day1はとりあえず2勝して2日目もKOラウンドをやれる事となった。

今年3月はつくばリジョナルが無くなり試合に飢えていたので、待ちに待った春季リジョナルである。ブリッジへの渇望はだれしもが同じで、不要不急の用を厭わない歴戦のおにいさんおねえさんらが集まった此処一番の試合だ。


1stは+15IMPくらいで勝ち、これもそこそこ波乱あったけどなんとかというところ。

14bdを前後半に分かれてやる形式、前半のラウンドは1IMP負け。僕はずっとWest。反省会はPdと2人で、渋谷の大島餃子。



オークションはNSのフリーランで、Northのプロから


1S 1NT;2D 2NT;3NT//


僕のリードはHT。HA勝ってPdからはH8が出てくる。ダイヤのT流しが抜けてまた僕の番。


うーん。ハートは未来がない、のか?


少なくともHQがあることは無かろうね。ハートから変わってほしそうなのはわかったけど、黒いスーツどっちかしら。いくつかディクレアラーのシェイプを描いてみた。もし


x
QJxx
AQJx
Jxxx


と想定すると、いまSJを出して、続くスペードをPd勝ち、そこでCTを返してもらえばディフェンダーで5勝出来る。が、これはのんびりハートを返しておけば9個取られる事は無さそうだ。一方で


Qx
QJxx
AQJx
xxx


を想定するなら、ディクレアラーはすでにH4D3C1を権利として持っているので、急いでCKを出してCAを追い出し、パートナーにSAで入ったときのために、クラブをセットアップせねばなるまい。しかし…


上のハンドでは、CK返すと大体それが致命傷だ。ミドルカードや枚数の関係でなにがしかの上手なプレイがあるかもしれないが、裏もこちらもSouthはプロでは無いので、こんなん作られると苦しすぎる。

そう考えてハートでも適当に出しとけばよかったのだが、上のハンドのような解像度の低い落ち目を目指すよりも下のハンドのくっきりした落ち目を目指してCKに変わった。ディクレアラーはH3D3C3取ってジャストメイク、裏はどうにか3NTを作ってくれていたみたいでプッシュ。多分クラブが3勝したんだろう、CTに救われた。


「またミドルカードが微妙で、H8が激烈なノンカモンに見えて仕方ないんですよね」
「H7でぬるいノンカモン風にみせるのが良かったか」
「手口としてはあるかも、もしかしたらハートコンティニューでいいかもしれないし。」


#6


A964
8753
Q6543
-


EastのPdから1NTオープン。ステイマンして、2Dならパス、2Hならinv、2Sならゲームの3way staymanだと思って2Cと置き、コントラクトは4S by East。


シングルダミーはこちら。


A964
8753
Q6543
-


KQ73
AJT
KJ92
QJ


リードはCA、plan the play.

















フルハンドは以下の通り。


テーブルでPdはクラブ切ってSA,SK。もっかいクラブ切ってDJ、DK。DA勝って、親切なHQが返ってきたので、あとSQ取ってダイヤ走ってメイク。


「パンプされなくて良かったですねー。っていうかこれスペード4-1は厳しいですね」

「ん、プレイミスった?スペード取るのは1回にしておいて、それで普通のブレイクの時に…」


正しいプレイはクラブ切って、SAのみ取ってダイヤ。クラブでのパンプに備えてダミーのスペードを1枚残しておくと安全だ。

もしスペードのブレイクが3-2で、ダイヤが3-1だったら?

例えばNorthにスペード2枚とダイヤ1枚のハンドを置いて、クラブラフ、SA、DJがDAに負け、ダイヤラフ、ハートバックとしよう。その時はHA勝って、クラブ切って、スペード集めてダイヤ回収でS4H1D3クラブラフ2の10個ある。メイク数は減るかもだけど、特に問題はない。old-fashionedなセーフティプレイが成立しているらしい。


「これ見つけたら日本代表目前ですよ」


まぁ、とも限らないんだけど、ダミー見てステイマン当てたのね、とかダイヤのミドルよえーな、とか絶対に1回は無駄なことに思考が奪われがち。だから問題として、じゃなくて実戦でセーフティプレイを見つけるのは大抵とても困難だ。


後半のラウンドは16IMP勝ちとか。
僕のへたうまな話をひとつだけ。


オークションは僕からフリーランで


1NT-2C;2H 4D*;5C 6H

*RKC


リードは緩めのスペード。スペードを切りに戻るハンドエントリー2つとトランプ集めるハンドエントリーが必要で、SA,CJと、もう1つがどうも見つからない。

H3-2ならハートオーバーテイクでメイクで、ダイヤをゲスするよりS3-2以内の方が分が良いからそうしよう。そう思った次の瞬間こういうプレイを思いつく。SA勝ち、スペードラフ、HKキャッシュ、CJ、スペードラフ、ハート。HKキャッシュをサッとやれば、NorthのH9/HTシングルトンに耐えられる算段だ。


よしこれにしよう。
Southはトランプを特殊な出し方しないから、NorthのT9ダブルトンとT97トリプル以外ははめられないぞ。そう思ってSA取って、スペード切って、CJ取って、ミスったことに気がつく。

ここでハイラフしても良いんだけど、序盤にHK取っとかないと、Northが仮にプロじゃなくてもT97から9とか出されてしまいそうだ。ましてやプロだし、フォルスカードの機会を奪えない場合のパーセンテージはもはやフィネスじゃないのでは?


このくらいで思考がショートして、よくわからないままHK出すとHTがドロップ。

マジかまずい。

さらに勢い余ってHJ、ここまで進んでからのH4-1ブレイクは対処のしようがないので、諦めてHQでオーバーテイクするとH9ポロリ。良かった。死ぬかと思った。

HTドロップみてH4-1だと思い直すなら、HJを残したままクラブランしても良かった。例えばC4巡目のラフなら、オーバーラフしてHJで切り札集めつつダミーへ入り、最後のクラブでダイヤ1枚捨てて、ダイヤを当てに行くという手がある。でもツイていたから思いつかなかった。

こういうの、どこかのアンラッキーエキスパートはあっという間に落としてしまいそう。僕の場合一等星ではないだろうが、lucky starの下に生まれて良かった。



さて今後のために一応確率を出しといて、HTなどが落ちてきたときの方針だてをしておこう。8枚フィットで裏(?)から9やTが降ってきたとき、ブレイクだけの話をするなら

9/Tのみ…2.83%
T9…3.39%
T9x…10.17%(3.39%の3倍)

なので、Northに人間風機械が座ってる場合は、リストリクテッドチョイスとの関係で2.83%>3.39%÷2からトランプ4-1に備えるのが正しい。

ただ今回のようにNorthのT97までケアしなくちゃならないと思うと、ちょっとダメ。確率が見合わない。プロが座っていて、T9以外に抜けてるミドルカードがある時はグッドブレイクを想定する方が良さそうだ。

…実はリストリクテッドチョイスですらT9ダブルトンの方がTグルトンや9グルトンより多いので、本来は時計の秒針見たりして奇数秒なら9、偶数秒ならT出すなどランダム性を担保必要がある。この辺ちょっと奥が深い。


午後はまた書く予定です、こうご期待。