癌になってからというもの、

家族や友人の有り難みを今まで以上に感じるとともに、冷たさも痛感する。


家族は、私のことを思ってといいつつ

願ってもくれず、寝てばかりいた。

そばにいてくれることも、最初はしてくれなかった。

いつも家族のことを一番にやってきたのに、だ。


20年以上の長年の付き合いである友人Aは、

元気にさせようと私に会ってくれたが、

"会ったとき泣かずに元気でいて欲しい"

などとかなり辛い言葉をかけられた。

この言葉がどれだけ辛いものか、きっと自分がなって言われてみなくてはわからないだろう

突然の癌の宣告、死の覚悟の中で

元気でいてくれはどれだけ辛いか。

他人の気持ちがわからないのか...


そしてかなり仲の良い10年以上の付き合いである友人Bは、毎日LINEをする仲で、生きるように言っていたがいつ手術なのか、入院はいつからいつなのか聞かれて回答するも、

"平日は子供たちのところに行かなくてはならない"

"土日はその週は子供の誕生日パーティーがある"

"私が行って元気になるのなら行く"

とまぁかなり身勝手な状況であった

こんな時にパーティーの話?

友人の手術よりも会う時間よりも全て自分の時間?

来週の話、とかなら理解できるがしかし

これは半年も前の話だ。

酷すぎる。


私はこの人たちとは楽しさは分け合えても

悲しみや苦難をいっしょに乗り越えられる友人ではなかったのだとハッキリわかった。

自分のあり方や友人の見る目の無さを悔やんでいるし、距離を置くのは言うまでもない。


一方、普段冷たく喧嘩だらけだった友人Cは

私ができないことを"紙に書いて共有して。私がやっておく""手術はいつだ""わかった"と言ってくれたのだ。

それで思い出した。

この友人だけは、唯一結婚した時、離婚した時、何かあった時、誕生日、どこかへ行った時、必ず私に何かをする友人であったことを。

心からの心友であることを。

普段はA,Bと違い、1年に1回しか会わないし、猫のようで付きっきりでもなく相談し合う関係でもない。だが、必ず私のピンチの時には救ってくれる。

そういう奴だ。

AやBにしてるのはみたことがないし、何年も会っていないようだが、

必ず、私にだけは特別にやってくれていたのだ

私は今心から想う。

本当に大事にすべきこと、人を心から愛するということは何かと。

いつも一緒にいる、普段話を聞いてくれることだけが親友ではないのだと。

ピンチの時に救世主のように現れ、見返りもせず、サッと手を差し伸べてくれるこういう奴がホントのマブダチなのだと。。

そういえば以前、とある男友達が彼女Cに対し、長年の友達で毎日相談に乗ってあげていたにも関わらず、彼女Cが病になったとき、裏切られた発言をされたということから始まった。

"私はあんた(著者)がもし本当に困ってお金もなにもなくなったらやるつもりでいる。てかそれが普通友達っていうもんだろ。理解できない。"と。

もちろん、我々の仲間内では、金の貸し借りは一切ない。しかし、その言葉だけでもどれだけ私を思っているのかが伝わったし救われた日であったが、今こうして改めて思う。

真の友達とは、いい時にいる人ではない。

悪い時にも支え合える関係であると。


私は、冒頭2人のことについても、常にどんな時にも、相手に対して無償の愛情を注いできたし、何かあれば支えになるつもりで友情を築いてきたつもりだった。

しかし互いに、ではなかったのだと癌を通して気付かされた。

私は絶対に最後に語った親友のことを何かあれば必ず救うつもりだし、できることは全部やる。借金でもするだろう。

それだけの恩があるが、恩があるからじゃない、やらせてもらえないと気が済まない。

きっと彼女は当然そんなつもりでやってることではないとわかっているが、絶対に恩返しをする。

この恩は一生忘れない!!!