事情を説明したいけど、電話で人と話せなくなり

だいぶたつ。

 

けれど、義母にこれ以上余計な心配をさせてはいけないと思い電話した。

 

夫に横にいてもらった状態で、直接話したいことがある、と伝えてもらった。

 

苦しくなったらすぐに代われるように。

めまいで倒れたらすぐに代われるように。

 

先日、粗大ごみの回収予約を入れるだけでもグラグラが押し寄せてきて

途中で気が遠くなってしまったので、会話のやりとりはたぶん難しい。

だから、聞くだけにしてあげて、と夫が義母に言う。

 

失礼なお願いをしているのに、義母の、わかったという声が

電話の向こうからきこえる。

 

私が「もしもし」と出ると、「はい」と緊張した義母の声。

 

退院おめでとうということと、電話に出れずごめんなさいと伝える。

そして、一番伝えなくてはいけないことを伝えた。

 

実は昨年の11月に、実の両親と縁が切れているのです。

両親から「縁を切る」と言われました。

これから先、死ぬまであうことはないと思います。

もっと早く話さなくてはいけなかったのですが、言い出せなくてごめんなさい。

実の親と縁を切ったなんて、こんな嫁で申し訳なくて、言えなくてごめんなさい。

 

途中から、義母の気配がかわるのがわかった。

緊張がとけたのと、慈愛、に似た何か。

 

最後の二行は、泣いてしまったが、

きちんと詫び、しっかりと伝えなくてはと思い、言い切った。

 

途中から義母は、「もういいから、もういいから」と言った。

 

私が言い終えると、義母はゆっくりと

「そんなつらいこと、もう口に出さなくていいから」

と言った。

 

(つらいこと?) 言わなくちゃいけないことだと思っていたけど

そっか、つらいことだったのかと思ったら、グラリと眩暈と動悸が襲ってきた。

 

夫にかわった。

苦しくなったので私はまた横になった。

でも、話せてほっとしていた。

 

夫は義母と二言三言だけ話して電話を切った。

 

「大丈夫だから。どこに家にでもあることだから」と言ってあげてと、

義母からの伝言。

 

口下手な夫と、口下手な夫の両親。

でも、みんなとてもあたたかい。

 

口数少なくても、血がつながっていなくても

私は、夫とその家族を心から尊敬し、愛している。

 

一年ずっと言えずにいたけれど

話せてよかった。

言えてほっとした。

 

怒られることもなく、とりなされることもなく

義母はただただ、だいじょうぶ、だうじょうぶ、

もうだいじょうぶだから、と言ってくれた。

 

私にはもう戻る家はない。

甘えることのできる実の両親も妹も、もういない。

 

でも、夫と義理の両親がいる。

だいじょうぶ、だいじょうぶ、と言ってくれるひとがいる。

 

忘れる。

ただ、忘れる。

 

切り捨てよう。