お料理が運ばれて来るまでの間に




彼がルピシアの中身を見てみて

と言うので




包装紙、ボックスを開けると

私が喜ぶであろう種類の紅茶缶と

ハチミツ、そして可愛いお花が

添えられていました。





彼は私を喜ばせる為に

本当に色々な事を考えてくれます。




その気持ちも

とてもよく

伝わって来ます。







それなのに

どうして

こんな事で

2人の関係に亀裂を生じさせる様な

行動を取るのか







理解できず

混乱していた私。










すると、彼の方から

質問して来ました。










どうして、あのお部屋に

私を呼んでくれたのですか?












まだ機嫌の悪かった私は








別に。

何となく。

ただ、呼んだだけ。










と、その時は素っ気なく答えました。

(後から、本当は

2人きりになる時間が普段無いから

少しでも一緒にいられたら、と思ってと

伝えました。)










彼は、

私の言った言葉を真似して






悲しそうに

ハハッ。

って笑ってました。










悲しそうな顔をしても

ダメなものはダメ。







きちんと説明しないと

私は許さない。










もう一度、私は彼に尋ねました。









なぜ、さっき

出て行ったのか?と。











彼は、そこで

ようやく本当の事を

答えました。

真面目な顔で。











実は、あのお部屋に行く前

とても汗をかいていて

あの橋の途中で

荷物を置いて、汗を拭いたんです。




その時に

ルピシアを置いた事を

すっかり忘れて

そのまま、お部屋に行ってしまい




お部屋に入ってから

思い出したんです。

置いて来てしまった、と。




だから

まずいな…と口にした、と。









それで、慌てて

取りに橋に戻ったんです。









かっこ悪くて

こんな事、大好きちゃんには

言えないと思って。









ごめんなさい。





土地勘の無い場所なので

余計、緊張もしていました。







ジャスミンティーの件については

大好きちゃんからのLINEを

読み間違えていて



大好きちゃん自身が

ジャスミンティーをコンビニで買ってから

お部屋に上がる、と読み間違えしまっていました。







お部屋に上がってから

大好きちゃんと

話して私の読み間違えだった事に気付いて

ルピシアを橋に取りに行ってから

コンビニに行こうと

思っていました。






お部屋に呼んでくれた事

とても嬉しかったんです。








2人だけの時間にって

思ってくれたんですね。

ありがとうございます。





大好きちゃんの気持ちを

踏みにじるような

失敗をしてしまって

本当にごめんなさい。







今日は大好きちゃんに

嫌われるような事ばかり

してしまっていますね。













それなら、そうと

そのままストレートに言ってくれれば

私もその場ですぐ



取りに行ってこーい!

って言うのに




なんで言わないの?







かっこ悪くも何ともないでしょ?








私は、まず

あの場から

いなくなられた事が

とてもイヤだったの。





ちゃんと説明もしてくれなくて

不安だった。







って、私が思っている事を

全部言いました。









彼は、本当にごめんなさい。

不安にさせてしまいました。

悲しい思いをさせてしまって

ごめんなさい。




もう2度とあんな風に

突然いなくなったりは

しません。








彼も、慌てていたのでしょうね。

とても天然でおっとりさんの彼が

あそこまで

スピーディーに居なくなったのには

理由があると思っていましたが





私へのプレゼントの事でだったなんて

なんだ私も複雑な心境です。










とにかく

急に居なくなったりするのは

本当にイヤ!


と、しっかり伝えました。











そこで、一旦は

仲直りしたんです。






一旦はね。








でも、この日

私は初めて

彼が、少し怒っている様子を

目にしました。







怒っている、と言うより

悲しんでいる、という感情の方が

近いかもしれません。








お料理も最後になり

大好物、フォーが出て来て




私たち、それぞれ

違うお味のフォーを頼んだので





彼が、私に

自分の頼んだフォーを食べさせようと

彼のフォーの器を

私の方へ動かして来たので






私は





要らないっ!





って、秒で答えたんです。








食べたかったら

食べたい。

って、私言うもの。








だけど

彼からすると、食べさせたい。

大好きちゃんを喜ばせたい。





なんですよね。








それに対して、彼は

そうですか。


と、また器を

自分に戻しました。








彼は、いつも私を笑わせてばかりいます。


この時もまた、いつもの様に

ふざけてばかりでした。






でも、その前の出来事があったから




やめて。

って言う私も

いつもより、怒りがこもってるんです。





そのおふざけが

しつこかったの。










やめて。

という事を、なぜやめないの💢




と私

冗談から本気の怒りに変わって来て







なんで、あなたは

いつもそんなにふざけるの💢



私、もう無理かも。


あなたは、私がイヤと言う事をする。










そう言った時に


初めて、彼が





お食事を途中で

やめました。




もう食べません。

って。





本当に、初めてでした。








彼は、これまで

お料理丸々残した事は無いのです。



お腹いっぱいだとしても

だいたい食べ切ります。





それなのに

私のその言葉で





お箸を置いて



もう、食べません。









初めて言いました。








悲しそうなのと

少し怒ってる様に見えました。










そして、私に言って来ました。










ずっとそばに居てほしいから

そんな事は言わないでください。



無理な事、イヤだと感じる事は、

何でも言って欲しいです。




イヤな事はしたくないです。





ずっと一緒に居たいんです。








私がふざけるのは

大好きちゃんの為だけです。






笑わせたいからです。

それだけです。








確か、こんな事を

言っていた気がします。







と言うのも

彼がお料理を残すのが

初めてだったから





それもまた、衝撃で

彼の言葉が、ちゃんと

入って来なかった。



ただ、

よほど、私の発言が

気に入らなかった、悲しかったんだな。



と思いました。




彼はこの後

一切、お料理は口にしませんでした。





デザートと最後のベトナムコーヒーだけ

私がすすめて

口にはしていました。











人前でいちゃつく事に関しても

このタイミングで話し合いました。






彼の言い分は、こうです。







大好きな人に

大好きと、気持ちを伝えて

どうしていけないんですか?







そこに人の目を

気にする必要はあるんでしょうか?









私は、人の目を気にする事が

わかりません。







でも大好きちゃんが

イヤだとしたら

控えます。






大好きちゃんが

嫌がる事はしたくありません。




悲しむ事はしたくありません。









と。










彼の気持ちも聞いて

納得できた私。





彼の差し伸べる手を

また繋ぐ事が出来ました。









彼は私に愛情表現は

ストレートに伝えて来ますが




それ以外の事

私に言う必要のない事の

振り分けをしっかりとする人だと



改めて思いました。





ただ、女性の気持ちに

鈍い所があるので




そこは

私も伝えて行く必要があるな

と思いました。










何より大切なのは

コミュニケーション。







そして、お互いに向き合う姿勢。

どちらか片方だけ

その想いが強くて

どちらか片方だけ

それを面倒に感じて、とかだと




悲しいけれど

溝が出来てしまいますね。







男性の方が

やはり女性に寄り添ってあげて欲しいと

思うけれど




面倒だと感じる男性が多いのも

現実かもしれません。






私は、そういう男は

必要なく

話し合いができない相手との付き合いは

時間の無駄と判断します。






先ほどの咄嗟の彼の行動に

本当に驚きましたが




落ち着いてから

きちんと私が納得するまで

話し合う人なので





改めて

そんな彼で良かったと思いました。









この後はいつも通り

仲良く過ごしました。








時間もまだ早かったから

お店を出て









お散歩しようよ!

って私

提案したんです。












でも、お散歩ではなく

彼は違うところに

私を連れて行きました。