「この点とこの点の境い目に来なければ、

 帰れないのかもしれない…」

 そう言った後、じっくりと鏡と向き合う。

すると、鏡に描いた線が、ピーッとまっすぐに、

鏡の上を走る。

 

「えっ?なに?」

「どうやったの?」

 それはまるで、境界線のようにも見える。

部屋のど真ん中を、レーザーポインターで描いて

いるように、光のラインがくっきりと浮かんでいる。

「あっ、これって…リンネさんの引いた結界?」

すかさずカガリが、声をもらす。

「その通り!」

 いきなり鏡の向こうから、声が聞こえる。

「えっ」

「だれ?」

「まさか…魔王?」

アキとカガリの声に、リンネさんの声がかぶさる。

ユー子さんが言っていたことを、思い出したのだ。

 

 するといきなり、鏡に映っていた時計の針が、

グルグルと勢いよく回り始める。

カッチ カッチ カッチ カッチ

まるで目が覚めたみたいだ。

「え~っ、なに?」

これから何が起きるのだろう?

カガリが、アキの腕にしがみつく。

リンネさんも険しい顔になり、スッと二人の前を

躍り出る。

「君たちのことを、待っていたよ。

 さぁ、こっちへきなさい」

鏡の向こうに、薄ボンヤリと、シルエットが浮かび

上がっている。

 

 

 

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