僕は時々この映画のことを思い出す。
ものすごくいい映画というわけではないけれど
個人的には思い入れの深い映画だ。
なぜかを先に言ってしまうと
高校3年のとき文化祭で劇をしたから。
僕はその中で生徒の一人として舞台に立った。
唐突だけど,僕は大勢で行動することが本来好きではない。
だから文化祭とか修学旅行とかの行事には
あまり乗り気で参加した覚えがない。
特に文化祭なんて,やらなきゃいけないから
とりあえずやっているという始末だった。
ちなみにそれまでの文化祭では
1年で劇の音響係
(ラストでその前の場面の音を出すという大失態を犯す)
2年ではオバケ屋敷
(まさか高校でやる羽目になるとは思わなかった・・)
と自分はあくまでも脇役,そしてそれでいいと納得していた。
この映画を劇バージョンでやろうと
学級会で決定したとき,正直言って嫌だった。
部活も引退し,受験に向けて勉強勉強の毎日・・・
なわけはなく,放課後を自由気ままに過ごしていたのに
これでまた時間がなくなるのか・・・・
この映画は伝統ある全寮制の学校に
型破りな新任教師(ロビン・ウィリアムス)がやって来て
詩を通して生きるすばらしさを生徒に伝えていくという
学園ものにありがちな青春ストーリーであった。
まぁ劇をやると言ってもどうせ自分にはそれほど
関係ないな,自由な時間を奪われるけど
それほど忙しいわけじゃないだろう・・。そう高をくくっていた。
ところが翌日そんなのんびりしていられない事態に
陥ることになる。
再び開かれた学級会。係や配役を決める段階になった。
僕は道具係かなんかやって今年も終わりだな
くらいの気持ちでボーッとしていた。
が,突然何を思ったか前に座っている女の子が手を挙げて
「(残っていた役の候補に)ダイフク君がいいと思います。」
と言いやがった,いやおっしゃられた。
(
へ?!なんかの間違いでは??)
しばし唖然。なんとか気を取り直して直接訊いてみた。
僕「な,なんで??」
女の子「だって気の弱そうな役に合ってそうだし・・・」
そう,僕が候補に挙げられたその役は
映画の中でかなり気弱な存在で(トッドアンダースンという役名)
どうしようもない子なのである。
そして僕はその役にピッタリだと判断されたわけで・・・
他に候補も挙がったが,結局圧倒的に僕に票が集まり
配役は決定してしまった。
はじめは気が重くてどうしたものかと本気で悩んだ。
しかし悩んでも仕方のないことだった。もう決まったことなのだから。
そこからはもう気分を入れ替えて
本を読んだりビデオを観たりで
自分なりに動き始めた。
そうしなければならないほどセリフが多かったということもある。
(このトッドくん,役の中でも結構キーになる存在で
怯えたり,泣いて走ったり,叫んだり・・・と忙しい人だった。)
練習の成果があったのか,
1回きりの舞台はそこそこの出来で無事終了。
途中完全にセリフが吹っ飛ぶというピンチを味わったものの
お客さんからは暖かい拍手をもらうことができたのであった。
めでたしめでたし。![]()
そんなわけで時々思い出すこの「いまを生きる」。
この映画は僕の平凡な高校生活を
ちょっとだけ華やかなものにしてくれた
ありがたいもののひとつなのでした。
おわり
