​前回までのお話。
子どもの付き添い入院中。
ちょっと変わってる看護師Gと
師長と私で話し合うことになった。





日を改めて

師長と看護師Gとの話し合いは行われました。


いつものようなベッドサイドではなく

ナースステーション奥の

応接室で3人プラス我が子の4人で

話し合いがスタート。





我が子は私が抱っこしたまま。

見てくれる人はいないから。

ちゃんと話せるかちょっと不安になったけど

目を離す方が心配なので仕方ない。







「今回は栄養注入の件でミスがあったということで申し訳ありませんでした。」

とまず師長が話し始めました。




看護師Gは黙ったままだったので

「それについてあなたはどう思ってますか?」と

私は冷静に聞いてみた。





「私はちゃんとしてたつもりだったんですけど

なんでか機械が止まってしまいました。

原因はわかりません。機械がおかしかったのかもしれないです。」





いやいや、あなたより機械の方が絶対正確やろ!と

ツッコミたい気持ちを抑えて



「なんでか知らないけど止まったなら

確認するのが当たり前で、あなた確認しに来ました?

休憩中だったとしても、休憩後に確認しました?

うちの子に必要な栄養が入ってなかったかもしれないのに、それを放置された気持ち分かります?」





「いやでも私はちゃんとやったし、

間違ってないと思ったので。。。」






はぁ。。。。。

これはダメだ。

でもせっかく時間もらったんだし

きちんと伝えなきゃ。

そう思った私は一旦話を切り替えました。







「ちなみに、あなたは入院したことありますか?」






「ないです。」






「ないのか。。。

じゃあ、治るか分からない状態、いつ退院できるか分からない状況の患者やその家族がどんな気持ちで入院してるか想像したことはありますか?」






「。。。

あんまり考えたことないです。」







ないんかーい!!!







「看護師してるんだったら、一度想像してみてほしい。毎日体調のこと考えながら自分たちではどうすることもできない悔しさや、入院という制限のある生活、衣食住という最低限のことも人の目を気にしながら過ごしていくことがどれだけ大変かということを少しでいいから考えてほしい。

もちろん、あなた方の仕事は医療を提供することが最優先だし、気持ちに寄り添わなくてもやっていけるかもしれない。でも、あなたの言葉や行動で傷ついたり困っている人がいることを知ってほしい。今まで直接患者側の気持ちを聞くことはなかったかもしれないけど、これを機に少し考え直してほしい。あなたが悪い人だとは思ってない。あなたなりに考えて行動してるとは思うけど、あなたの考えをきちんと先輩や上司に相談してから行動しないと、勝手なことしてると思われるだけだよ。それってあなたにとってもよくないことなんじゃない?」





長々話していると

我が子が泣き出した笑い泣き



慌てて師長が病棟保育士さんを呼び

我が子を少しだけ預かってもらうことにした。






看護師Gは黙り込んでしまっている。






「私はあなたが嫌いとかそういうことを言ってるんじゃなくて、これからもあなたにお願いしたいと思ってるからこそ、私たち患者の気持ちも少しは考えてほしいということを伝えたいと思って今日この時間を作ってもらったの。あなたと患者は別の人間。あなたがいいと思ったことが、必ずしも患者にとっていいとは限らない。

投薬の準備を持ってくるのもその一つ。あなたは物品はこれでいいと思ったかもしれないけど、私はそうじゃなかったし他の看護師さんも違った。物品持ってくる時に、他の看護師さんにどんなの持って行ってるか聞いたことある?」




「ないです。」






「じゃあ、いつもと違うって私が言った後にも、誰にも確認してないんだよね?そこで自分で、ん?って思わないといけないと思うのよ。

自分のやり方が人と違うことに疑問を持たなかったら、あなたはいつ成長するの?


なんか言い過ぎてしまったかも。ごめんなさい。

これ聞いてあなたはどう思う?」






少しの沈黙が続きました。









つづく。








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