上野千鶴子氏、敬称に敢えて「氏」を選んでみた。
「女史」という女性だけに使われる敬称は、上野氏にはふさわしくないと思ったからだ。
Wikiによると、上野氏は富山県出身の京大卒で、現在74歳。
日本のフェミニスト・社会学者。専攻は、家族社会学・ジェンダー論・女性学。
東京大学名誉教授、NPO法人ウィメンズアクションネットワーク (WAN) 理事長うんぬん
ということらしい。
2019年の東大入学式の際の祝辞は、大変有名だ
「頑張れば報われる(わけではない)」ことについて以降の部分は、特に圧巻だと思う。
上野氏の専門である”女性学”を生んだ”フェミニズム”について、「フェミニズムは弱者が弱者のままで尊重されることを求める思想」と述べた部分も、心に刺さった
そんな上野氏の「おひとりさま」に関する書籍を、「おひとりさま」向け終活アドバイザーとして、向学の為に読んでみた。
先ずは、「おひとりさまの老後」
本文の最初の一文が
「なあーんだ。みんな最後はひとりじゃないの。」
とあり、
「80歳以上になると、女性の約80%に配偶者がいない。」
と続く。
確かにね。
結婚していようがいまいが、女性は最後に”ひとりきり”になる可能性は高い。
「”ひとりでおさみしいでしょう”は大きなお世話」
という件(くだり)もあるが、これまた全くだ。
HIROからしても、独りはまったくお寂しくない。
著書は、
それら第1章「ようこそ、シングルライフへ」から
第2章 どこで どう暮らすか
第3章 だれと つきあうか
第4章 おカネは どうするか
第5章 どんな介護を受けるか
と構成されている。
小気味良い文章で、読み易く、分かり易い。
ただ、初版が2011年で、上野氏が63歳の時に著わしているからか、
「そうは問屋が卸さないのでは」という箇所も見受けられる。
例えば、第5章の中に「介護される側の心得10カ条」という節がある。
出典:「おひとりさまの老後 著者:上野千鶴子」 第5章 P201
その通りだと思う。
しかしながら、実際本人が介護を受けるときには、もう既にだいぶ判断力も認知機能も衰えている。
本人が判断できないから、家族やら民生委員さんやら、はたまた転倒して入院した病院の社会福祉士さんなどなどの助言、手配により、ケアマネさんが付き、申請し、認定され、介護サービスを利用し始めることとなる。
よって、本人が、どこまで上記の10ヵ条をしっかりと頭に入れて介護を受けることに向かえるのかは、甚だ疑問である。
それよりも、これらの10ヵ条を、「介護する側」の方々が留意して戴けたなら幸いと思う。
同じようなことではあるが、
第6章内の”孤独死”についての箇所に〖セキュリティネットは友人〗とある。
だが、90歳を超える父の友人などは、年に数人は亡くなっていく。
第一、高齢者になればなるほど、足腰が弱まり、友人宅に行くのも億劫になるし、どうかすると母などは、お友達のお電話に対応することさえ面倒になっていった。
「であれば、若い友人を作っておけばいいのでは?」と思われるかもしれないが、年齢差が大きい場合、同じ時代に一緒に育ったわけでもない者同士、そこまで厚い友情が生まれるものだろうか?
やや寝たきりの独居高齢者のもとに足繫く訪れたり、しょちゅうLINEしたりするものだろうか?
これまた、疑問である。
とはいうものの、「おひとりさまの老後」を先ずは考えてみる、想定してみるという為のご本としては、内容も満遍なく網羅されており、理由づけも納得し易く、良書だと思う。
同じく第6章内の〖「看取りたい」は残された者のこだわり〗は、コロナ禍、大切な人を看取れず罪悪感を抱いてしまっている方々へのエールにもなるであろう。
上野氏に、ご本に、感謝
本日も、お読み戴き有難う存じました
毎日気温差が本当に激しいですね
くれぐれも御身体お大切になさってくださいね。
お風邪など召しませぬように
愛と光と感謝を込めて
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