村治佳織を初めて知ったのは、

僕が音楽漬けの大学生のときで

たまに観ていたテレビ番組に登場したのがきっかけだった。


当時アコースティックギターを始めて間もなかった僕は、

彼女がクラシックギター奏者ということを知り、

その番組に俄然興味を持ったのだ。

人となりを紹介することが中心のその番組では
村治佳織が、今時の高校生にしては珍しくすれていないところと、

芯の強そうな目がとても印象的だった。

今は知らないけれど,その時の趣味が石集めという所も、

かつてタイル集めをしていた身としては妙な共感を覚えたりもした。


でも最も印象に残ったことと言えば

やはりギター演奏だった。
素人の自分には到底理解できない

そのテクニックに圧倒されてしまった。




次の日すぐに3rdアルバム『シンフォニア』を買い、聴いてみた。

シンフォニア/村治佳織
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クラシックの知識が皆無に近い僕には曲がどう構成され、

どういう情景を表現しているかなどはわからない。

正直退屈に感じるところもあった。それでも彼女の演奏には

聴く者を強く惹きつける魅力があった。

これなら継続して聴いていけるかもしれない・・・と思った。

そんなこんなで現在まで聴き続けているというわけだ。

(でも他の人を聴くわけではないから,相変わらず素人だけど)




クラシックと聞くと、大昔の音楽で退屈なイメージがあった僕だったが、

彼女のギターはそうでもないですよということを教えてくれた。


村治佳織が演奏する曲は古いものだけでない。

アルバム『カウ゛ァティーナ』(これは必須アルバム!)のように

現代の楽曲を演奏したり

カヴァティーナ [XRCD]/村治佳織
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デッカに移籍してからはビートルズの曲を演奏したりと、実に幅広い。

こういう点も魅力の一つだ。

Transformations/村治佳織
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前にもどこかで書いたことがあるけれど、

僕は村治佳織をロックな人だと決めつけている。

演奏する姿には、上品なだけではない、迫力や凄みを感じてしまうのだ。

僕のような感想を抱く人は少なくないはずで、

例えば現クロマニヨンズのマーシーもTHE HIGH-LOWS時代に

『岡本君』(Relaxin’ に収録 )の歌では

村治佳織に影響されクラシックギターを取り入れた

ということを言っていたのを雑誌で読んだことがある。


メディア(特にテレビ)への積極的な露出も、

僕のような今まで縁のない世界と思っていた人間を

クラシックの世界に引き込む役割を果たしていると思う。




(ここまで書いて、やっと本題)






その村治佳織がサントリーホールで行った

ギターリサイタルのチケットが運良く手に入り

12月7日の日曜日、母と共に行ってきた。


ダイフク堂

(その前に出たアルバムがこれです↓)

Kaori Muraji Plays Bach/村治佳織

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演奏はソロ、

能楽の一噌流笛方:一噌幸弘氏との共演(即興がすごかった!)、

学生とのアンサンブルという充実したもので、

飽きさせない内容だった。


共演も素晴らしかったが、

僕はやはりギター1本の演奏が一番好きなようだ。


演奏が始まると音が会場に充満していくようなイメージがあって、

目を瞑って聴いていたら体が暖かくなって

あまりに気持ちよくて少々眠ってしまった時もあった。



演奏以外では客への挨拶やゲストとのちょっとした会話もあり

終始穏やかな空気が漂っていた。たまにはこういう場もいいものだ。

休憩を含めおよそ三時間という長丁場だったが、

あっという間だった。最後の方はちょっとトイレに行きたくなったけど…


また是非行きたいと思える、楽しいリサイタルだった。



あの若さですでにキャリアは相当なものだけれど

ファンとしては、これからもさらに新しい展開を見たい。

僕としてはポピュラーミュージックとの絡みをもっと見たいし聴きたいな。
せっちゃんと何かやってくれたら最高だけど、まぁそれは難しいか…