こんな私にも、あたたかなハグの記憶がある。
母のかわりに抱きしめてくれた人たちのぬくもりを
今も思い出すことができる。
生まれてはじめて私を抱きしめてくれた、私にとって特別の、隣のおばさん。
中学時代に転校するとき、先輩たちがギューッとしてくれた力強いハグ。
イギリスで知った、挨拶ハグ、慈愛のハグ、甘えんぼさんたちのハグ。
そして愛するひとが与えてくれる男性の大きくあたたかなハグ。
ちなみに、私の夫(12年前に二度目の結婚をした)は
私がハグしてとねだると、抱きしめると同時に
とーんとーんと背中を軽くたたいてくれる。
はじめてこれをやられたとき、あまりの心地よさと幸福感で
胸がいっぱいになった。
「なんでこんなにあやしかたうまいの?」と照れ半分で聞くと
特になにも考えてなかったけど、うーん、もしかしてオフクロが
そうしてくれてたのかな。と言う。
夫は次男坊である。
母親の愛情をたっぷりと感じながら育ったひとのハグ。
彼と結婚して、私ははじめて
自分からハグしてと人に言えるようになった。
他人様には言えないが、
「あのお母さんハグしてー」とねだることもある。
本来なら私が夫を甘えさせてあげなくちゃいけない立場だけど
夫は何も言わずにとんとんとハグをしてくれる。
夫は私をひっつき虫といって笑う。
でも私、今まで誰にもこんなことしたことないからね!というと
「わかってるよ」と言う。涙がにじむ。
子供の頃の渇きを埋めるように
私は今の夫からたくさんの温もりをもらっている。
夫のゆるぎない温かさを、何より尊いと思う。
お義母さんに感謝しなくちゃなあ。