

そのような名称を知ったのは勿論、オトナになってからだが、この効果(?) に関してはアホアホ高校生だった頃、既に自身で発見していて、(俺は天才ではないだろうか)と化学IIの授業中、独りごちていた私である。

だが、裸を「最も理解しやすく、まとまりのある落ち着くカタチ」と認識しているとすると、私の脳もなんだかなという気がする。

因みにベン図のところで書いた例題の答えが「インド人」である場合もあり得る。
クラスにインド人の子が二人いて、リンゴとみかんどちらも持っているのはその子達の可能性があるからだ。
「何人でしょう」と問うているのだし。
ただ、今はそんなことはどうでも良い。


本日のまとめにはいる。
私の書いたものの表面だけ、見えている部分のみの判断で

「こいつくだらないこと書くよな」

と思うヒトは脳の補完作用により錯覚させられていると言わざるを得ない。

プレグナンツの法則に捉われず、しっかり本質を見る目がある者なら、私の書くものが「くだらない」のではなく、「ホントにくだらない」ことが分かるはずだ。