母は決してあやまらない。

父もあやまらないが、母もあやまらない。

 

私はそれが子供の頃から不思議でならなかった。

本やテレビの中では

大人であっても、間違いをおかしたり人を傷つけたら

子供に対してであっても、ごめんな、と謝っている。

でも、私の家では両親が子供に対して謝罪を口にすることはなかった。

 

何かを勝手に捨てるとか、

そんなのは日常茶飯事だったので割愛する。

 

子供の頃に飼っていたインコが

学校から帰ると消えていたことがあった。

 

私がはじめて飼ったインコだった。

まだ赤く毛も芯が目立つぬれたようなヒナの状態から

大切に育てた、水色の、美しくてかしこい子だった。

 

エサをやろうと鳥かごへ行ったらいなくなっていた。

(エサあげてくるね!と台所の母に声かけたら母は無言だった)

びっくりして母に「ねえ!ピーちゃんは?」と尋ねた。

 

最初母は「え?いないの?知らないわよ」と言ったが

顔つきがおかしかった。

 

「お母さんしかいなかったんだよ。知らないわけないでしょ?」

と問い詰めたら、言い返してきた。

「飛んでいっちゃったのよ。知らないわよ。お母さんのせいじゃなわよ。

ちゃんと扉を開かないようにしとかなかったあんたが悪いんでしょ」

 

え?え?え? どういう意味?

ピーちゃんが自分で扉をあけて行っちゃったの?

と私がつめよると、

「っとに。あんたはいつもしつこいんだから。お父さんと一緒よ。

エサを取り換えてやろうと思ったのよ。

そしたらリビングの窓から飛んでっちゃったのよ。

お母さん洗濯で忙しかったのよ。あんたみたいにヒマじゃないんだから」

母は、悪びれもせずに、面倒くさそうに言った。

 

状況がよくわからなかった。

母が言っていることがすべて本当なのかどうかもわからなかった。

そして、ピーちゃんが戻ってこないことも、わかった。

 

私はここで泣けばよかったのだろうか。

でもお母さん、あなたの最初の子供は、

もうずいぶん前から泣けない子供だったの。

 

娘に「ごめんね」と言うどころか自分は悪くないという母親に対して

泣くかわりに、怒り、悔しがり、

「お母さん!ひどいよ!」と

あなたを責めることしかできなかったの。

あやまってよ、あやまってよ、って。

 

「うるさいわね、そんなに言うならまた買ってくればいいじゃない!」

母はヒステリックな声でそう言うと

2千円を出して、食卓に投げつけるように置いた。

 

「お母さん!お母さん!(どうして?)(どうして?)」という私に

母は「しつこい!」とだけ言い残して買い物にでかけた。

 

妹はまだ学校から帰っておらず、私と空の鳥かごは独りぼっちだった。

母が帰ってきたら「お母さんごめんなさい」というのは私の役目だった。

 

父も母も、いつもそうだった。

どう客観的に考えても自分が悪いとわかったときでも

自分からはあやまらない。

 

「ひどすぎるよ。謝ってよ!」と私が責めれば、母は

「ハイハイ!わかりましたよ。

謝ればいいんでしょ。ごめんなさいね!」と言ってプイと逃げる。

ちなみに父は

「なんでお父さんが謝らなくちゃいけないんだ!」と言って噴火する。

 

悪いことをしたら謝りなさい、と説いてきたその口で

子供にむかってはなぜ同じことができないのだろう。

 

「ごめんね」

「すまなかったな」

そんな簡単な言葉でいい。

心からさっとそう言ってくれる両親だったら

今のこじらせすぎてしまった自分はいなかったろうと思う。

 

 

 

 

 

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