彼は、街中だろうが

人が見ていようが

何処ででも



大好きちゃんを抱きしめて

キスをして来る。




おでことか、横顔とか肩とか

二の腕など

まだ

目線が近いところは



まだ、まだ、まだ



良い。




彼が昨日あたりから

激しくなったのは




大好きちゃんの手へのキスだ。






これは、彼が

私に向かって頭を下げる格好になる。




よって、はたから見ると




完全に女王様と家来の構図が



完成して見える。





しかも、女王様的立ち位置である

大好きちゃんは




彼が頭を下げてキスしている最中も




彼に寄り添う事なく




顔をあげたまま

素知らぬ顔をしている。




されるがままになっている。


しかも、大好きちゃんは

手ぶらだ。




一方彼は

荷物に囲まれている。

日傘もしっかり手にしたままだ。



彼は、周りなど

一切気にする事なく



一方的なキスを楽しんでいる。

愛おしそうに

大好きちゃんの手を見つめている。







我慢を強いられる事なく

思う存分キスさせてもらえるのは


欲求が満たされ、さぞ

満足だろう。




エスカレーターでも

すれ違う人の視線を

感じるが



もうそんな事は気にしちゃいられない。

知ったこっちゃないのだ。






私は彼をお外では立てたいが

彼自ら、

家来の立ち位置に

おさまっているわけだから




もうこのまま


そっとしておこうと思う。