つづき
仮眠をすませ頂上を目指し8合目の山小屋を後にする。
01:00 8合目
山頂を目指し、とぼとぼと進むツアー登山者の渋滞を、個人の登山者たちがぐんぐん抜いて登っていく。
御来光まではまだ3時間以上ある。俺たちはこれでいいのだ。
「早く上に着いても寒いなか頂上でじっと日の出を待つのはつらい。」とどこかのブログに書いてあった。
たしかにそう思う。まだ8合目だというのにかなり寒い。
ガイドさんは「身体が冷えるから動きは止めないように」と言っていた。
休憩の回数は増えていったが、ちょっと休むだけでどんどん寒くなるので1回の休憩時間はどんどん短くなっていった。
02:30 9合目
眼下の山梨の町明かりが綺麗だ。
どんな高層ビルよりも高いところから見下ろす夜景だ。
すでに3600mには達しているだろう。
頂上の3776mまであと少しだ。
休憩ごとの深呼吸ではなく、1歩1歩を深呼吸して、1足1足をゆっくりと確実に進めていく。
下界とは違う世界だと十分に分かったので、慎重に慎重に登っていく。
03:30 頂上到着
ガイドさんが「このコーナーを曲がったらあとはまっすぐで到着です。」と言った先にゴールが見えた。
もう頂上に着いてしまう。
途中大変だなぁと思うところもあったけれど、かなりあっけなく終わってしまう。無茶苦茶寒くてさっさとゴールしたい気持ちはあるけれど、もっとギリギリまで追い詰められて、こんなにも苦労して登頂したぞ。という充足感がほしいかったなぁ。とあれこれ考えているうちに頂上到着。
まだ真っ暗で火口が見えない分、頂上にいる!という感慨深さが薄い。
頂上の売店で甘酒を飲んで体を温めた。
水浸しの軍手の代わりに新しい軍手を購入した。
500円で。
地上なら50円なのに。
富士山プライス。
でもこれだけでかなり温かい。買ってよかった。
04:00 頂上
俺たちは小学2年生の女の子も含んだパーティなので、ほかのパーティより先に降りよう。ということになり御来光も見ず、30分程度の滞在で下山を開始した。
04:43 御来光
下山は楽。といえば楽だった。
膝にとても負担がかかりそうだったので、とにかく膝を痛めないようにと気をつけながら足を運んだ。
そんなことに集中して下ばかり見ていたら、なんとなく右のほうから光を感じる。
御来光だ。
雲の隙間から太陽が顔をのぞかせている。
04:47 御来光
さらに光が強くなっていく。
富士登山は日本一高い場所まで到達した。という達成感だけをもとめていたので、御来光にはまったく興味はがなかった。
しかし実際にそれに遭遇すると感動した。
新年の初日の出とは違い。特別な場所での特別な光だった。
05:00
太陽が昇って広がる景色は、昨日見た遠い夜景ではなく、どこまでも続く真っ白い雲海だった。
180度すべてが雲海だった。この景色は本当に素晴らしかった。
07:00
いつまでもいつまでも下山する。
2日かけて登ったにしても、こんなに登ったっけ?っていうくらい下山が終わらない。
登りと違って変化に乏しく、単調に下っていく。
雲海を眺めながらの下山は楽しかったが、雲を追い越して、雲の下を歩く下山はただただ単調だった。
寒くもないし、体力的にきつくもないので、おしゃべりしながらお菓子を食べながらダラダラと降りていく。
09:00 5合目
5合目に帰ってきた。
こうして初めての富士登山は終了した。
富士山には登山ルートが4本ある。火口をぐるっとまわるお鉢まわりもしていない。またいつか富士山に登りたいと思う。
富士登山をなめてはいけないと思うが、必要以上に怖がることはないかな?と。
大事なことは2つ。
事前準備としては防寒・雨対策を万全にすること。
現場では深呼吸を意識すること。酸素ボンベいらずだ。






