私は歌うことが好きである。
いや、好きになってしまった。

音楽が好きで、ずっとギターを弾いてきたのだが、最近歌うことにも目覚めるという、タチの悪い嗜好が芽生えてしまったようだ。

昔はタモリ氏のようにカラオケのつまらなさや、退屈さ、(氏は日本の酒場をダメにしたのはカラオケであるというようなことを言っていた記憶がある。間違っていたら申し訳ない。)また、嫌だって言っているのに歌うことを強制するかのような圧力が苦手であった。

ところが、家庭を持つようになって何年か経った頃、何かのタイミングでカラオケに行ってしまった。🎤♫

家族が「行こう!」と盛り上がった旅先での事とは言え、魔が差したとしか言いようがない。


「・・・楽しい。。」


これが意外と楽しいんである。

そうは言っても、長年カラオケから距離を置いてきた私がクルリンっと転向するのも抵抗がある。
極々小さなプライドがある。

そんな折、ひょんなことから人前で歌うハメになり、またそれを喜んで貰えたという快感が、決定的に私の何かを変えてしまったようだ。

快楽は人をダメにするというのはその通りかもしれない。

以降、ダメ人間になった私は機会を伺ってはカラオケに足繁く通い始め、今ではライブさえやりたいと思うほど勘違いと妄想は膨れ上がっている。

困ったものだ。