母は買い物依存症といったが、

その根底には浪費癖がある。

 

というか、お金の管理ができない。

社会に出たことがないからかもしれない。

見栄っ張りな気質も、拍車をかけている。

 

祖母(母の母)によると、祖父(母の父)もそうだったらしい。

祖父は呉服屋の息子で、やはり甘やかされて育ったので

ボンボンらしいおっとりした人だったが

お金に関してもおっとりしすぎていたらしい。

詳しいことはまた別の日にかけたらと思うが

祖母は大変な苦労をし、女だてらに60歳の定年まで勤め上げた。

 

そして、恥ずかしいことだが

私にもその血は遺伝していると思う。

社会人になりたての頃、一人暮らしでお金が苦しく、キャッシングをしてしまったのだ。

 

手取り12万の給料で家賃6.5万と光熱費などを払うと、毎月カツカツだった。

1~2年ほどで借金は膨れて100万近くになってしまった。

90年代、デパートで作ったカード、金利が30%近くあった頃だ。

サラ金並みの高金利だった。

 

その頃は法律相談も敷居が高かった。

支払いに窮した私は、恥をしのんで祖母にお金を貸してもらえないかと電話した。

祖母は私が信頼できる唯一の肉親だった。両親には相談できなかった。

 

祖母は驚いた様子で、けれど貸してくれた。

「おばあちゃんもお金持ちではないけれど、先ずは全額返してしまいなさい」

「でも、お父さんお母さんに言わないわけにはいかないからお母さんには連絡していいかい?」

と言われ、それもそうだなと思い、うんと答えた。

祖母はいつも凛とした正論のひとだった。

 

そのあと、父から電話がきた。

怒られるかと思ったが、そうではなかった。

「本来ならお父さんたちが貸してやりたいところだが、お父さんたちもお金の余裕がないし

かといってお前が直接おばあちゃんに借りるのもよくないので

一旦おばあちゃんからお父さんたちが借りるかたちで、それをお前に貸すことにする。

お前は無理のない金額で少しずつ返しなさい。おばあちゃんにはお父さんたちから返しておく」

 

え?そういうことになったの?と少し戸惑ったが

とにかく返してしまいたい私は二つ返事でそれを了承し、

両親と祖母に礼を伝えた。

すぐにお金が振り込まれたので、おばあちゃんから借りる前に

お父さんが取り急ぎ入れてくれたのかと思いながら、全額を返済した。

 

最初は月2万から、余裕がある月は3万、ボーナスでも返済し

転職でお給料がアップしてからは返すペースも早くなり

2年ちょっとで全部を返済しおえた。両親に。

 

・・・そして、それから10年ほどの月日がたったある日。

おばあちゃんと電話で話していると、言いにくそうにおばあちゃんが

「あのねえ、前にあなたにかしたお金ねえ、

途中から(返金が)とまってしまったんだけど・・あれどうなったかねえ」とポロリ。

 

私はぶったまげた!

なんだってーーー???あのくそ親!!

 

「え?え?え? ちょっと待って! 私あのあと2~3年で全額返したよ。

え??お母さんから返してもらってないの?」

と言ったら、おばあちゃんは「そうか・・」と言って絶句した。

 

もしかして私が疑われている?と思い、

「おばあちゃんのおかげでカード会社に一括返金したら

あのあととても楽になって、自分のお給料で返せたよ。

お母さんの銀行口座に振り込んでいたから、お母さんに聞いてみて」

と必死で言った。仕事途中に振り込んだものもあったが

入金先の母の通帳には全額の記録が残っているはずだ。

 

祖母はそれから何も言わなかった。

そして、先に書いたような、祖父の話をしてくれた。

祖母もきっと母のお金のだらしさをわかっていたのだと思う。

母がお金を騙しとろうとしたわけでなく、”使ってしまった”だけなのだということも。

 

私はでも気持ちがおさまらなかった。

よくもこんなに長い時間おばあちゃんに借金し続けてくれたな。

よくもおばあちゃんや私の気持ちを踏みにじってくれたな。

 

すぐに母にお金のことを確認した。

(ばれたかという顔で)「あら」とだけ言った。

母は謝らない。父も謝らないひとだけど、母も謝らない。

 

ひどいよ!ちゃんとお金返したよね?

記録も残っているんだからね!

おばあちゃんにちゃんと返してあげてよ!

と強く言ったら

「でもぉ、今お金ないのよ。車も買い換えたいけど買えないし」とのたまう。

服は買えるのに、外食はできるのに、なぜですか???

 

頭にきた。

借金を作った私が悪い。

でも、あんなに頑張って早く早くと返したのに

それを自分とこで使っちゃうってどうして?

おばあちゃんに直接返したかったよ。 (もう号泣だった)

 

とにかくもう信用ならないから

領収書だけでも書いて!といって

母に、私から全額返済分の領収書を書かせた。

 

そして、夜、父にも話した。

義母のお金を使い込んだと知ったら、父はさぞかし恥ずかしいだろうと

言葉を選んで、実は今日おばあちゃんから・・・と事の次第を話した。

 

父は、わかった、と言った。

驚くでもなく、怒るでもなく、もちろん私に詫びるでもなく。

 

へ? と拍子抜けした私は

「とにかくおばあちゃんにはちゃんと返して。申し訳なくてつらいよ」と

懇願した。

 

父は、もう一度「わかった」とだけ言った。

性格な金額は失念してしまったが、40万くらいだったろうか。

祖母から聞いた”まだ返してもらってない残金”の額を父に伝えた。

 

気になって、そのあと(半年後くらいかな)祖母に確認したら

「まだ返してもらってないけどね・・」とのこと。

なにそれ?と憤慨した私が

「もう一度お父さんに言ってみる。お母さんはダメだから」というと

「もういいのよ」と祖母はいった。

 

それ以来、祖母にも両親にもその残金のことは聞いていない。

祖母と両親のあいだでなにがしかの決着がなされたのだろうか。

 

けれど私は確信している。

私の両親は、きっと残金を祖母に返していない。

私が祖母の恩義に報いるために一生懸命に

働いて返したお金を、私の両親は使い込んだのだ。

 

祖母のあのさみしそうな「もういいのよ」・・・。

自分の娘(私の母)だから諦めたのだろうか。

 

祖母のあの声を思い出すとき、

私は両親に強い嫌悪を抱く。両親を心から軽蔑する。

 

おばあちゃん、ごめんね。

お金貸してくれたのに、私を救ってくれたのに

何度も、何年も、いやな思いをさせてしまってごめんね。

 

 

 

 

#毒親 #クズ親 #老害 #たかり体質 #借金 #裏切り