俺が音楽を志す人によく言う事がある。 


「本物を目指すなら本物に触れに行け」という事だ。


例えばニューヨークや、シカゴ、ロサンゼルス、南部の町なんか完璧だ。 


ブリティッシュ志向ならロンドン、リバプール等々。 


そんなルーツが生まれた本場に行って“本物”に触れてこいという事だ。 


俺達の先輩諸氏のほとんどがそういう旅の経験者だ。 



 “本物”に触れる事でミュージシャンとしての発信に説得力が生まれる。 


説得力があれば自ずとリスナーには伝わる。 



何事も“経験”に勝る武器は無い。


“本物”になるには“本物”に触れる事、本場の空気を吸う事、そんな“経験”が必要だ。


例えばブルースマンになりたいとする。 


たった一日、一晩でも良い、アメリカ南部の町に行ってほしい。 


必ずいる道端で歌う路上歌手のブルースを聴き、夜はライブバーをはしご。 


それだけで人生は大きく変わる。 



その“経験”が自分を“本物”に変える。 


もちろん、現地で演奏までしたらその度合いは更に強力な物になる。



余暇を利用して仲間同士で仲良く楽しく演奏を楽しむだけの“趣味”としての音楽ならそれはそれで良い。 


ただ、ミュージシャンとして“本物”になりたいならば、“本物”に触れに行ってほしい。 



俺はそんな“本物”のミュージシャンと付き合いたい。 


同じ土俵で戦いたい。 


いつもそう思う。