結婚して数年が経った頃、実家の西側の整備がはじまった。

都市開発区域の境界に接していて、それが一気に動きだしたのだ。

 

両親は実家に接する三角地を購入したがっていた。

そこを購入すれば、現在は袋小路の突き当りである持ち家が

片面道路に接する土地となるからだ。

 

母は何回か私にいった。

「あなたお金ださない?」

「あなた買わない?」

「値段わかったけど、買う?」

冗談だろうと思って聞き流していた。

 

とても小さな土地で、鋭角な三角形。家どころか小屋も建てられない。

けれど価格は400万を少し超えるという。

しかし、実家の土地に接しているので、合わせれば確かに今の土地の価値はあがるだろう。

 

でも、でも、欲しければ自分たちで買えばいいじゃない?

----------お金はないけど欲しいってこと?

そもそも私にお金だして欲しいなら「買う?」じゃなくて、【お願い】するものじゃない?

----------子供にお願いなんてまっぴら?プライドが許さないの?

 

父は常々「お前たち娘には財産は残さん。お父さんが死んだら全てお母さんのものだ。

お前たちは財産放棄しろ」 と言っていた。

それに異論はない。別に両親の財産なんてあてにしてないし、何も欲しくない。

なのに、それ単体では何の価値もない三角地を買えと?

 

恥ずかしくて、夫にはこの話はできなかった。

400万くらいなら結婚前からの私自身の貯金でなんとかなるけど(母はそれを知ってた)、

そんな土地を購入したら、後々面倒なことになるのは目に見えている。

 

母から「あんた買わない?」と言われた何度目かの日。

「私が買えば私名義になって面倒なことになるから、お金を貸すってことなら」

と言ったところ、「それならいいわ(借りるのはいや)」とのことだった。

 

「それならメグ(妹)と相談させて。

二人で半分ずつ出すなら後々もめることもないだろうから」と言ったら

「じゃ、任せるわ」と母。

妹に電話したところ、

いつものことだが、出た瞬間から切りたがりのせわしない早口で

「え?なに?え?なんでウチがださなきゃいけないの?

あ、ごめんちょっと忙しいから」とにべもなかった。

あの子が電話できちんと受け答えするのは

自分が頼み事があるときと、こちらが贈りものをしたときだけ。

電話すればこうなることはわかっていたが、受話器をおき、ドッと疲れた。

 

折り返し電話を待っているだろう母にダメだった旨を伝え、

私も嫁に行った身だからポンと400万をだすことはできないと伝えた。

母は「あっそう」とだけ言って話題をかえた。

 

がっかりしているのか、別に言ってみただけよ、という程度のことだったのか

電話で顔色はわからなかったが、これ以上話せば母を傷つけるようで、ここで土地話は終わった。

 

一年くらいたった頃、そういえばあの土地どうした?と聞いたら

「買わなかったわよ。でも買わなくて正解。買ってたら自分たちで道路との境界フェンスを

つくらなきゃいけなかったけど、道路に接してないから必要ないし、あの三角地との境は

公団がフェンスたててくれたからタダですんだわ」と能弁だった。

 

よかったね。お父さん、お母さん。

 

 

 

 

#毒親 #クズ親 #老害 #たかり体質