- BECK volume34 (34) (KCデラックス)/ハロルド作石
- ¥550
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ついこの前、とうとう完結となってしまったBECK。
残念でならないけれど、納得できる終わり方だったので
本当に読み続けてよかったと思えた。
この漫画は、主人公・田中幸雄(コユキ)と
彼が所属するロックバンド・BECKが
音楽界で迷走しながらも
少しずつ前進していく様を丁寧に描いている。
活動を妨害されたり、メンバー間に確執がおきたり
それぞれの葛藤があったり・・・と
とにかくすんなり話は進まない。
それだけに感情移入できる場面が多くて
最後まで読み飽きずにこられたのだと思う。
笑える場面も沢山あった。
ほとんどストーリーとは関係ない場面での
脇役(例えば学校の先生)の発言が
いつもプロレスネタだったり
通行人にプロレスラーが歩いていたり
深刻な場面が続くなか息抜きのように現れる斎藤さん
(個人商店を経営していてかつての水泳の
五輪強化選手で変態)というキャラがいたり
ヒロトやマーシーも実名じゃないけど
出てきてしゃべったりするのもおかしかった。
でもこの漫画でもっとも重要な場面といえば
コユキが歌声を発した途端
聴く人たちに衝撃が走るシーン。
あたり前のことだが
漫画なので音は聴こえない。
でも歌の場面に持ってくるまでの描き方が効果的なので
読んでいる人の頭の中で
その人それぞれの音が聴こえてきてしまう。
あるいは何らかのメロディをつけたくなってしまうのだ。
これを読みながらやってしまう人は
その時点でこのマンガに感情移入していることだろう。
多くの人々が彼の声を聴いて感動し歓声を上げる。
それに対し、自分の存在が認められたことを実感し
徐々に成長していくコユキ。
そしてラストの最も感動的なシーンに繋がっていく。
ところでこの漫画、インディーズロックバンドの現実を
比較的正確に描いているようで設定も細かいものだから、
全くといっていいほどそういう世界を知らない僕は
思い切り勘違いして、1巻に出てくる海外ロックバンドは
実在するものと思い込み本気でCDを探してしまった。
ないことを知ったときは一人恥ずかしい思いをしたものだ。
まぁ、あとになって企画アルバムが出たりはしているのだが。
↓
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- animation BECK original soundtrack “KEITH”/オムニバス
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今回最終巻とともに出たこの本も
BECKをより知る上で助けとなることでしょう。
↓
- BECK AT LAST volume33 1/3 (33) (KCデラックス)/ハロルド作石
- ¥980
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ロックを扱ってこれほどの人気を得た漫画は他にないだろうし
これからも出てくるのは難しいだろう。
(デトロイト・メタル・シティもあるけど
ギャグマンガということでまた別の話ね)
筆者・ハロルド作石氏の今後の作品にも注目したい。
今度はどんなジャンルのものを描いてくれるのか楽しみだ。