日本のオーケストラ・京都市交響楽団
京都市交響楽団 本楽団音楽主幹 新井 浄
 先生

◆京都コンサートホールは、地下鉄北山駅より5分だが、入館してから螺旋状のスロープを長々と歩く。
これは、建築家 磯崎 新の「間」の思想を取り入れたもの。
スロープ→平らな空間→スロープ→平ら と、思想を足で感じられる構造になっている。

(以下、データは「日本のプロフェッショナル・オーケストラ年鑑2008」より(配布))
◆オーケストラの構成員には、指揮者と演奏家の他、
 ▽ステージ マネージャー  指揮者と相談して楽器を配置する人
 ▽ライブラリアン     楽譜の管理をする人(A社B社C社で楽譜が異なる、とか)
 ▽インスペクター     メンバーを張り出して調整する人
  などがいる。

◆(財)日本オーケストラ連盟加盟正会員23オケで、公的支援(「文化庁・基金」と「地方自治体」)を受けていないのは、N響と京都市交響楽団のみ。N響は放送局がバックについている。
 そういえば、京都「市」交響楽団 と「市」が付くのはここだけ。
 京響の楽団員は市の嘱託職員。しかし今後財団に移管する。

◆「オーケストラ・アンサンブル金沢」は、県と市が同額くらい出しているが、名称には「金沢」。
 20年で海外公演を10回、他、国内各都市へ。
 「地元の税金を使って外で演奏するのはどうか」という声もあったが、試算によると、電通や博報堂に依頼するともっとお金がかかるそうで、出資に見合った経済効果というかリターンがある。

 他、小都市には群馬・山形・仙台・広島などがある。

◆四国には現在(連盟加盟の)オケがないが、実は、かつて徳島に板東収容所があり、第一次世界大戦のドイツ軍捕虜が作ったオケ(「エンゼルオーケストラ」「タウンゼントオーケストラ」)があった。ベートーベンの交響曲のうち、4つが四国で国内初演されている。

◆群馬に交響楽団があるのは、昔生糸の産地で(日本の「シルク・ロード」)、輸出で西洋とつながりがあり、キリスト教などと共に西洋音楽が盛んになったのではないか。

◆日本では「税金を納めることにより文化に寄与」という精神だが、
 アメリカでは、「税金に取られるより芸術創造団体に寄付」というスタンス。
 寄付者はコンサートの際、車から席までホテルのボーイのような案内者が付く。

◆アメリカのオケは財団であり、政府・自治体が応援していない。事業収入や民間の寄付でやっている。
 ボストン交響楽団は年間収入30億の内10億は事業収入。20億は寄付。
 Fund Raising Managerという人が英・米には沢山おり、集めた金額により自分の給料が決まる。