4月の緊急事態宣言のあと、夫の会社もテレワークが主体となった。
といっても東京が中心で、東北の小さな支店までもが
テレワークを躊躇なく選択できるようになったのはGW頃だった。
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夫の仕事は人と会う仕事なので、毎日やきもきと心配していた。
だから、在宅勤務が増えて心から嬉しかった。
勤務中は別室にこもっているが
家にいてくれるだけで、私の気持ちも安定するようだった。
生活リズムが狂ったためか、腎不全の愛猫が5月初旬に体調を崩した。
その看病で私も寝不足と疲労が重なって口唇ヘルペスを再発した。
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そんな中、3度の食事を用意することや
掃除、洗濯、家事一般をこなすのがきつくなった。
夫は遊んでいるのではなく仕事をしているのだけど
それでも、自分からは全く手伝ってくれない夫にイライラしてしまった。
腎不全の猫は、夜中でも2~3時間おきに水分補給をしなくてはいけなくて
普段からハードではあったけれど、ヘルペス発症と同時に
持病の繊維筋痛症があばれだし全身を激痛がめぐって悶えた。
熱と頭痛と全身痛で起き上がれないので顔だけ動かして
あれお願いできる?あれやって欲しいんだけど、これやって欲しいんだけど、と
夫にお願いをする。
”お願い”が”指示”になり、声はヒステリックになっていく。
「夜のひなこの世話は2時間おきでも3時間おきでも、
どんなに辛くても私がやるから、昼間の餌やりだけでも手伝ってくれない?!」
・・・そして、けっして言ってはいけない禁句が口をついて出そうになる。
『ちょっとぐらい手伝ってくれたってバチはあたらないと思うんだけどね!』
↑↑↑ 私の母の口ぐせである。
『〇〇してくれたってバチはあたらないわよ』
『〇〇してくれたってバちはあたらないと思うんだけどね』
子供の頃から聞かされているので慣れているはずなのに
今でもこの言葉を吐かれると痛みを感じる。
70歳を過ぎても母は、嫌味をいうときにこの言い回しを使う。
なんて嫌ないいかたをするのだろう。
私は子供の頃からこの言い回しが大嫌いだった。
なのに、先日わたしは
同じ言葉を夫に吐いてしまいそうになったのだ。
恐ろしかった。
自己嫌悪なんてものじゃない。
ひとは言っていいことと悪いことがあるのだ。
なのに、私にべっとりと沁みついた母の言い回しが
あるときひょっこり顔を出す。
私の心だけでなく、理性までも蝕んでいく。
負けるものか。
血ではない。性質を決めるのは意思だ。
絶対に母のようにはなるまい。
絶対に父のようにはなるまい。