第六十二侯 

 熊蟄穴(くまあなにこもる)

 

 

熊だけでなくリスやネズミ、ヤマネなど

多くの動物が眠りにつく頃

 

・・と思っていましたが

リスは冬眠するんだっけ?

 

 

実は冬眠するリスは

日本ではエゾシマリスだけなんだそうです

 

 

  エゾシマリス Wikipedia

 

 

面白いことに

オスとメスでは

冬眠する期間が違うらしいです

 

 

オスの冬眠は

メスがどこで冬眠するのかを確認してからで

そして

メスが目覚める前に起きだして

プロポーズする準備をして待っています

 

 

春、メスが目覚めると

一斉にオスたちのプロポーズ合戦が始まり

メスを追いかけて林を駆け回ります

 

 

 

 

 

 

またリスの冬眠は

熊などと違い

体に脂肪を蓄えない代わりに

長いトンネルを作り

そこに半年分(冬眠期間)の食物を貯蔵します

 

冬眠中も全く眠っているのではなく

体温を低くし呼吸を少なくし

仮死状態に近い感じです

でも

10日に一度くらいは起きて

食事も排泄もします

 

だからトンネルの中はきちんと場所が

仕分けられているんだそうです

 

 

 

 

  キノコ  キノコ  キノコ

 

森の本(角川書店)より

 

どんぐりの実りには、豊凶がある。

クヌギでは、豊作の年と凶作の年が、

ほぼ交互に訪れる

気候などの要因もあるが、

毎年同じ量ずつ実っていては、

ノネズミなどに食べられ、

生き残るドングリが少なくなるからである。

ドングリが不作の年には、ノネズミたちは

子どもを産んだり冬越ししたりできないものが多い。

 

翌年、たくさんのドングリが実れば、

数を減らしたノネズミたちに

食べ尽くされることなく、

より多くの実が芽生えることができる。

 

  キノコ  キノコ  キノコ

 

 

 

小動物たちの命を支える木の実

 

生き残るために

動物だけでなく木々たちも

意志があるかのような

そんな戦略的な進化をしたんでしょうか

そこには

人智の及ばない自然のバランスがあります

 

 

 

今年の秋は

例年にない件数の

熊と人とが出会うニュースを耳にしました

 

今年の山では

トチやコナラが不作だったから

里に降りてきた・・とも言われましたが

 

人間が動物のエリアまで

どんどん進出していて

 

もう、後戻りできないくらい

人間の都合と自然のバランスに

ほころびが生じている

そんな場をたくさん見聞きします

 

 

 

害獣と言われなければならない

動物たちが気の毒です

 

 

先人たちが

熊への思いを馳せた六十二候

「熊蟄穴(くまあなにこもる)

 

熊たちは

お腹いっぱいに食べ物を食べ

無事

穴に籠ることができたのでしょうか

 

 

どうか

幸せな姿で眠りにつくことが

叶っていますように・・

 

願わずにはいられません