さて。

その1とその2で文字起こしをおこなったわけですが。

ここ、その3では「立花の嘘:3.5憶円のうち2億円はガーシーに支払った。残りの1.5憶円は2019年の参院選時にかかった費用の支払いに使った」について詳細に見ていきます。

まず、その1にコメントとして入れたように、2019年参院選時に立花個人が「借金」として集めた資金が8700万円というお話をしました(ちなみに、この時の借金の募集条件は年利15%、償還期限は2019年12月末。公党になれなかったら次の参院選まで待ってもらうしかない、というものでした)。

 

地方議員からあつめた借金(正確には寄付金)は、130万円x議員数(離脱しなかったもの)でしたが、こちらはきちんと65万円x2として返済済で、しかも立花の借金ではありません。残りの自腹イレブンと呼ばれる人々がいくら返済を受けたのかについて、根拠史料を元に明らかにしていきます。

ちなみに、この当時の約束は、「政党支部を作って300万円x3年間、それぞれの支部に政党交付金を送金して返す」というものでした。

令和元年の収支報告書を見ると、自腹イレブンで名前と支払額が出てきたのは次の通りです。

坂本雅彦:452,844円

これは何かというと、2019参院選の投開票日に赤坂の会場をおさえたコストであって、返済という種類のものではないのがわかります。

これ以外、自腹イレブンにお金を出した履歴はありません。逆に、公党になり政党交付金が10月から交付され始めたわけですが、何故か12月には立花のひとり放送局には、12月を中心に1.3憶円、党から貸金が支出されています。その額や

ひとり放送局64,625,154円

立花個人67,955,000円

です。

裏話をしておくと、実は公表されていませんでしたが、立花のひとり放送局はこの当時、法人から立花に貸付(短期貸付金)をしており、その原資は市民からの借金でした。ひとり放送局の平成31年~令和2年3月の法人確定申告書を参照すると

立花短期借入金:73,133,225円

です。ちなみに、立花のひとり放送局への出資金は150万円で、売上にも乏しい法人から立花にこれだけの貸金を出せたのは「法人が市民から借金していた」からです。この時期の法人の借金は

党から54,561,270円

個人複数名から10,920,068円

です。これ公表されていない数字なのですが、ひとり放送局も市民から借金をし、それを立花個人に貸付けることで運転していたわけです。微妙に「党から法人」に貸したお金が1000万円ほど足りない気がしますが、そこはエヌ酷党立花の素晴らしい会計センスの結果ですから誤差範囲です。そんなわけありませんが誤差範囲なのです。

なお、このひとり放送局の借金は、それ以前の段階で確認できるだと

51,758,068円(名古屋市のS氏名義筆頭、複数名)

でした。

あら?公党になった途端、いっきに4000万円も返済ができたんですね。交付金が入った年に6700万円ほど党からかりて、返済したのが4000万円ですから党から法人にいったお金には2800万円ほど余剰分がありそうですが、ようは交付金で法人の借金を返したということでしょう。

こういう裏の金の流れを一切公表しないとか、さすがお金にクリーンですね。

 

話を元に戻すと、令和元年度には、自腹イレブンに対しては、当初約束された300万円x3の「支部への返金」が一円も支払われていないことが明らかになりました。

 

令和2年度

1.供託金 尾崎全紀 1,000,000円(3/30)

2.供託金 越智寛之 1,000,000円(4/10)

3.供託金 服部修  3,000,000円(6/18)

4.公認料 小野澤武志 220,000円(2/19)

5.修理代 坂本雅彦 498,021円

6.支部交付金 NHKから国民を守る党埼玉県新座支部 3,000,000円(1/11)

7.支部交付金 NHKから国民を守る党兵庫県西宮市第二支部 709,800円(4/20)

8.支部交付金 NHKから国民を守る党海老名市支部 750,000円(4/20)

9.支部交付金 NHKから国民を守る党兵庫県西宮市第二支部 1,000,000円(8/7)

10.支部交付金 NHKから国民を守る党海老名市支部 750,000円(7/2)

11.支部交付金 NHKから国民を守る党海老名市支部 586,082円(10/20)

12.支部交付金 NHKから国民を守る党海老名市支部 750,000円(12/18)

自腹イレブンに対する党からの支出にはこれだけの金額がありました。

うち、1~3については、市長選や東京都知事選に立候補した際の供託金の支払いですね。4.の公認料はよくわかりませんが、小野澤氏の選挙の際に一定の支払いがあったのでしょう。5.については、坂本氏が我孫子市議選で立候補した際、車両を使用、その車両の関連費用の実費払い分ですね。

で、6~12が「支部交付金」ですが、小野澤氏の新座支部に3,000,000万円、服部氏の西宮第二支部に2,209,800円、三宅の海老名支部に2,836,082円の支払いがあった事がわかります。これは、それぞれ選挙に立候補した経緯があるのでその活動資金の意味合いもあったのでしょう。

小野澤氏は公認料220,000円追加で3,220,000円、服部氏は供託金1,000,000円追加で3,209,800円、三宅氏は2,836,082円を受領しています。

他の自腹イレブンに対する支払いはありません。

ちなみに、蛇足ですが、「支部」に交付金を支払っているのですが、政党交付金使途等報告書に記載がありますのでこちらも見ていきます。

NHKから国民を守る党埼玉県新座支部

交付3,000,000円(1/11)

選挙カー7日間使用料 220,000円(2/21) (政治資金収支報告書上、220,000円(2/19)

西宮第二支部

交付709,850円(4/20)

交付1,000,000円(8/7)

交付250,000円(10/20)

交付250,000円(12/18)

小野澤氏の謎の公認料と選挙カー利用料の関係が、額面の一致と支払い時期の類似の点で気になりますが、概ね記載通りです。

 

令和3年度

公認料 220,000円 越智氏(1/28)

支部交付金

交付 海老名支部 2,000,000円(3/30)

交付 海老名支部 300,000円(4/20)

交付 新座支部 750,000円(4/20)

交付 海老名支部 750,000(4/20)

あれ?前年度あった、服部氏への支部の送金がゼロになっていますね。

海老名の三宅氏は本年度3,050,000円

新座市の小野澤氏は何故か750,000円

ここまでで三宅氏は合計5,886,082円

小野澤氏は3,970,000円

を受領しております。

その他の自腹イレブンへの支払いはありません。

ところで、この党から各支部への支払いに対して、支部(但し支部ではなく個人の政治団体)から、党に寄付が送金されています。

NHKから国民を守る党(小野澤氏)750,000円(7/20)

市民生活を守る会(服部氏) 500,000円(7/20)

NHKから国民を守る党(三宅氏)750,000円(7/20)

NHKから国民を守る党(小野澤氏)750,000円(10/20)

市民生活を守る会(服部氏) 500,000円(10/20)

NHKから国民を守る党(三宅氏)750,000円(10/20)

NHKから国民を守る党(小野澤氏)750,000円(12/20)

市民生活を守る会(服部氏) 500,000円(12/20)

NHKから国民を守る党(三宅氏)750,000円(12/20)

 

あれ?ということは、小野澤氏、服部氏、三宅氏とも、党から寄付を受ける代わりに、党に寄付金を払っているという事になるので、その分、本年度受け取った金額から差し引く必要がありますね

つまり結局、党から支部(政治団体)に党から出たお金は、政治団体に帰っただけであって、党から自腹イレブンへの返金はゼロ円という結論になりました。

 

令和4年度

収入

寄付金 三宅氏 4,000,000円(10/14)

 

支出

供託金 3,000,000円 猪野恵司 (6/30)

供託金 3,000,000円 越智寛之 (6/30)

供託金 3,000,000円 坂本雅彦 (6/30)

供託金 3,000,000円 末永友香梨 (6/30)

寄付金 

市民生活を守る会(服部氏) 500,000円(4/20)

NHKから国民を守る党(小野澤氏)750,000円(4/20)

NHKから国民を守る党(三宅氏)750,000円(4/20)

市民生活を守る会 (服部氏)250,000(10/20)

おや。この年度は、政党支部や政治団体からの寄付を一例を除いて受け取っておらず、党から政治団体に支出していますね。

 

三宅氏3,050,000+2,250,000ー4,000,000=1,300,000円

服部氏 3,220,000+750,000=3,970,000円

小野澤氏 3,209,800+750,000=3,959,800円

猪野氏3,000,000円(供託金として)

越智氏4,000,000円(供託金として)

末永氏3,000,000円(供託金として)

 

はい。ということで、2019年に立花が約束をした、「自腹イレブンに300万円x3で900万円返済する」と言っていた件について、返金された(支払われた)がくは上記のまとめの通りになりました。3年経ちましたが、誰も約束通りの金額は受け取っていませんね。

特筆すべきは、かわんご氏との対談で「2019年参院選で個人として借りた金、これを1.5憶円返済した」という話自体が盛大な嘘だということがわかるところです。ここで政治資金収支報告書をもとに自腹イレブンへの返金状況を確認したのですが、そもそもこれは立花個人が返済したわけではなく、党として政治資金の一部として支払っているわけで、立花個人の金が出て行ったわけではありません。その1でお示しした通り、2019年参院選で市民から立花が借り入れた金額は「借用組の人数x300万円」で、8700万円です。それを全額返済したとしても、全然計算があいません。

そもそも、名目はどうあれ、法人代表が、法人のお金を私的に流用するには、利益相反行為に該当するので(政党に法人格を付与する法律第9条4項)、特別代理人選任手続きを経ていなければ、その法律行為自体が無効です。

このことは現みんつく党、豊田弁護士もきちんと理解されているため、党として、不当利得返還請求(と損害賠償請求)訴訟を起こしていたわけです。

今更、「あの金は党のために使ったんだ」などという言い訳は通用しませんし、なにより、川上氏も仰せでしたが、事実として政治のため、政党のために資金を使用したのであれば、一度立花の口座を経由する必要はまったくありません。

 

今回、川上氏が凄くいい仕事をされたのは、「借金3.5憶円について、借用書を一枚も書いていない」という言質をはっきりととったことです。金銭消費貸借は、通常、要物契約か要式契約の形式をとる。つまり、ブツ(現金)の交付があって、当事者間で返済の約束が交わされているか、金の交付の有無にかかわらず、お金の貸借について、貸します/返しますという書面の取り交わしがあって初めて法的に有効になります。後者の可能性は消えて、「カネを党の口座から個人の口座に移した」という事実行為だけがそこにあって「返済の約束」がなされていないということが事実としてそこに存在します。

「なんでや?俺が党の代表やったんやで?俺が借りて、俺が返すって約束したんだから当然有効じゃん」とか立花はいいそうですが、それは無効です。なぜならば、政党に法人格を付与する法律第9条4項に定められているように、利益相反行為に該当する場合、代表者は代表権を有しない、と明文で規定されているからです。この場合、お金の返済の約束を立花がする必要があったのは、選任手続きを経て選ばれた特別代理人相手でありました。

川上氏も仰っていましたが、みんつく党の破産手続については、そういった不当利得返還請求訴訟を停止させる意図が含まれていたのではないかと思います。そのまま、みんつく党との事件が審理されはじめたら、まず間違いなく立花は敗訴します。民事で敗訴した後にまっているのは、「返済できません」「じゃぁ刑事事件で」という未来です。

 

と、わかったことを一通り書き連ねました。

いずれにせよ、破産管財人が「立花の借金か、党のための支出か判断してくれる」と、願望満載で立花は現実逃避していますが、はて。債権者への最大の配当を目指さなければいけない管財人が、党の最大債権の対象である立花の借金を「あ、そうですか。党のためだったんですね」などというでしょうか。事実関係について問題があるだけでなく、形式上も瑕疵があるわけで(政治資金収支報告書に記載されていない、8700万円の借金については、借用組に対して贈与税分として追加で20万円弱立花から追加で贈与している)、当人の認識を追跡した場合も、あれは借金じゃなかったよね、という理屈は通らないでしょう。

 

破産管財人の財産調査が大変楽しみですね。

私は、先日、みんつく党の破産管財人宛に、NHKから国民を守る党(代表:立花)との間に交わされた条件付き贈与契約で受け取る権利がある900万円について、債権の届け出をしました。管財人が、破産手続上、どのような扱いをするのかについては、当事者の一人としてしっかり見守り、ご報告していきたいと思います。