家に帰る途中 、
カレーのにおいがした
ずっと昔もあったな
となりの大きなお家
日曜日の夜はいつもカレーだった
赤ちゃんの泣き声
小さい子の足音
みんなの声
わたしはアパートでひとり暮らし
暖かそうな灯りがつくのがイヤで
笑い声が聞こえるのがイヤで
部屋 真っ暗にしてた
家にいたくなかったけど
今日は 、
帰ってくるかも知れない人を待ってた
なつかしいな 。。。
19の頃
あれから何年
変わってないな
わたし
相変わらず
佐川急便の男を待ってる
ちがう人だけど 。
そんなの
いつのことだか
だれだったか
忘れたよ
なんて 、
忘れるわけない
ほんとは 、いつも思う
カレー作って待っていたいな って
だれかを好きになるたびに思う
でも そんなの
いいの
わたしは今がいちばんいい
この前
カレーパン
いっしょに食べたもんね
ちょっと奮発して
ここら辺で有名な あのパン屋さんで買ったんだよ
380円もしたんだからね
でもね 前にひとりで食べた時、美味しかったから
いっしょに食べいたなって思ってたカレーぱん
これじゃなかった 、、、
同じパン屋さんのスーパー向けの安い方だったよ
間違っちゃった 。。。
あなたの前だからってカッコつけたから
いまさら …
くしゃくしゃな顔して
笑ってた
いただきます
わたしはこれでいい
スーパーの値引きシールが貼ってあるパンだっていいよ
あなたが仕事終わる頃
買っておくからね
帰る途中 、
いっしょに食べよう
お家でなんか食べられなくたっていい
あなたといられるなら