この日は日本リーグ以来の生ブリッジ。試合形式は2日の総当たりBaMで参加チームは13、僕はずーっとNorth。


成績は午前が1-2/13、午後が11/13だけどオーバーオールでは2位と僅差の3位。立派立派。Pdはいつもの、裏は1日目と2日目で背の高いプロと背の高い同級生が交代する。



印象深いボード幾つか。この辺から始めよう。




オークションはEWのフリーランで、


1D 1H;2H//


Westの2H、僕のリードは、振込みが少し嫌だけどHT。

ディクレアラーはハートを手で終わるように3巡取ってスペードをダック。PdのSJ勝ち、D8。これをDQで勝ってさぁディフェンスだ。


スペードダックの気配やD8からディクレアラーのシェイプは3=4=3=3。何とかパートナーに渡ってダイヤを出してもらうにはクラブローかSK。SKはダックされると仕舞いなのだけど、ディクレアラーはSTxxを持っているだろうから、多分ダックしないだろう。SK出すと予想通りSA、スペード。これをPdはSJで勝ってD4。


ディクレアラーは、あんまり悩まずDA、DJと僕にスローイン。C9に変わる。そこで僕にオープンハンドを予想できなかったディクレアラーはクラブローを引く。ディフェンスにS2D2C2の6個で2H-1で単独トップだった。


ディクレアラーの1番のミスは、ハート全回収後のスペードダック。有効なコミュニケーションがないからスペードの4巡目で手のダイヤを捨てることができない。それよりもCKかCJを勝てるように、ハートをAKだけ取ってコミュニケーションを残したまま、クラブを触りに行くべきだった。



リードは1番厳しいものを選択出来たようだが、しかし単独トップになるかなこれ?


ハート集めたあと"やる事ないから"とスペードダックしてD8リターン、DQ勝ってクラブに変わるだけで外せば落ちるし、DKリードはあんまりしない気がすると思うと、なんか少し気持ち悪い。



次は裏表で良いスコアのボード。



"ミステリと言う勿れ"




裏表共にSouthの3NT。
こちらはSQリードを勝って、S3。これは地味に効いていて、S7を見たWestはSJをホップすると不運にも黒塗りの高級車、SKとぶつかってしまう。

Eastはしょうがないからハートを返すと、HA,HJと続くので、これをHQで勝ってH9を続ける事で4メイク。


この夜は、四谷・嘉賓(かひん)で中華料理をつつきながら検討会。


「これ私たちうまくいったわよね!」


裏のスコアは3メイクでなかなか良いが、はて。
クラブの配置がいいから普通に4メイクしそうだけど、裏の展開は?


SQリードはホールド、S続いてSA勝ち。スペード逆襲でSJ。ここでEastのプロはC3ディスカードでクラブ要求。Westの赤ちゃんはこれを"嘘でカモンしてるのね"と正しく解釈してCQ(!)。

確かにダイヤで手に戻ってクラブ出せばトリックは増えるのだけど、ディクレアラー目線ではその前にハートKを盗みたい。うまく盗めたらハンドからクラブ出すのを試しても良いだろう。ダミーからハートを引き、HAは裏。ディクレアラー、ここで諦めてクレームは3メイク。
お見事!これは素晴らしいディフェンス。


Eastのプロは、クラブ以外振込となることが見えていたからクラブを要求したとの事。これは素晴らしいのだが、それ以上に素晴らしいのはCQ。出すのは完全にタダで、ディクレアラーのプレイプランを悪い方向へ変更させた。


「私だってやる時はやるのよ!」

「急に正気になるのやめてくださいよ、こわいから笑」


クラゲの冷菜が来たので少し多く取り分けてあげた。80歳にしてはよく食う。



"エウレカ!"


they Vul. 3rd seat, 左右は日本リーグのチームメイト。


僕の手は



T74

4

K2

QJ85432



オークションはPdから



1C 1H ?



1Cは3枚保証。plan your bid.














あわあわあわ

クラブ持ちすぎ、ハート短すぎ、点微妙すぎ。


1Cは3枚保証なので、クラブの10枚フィットは4の台に相当する強さ。オポーネントはおそらくハートと、もしかしたらダイヤも激烈にフィットしててまず間違いなく4Hをビッドされそう。したらば5Cと先行して邪魔するか?10枚フィットだから4Cくらいにしておくか?5H言われたら6Cに競るのか、競らないのか。










…悩みは尽きないけれど、僕は3Cを選択した。

3NTをやる可能性を考慮したのもあるが、1番有ったのは、ゆっくりと競る事で後で僕が5Cを置いた時、それにダブルをつけてもらう事で安く相手のゲームをサクろうというスケベ心だった。


果たして、日本代表相手にそんな小技が通じるのか?オークションは続き、



1C 1H 3C 3H;

3NT 4H ?



Pdの3NTはバル的にそれなりに疑わしい。3NTがいくら落ちようが13ダウンはしないので、オポーネントに4Hがある時ナチュラルなサクリファイスになっているからだ。


ここで5C言ったら5H言われるのかしら。それにダブルとかPdが付けたらどうしたら良いのだろう。指針は見えないが僕はまだアワをくっているので、当初の予定通りさっと5Cを置くとこれが流れる。ほほう、Pdは強かったのね。



1C 1H 3C 3H;

3NT 4H 5C//



フルハンドは以下の通り。



Pdは18-19BALだった。アンラッキーエキスパートのWestはSA、S9が出てきて100万年考え、考えて、ハートローシフト。これはHKが勝って6メイク。

Eastがなんか言ってる。

「スコア形式考えてそれだしてんならいいけど」

一呼吸おいて、

「HAで手を打つんじゃないの」

(アンラッキー)エキスパートは曰く、

「もちろん3NTには勝ってるよ!」

West目線でHKがSouthにあるならば、Southの3NTはC7個とDAK、HKの10個あって4メイク。これは-630だから5CのディフェンダーとしてはSA取った瞬間に勝っていて、むしろHKがSouthにない場合をケアしたと言う事らしい。実際に裏はSouthの手を持って2NTオープン、3NTへのレイズはつつがなく4メイクした。


さてここで問題提起、EWの言い分はどちらが正しいだろうか。

何のことか分からないという人のために補題を置いておこう。もちろんすべてBaMにおいて。


補題1)裏が3NTやっているとして、SAを取ったディフェンダーにできることは何か

補題2)SAを取った5Cのディフェンダーが、考えなくてはならない裏のテーブルの最終コントラクトは何パターンあるのか。それは何か。

補題3) WestはHAを取るべきだったのだろうか。
















補題1)について。

裏が3NTやってる場合、こちらのテーブルにできることは何一つない。なぜならHKのありかは問題ではなくなるから。

どういう事か。
裏が 3NTをやる時は、West目線でEastにHK有ればハートリードから-2。5Cは何があろうと-1しかしないので必ず負け。一方SouthにHKがあるなら、これは何をしても4メイクするので、SAを取った瞬間に必ず勝っている。

このとおり裏が3NTをやっている場合については考える必要がないのだ。


補題2)について。

裏表共に5Cをプレイしている時の1パターンのみ考えれば良い。

1)に書いた通り、裏が3NTやってたら勝ち負けはHKの在りかによって自動的に決まるので、ある意味どうでもいい。自らの努力によって改善できるのは、同コントラクトのディフェンスである。


補題3)について。

WestがHAを取るべきかどうかを考えるのは、表裏で5Cをやっている時のみ。
そこで6メイクさせるリスクを冒して-1を狙いに行くかどうか。つまりこれは単純に、HKがSouthにある確率が50%超えるか超えないかに帰着する。僕の意見では"超える"ので、HAは取るべきだ。


という事で、HAで手を打つべきと言ったEastの主張が正しいのではないでしょうか。


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梅雨が明けてからというもの、本当に暑い。

中華の後は、Pdと歩いて水道橋のスパラクーアへ。今日は人が多く水風呂も少しぬるい。体に熱が篭っていて、サウナに入らなくても水に入れそうだ。

ダラダラハンド検討しながら4セット目が終わって、ベンチに腰掛けたところで、気がついた。


エウレカ!(整った!)


おもむろに。Pdに話しかける。


「…僕、5Cじゃなくて4NTだったね。そっちの3NTがいくら疑わしくても、サイクで3NTを言った人は、4NTを5Cに直せるから」

「なるほど…マッチポイントっぽいですね。」


4NTは出来ているし、BaMらしくてちょうど良いビッドだった。いやIMPでも正解かもしれない。しかし深い集中が無ければ決して出せないビッドで、少なくともあの瞬間、僕には出来なかった。


昔。京華圓でアツシさんに言われたこと。

「ブリッジは、お互いどこまで洗面器に顔突っ込んで我慢できるかってゲームだからな。顔上げた方の負け。」


そういう意味では、3=1=2=7引いてアワ食ってる人に出来ることはない。そう落ち込んでいるとPd、


「私たちは良くやりましたよ」


この日の特に午後は実際よくやっていて、シード上のチーム全てに当たったけれどアベレージを保って3位。優しいね。前を向いていこう。


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アルキメデスも、水風呂に入っていたのだろう。


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そしてこれはおまけ。僕のハンドは、


A
QT76
KT8762
83


オークションは左手から敵のフリーランで


1H 1S;
2D 3S;
4C 4H;
4S//


リードは3rd/low、Plan your lead.











どのスーツもビッドされていて出したくない。
Terence Reeseの本で、トランプのAグルトンなんて必ずスローインされてしまうからリードしてしまうに限ると書いてあるのを読んだことがあるが、2度実践して2回ともボトムを食らい、もう2度としないと心に決めた。

打ちやすいのはクラブだけど、どことなくゲスを解消してしまう匂いがする(しない?)。右手のダイヤモンドはコントロールがなさそうなので、どことなくダイヤを攻めたいと考え、僕はD7を選択した。


規則ではD8が出ることになっているが、ダイヤモンドは恐らくこちらで9枚近く持っているスーツ。まさか僕にダブルトンがいることはほぼないだろうし、D8をリードしてKT8(xxx)が判明してしまうのは時に致命傷となるだろう。

そこで少し工夫してD7を出すことで、T87(xxx) の可能性を残すものを選択した。なんにしても必ず最初に僕にSAで入りそうな展開だから、Pdへ伝わった誤情報は直ぐに解消することができるという期待もある。


フルハンドはこちら。



ダミーを、みた瞬間成功を確信した。ディクレアラーがDJxの時はSAで入った時pdにダイヤをラフしてもらえるし、そうでない時はDAをかなり上がって貰えそうだ。ダミーが4枚程度なので、ディクレアラーがダイヤボイドの可能性も少し少なくDQのフリーフィネスされないがちだろう。

ディクレアラーはDA勝ち、S5→SA。引き続き出すものはないのだが、ここはまぁクラブだろう。C8を出すと、クラブローに空目したPdはCQを出してしまい、ディクレアラーはスペード一本勝負。SKキャッシュしてこちらでS3つ勝つ形になりジャストメイク。


水道橋へ向かう道中。


「これ君CQ出さなかったら、ディクレアラーゲス外して落ちたかもじゃない?」


仮にCJスタンドだと、ディクレアラー目線でC4枚目の処理がまだ。仮に"S3-2でさえあれば"、SK取って、HK,HA,Hラフ。CAで渡って"エスタブリッシュした"ハートを取ることで、イージーに5メイクにするチャンスがあると思うかもしれない。そのルートは今日は失敗で-1だ。


「そうですね…それでもなおクラブ切る方が5メイク近いと思います」


CJ勝ちなら、CA、HK、クラブと出す展開をイメージしているようだ。


「それは僕がクラブダブルトンなら、S7より大きいカード持っているだけでトランプ勝たれちゃうじゃん。」


僕がクラブ2枚だと、僕にダミーのS7より大きいカードがあれば切られてしまう。


「クラブ長い方がスペード長そうなので、それはマスターかと」


そうか、そうかもね。

このプレイは僕がSA8だと4メイク、SATなら表のSQ8をフィネスすれば5メイク、SAT8はSKを取れば5メイク。確かにこちらの方がプランとしては良さそうだ。


ディフェンスは、ダブルダミー的にはダイヤモンドを続けてDQを出してもらわない位しか目はないが、クラブシフトは多少仕方ない。PdがCQTやCKTを持っていれば話は全く異なるからだ。その場合はダミーエントリー潰しとしても、早くクラブを出した方がいい。


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この日はチームのスコアが良い。
裏はトップオアボトムみたいな成績でこちらはアベプラ。こうなるとBaMの成績は読めないのだけどたまたまボトムの重なりが多い。明日は昨日よりシード低い相手が続くから、もしかしたらそれなりの順位を見込める可能性がある。乞うご期待。