4年も前のコンパウンドスクイズのことをネタにしたら、その記事のベースだった陽気なN君シリーズのアクセス数が連日大した量になってしまいびっくり。といってもデイリーのビュー数が普段1桁のところ、立派な2桁になってるくらいの話だけど。

友人周りだけではギリ稼げないくらいのアクセス数なので、身内以外にも見てくれてる人がいるか、偏執的な身内がいるか、それともスマホのタブで開いて、異なるネットワークに入るたびにビューが1増えてるか、ちょっと不思議な感じ。


横浜オープンペアの翌日は四谷の練習会。
僕の身分は4年生だけど普通の4年生ではないので、ちょっとウザいかなーと思いつつ、そんなことは関係なく遊んでもらうことに。

パートナーは途中から来てくれたN君、僕は19時くらい、彼は20時くらいに来たのだが、この日のブリッジは23時まで。連盟職員が居てくれたので、四谷の地下で遅くまで練習することができた。とてもありがたい。


写真がぼけぼけ、大きな写真を小さくトリミングしたからこんな感じに。

僕はSouth、オークションはWestから


P P 1D ?


僕はHのOCをするほど、ハンドの魅力はハート限りではないと考えたのと、テイクアウトするには少し弱いのでパスを選択。
オークションは続き、


P P 1D P;
2D* P P ?

*6-9,4+D


バランシングでダブルするのは、当初の自分の希望に沿っている。パートナーはパストハンドなのでゲームはなかろうが、2Dをディフェンスするより良い結果になるはずだ。バルも良いしダブルを選択。

テイクアウトダブルをかけるとそれが流れる。

悩んだが、リードはHQ。ダミーが強い、ディクレアラーが4=4=3=2シェイプだったら落ちるんだろうか。

実際はディフェンスでS1H1D1とって2Dx+2の-580。DTリードすれば2メイク、もしくはSJでH7をルーザーオンルーザーする展開にすれば3メイクで済んでそう。だがPdは良い5枚ダイヤを持っていそうなので、ダミーパンプを進めるためにも、DTはこのオークションで出す気がしないカードのひとつ。DT自体が勝つ展開もあるだろう、よくあるノーダブルノートラブルなボードだった。


このボードの議論は長くて、最近では珍しくテーブルでいくらか、終わってHUBでいくらか、そして翌日もちょっと続いた。その内容はおよそ以下のような内容であった。


Pdの主張は

1.2Dのバランシングダブルに54Mは存在しない
2.パートナーが44Mの時、我々に良いコントラクトはない
3.2Dxは出来るかもしれないが-180、-380程度は許容範囲内で、こちらのダブル付きコントラクトの方が痛い
4.そもそもこの手でテイクアウトしたいなら最初に1HとOCすべき


僕の主張は
1.1MでOCする機会が有ってかつしなかったとしても、バランシングダブルに54Mは含まれうる
2.最初の機会に1Hというほど1Hっぽいハンドではない、どちらかというとテイクアウト寄り
3.僕が最初の機会にテイクアウトしてないのを見ると、2Dxはジャストメイクで済む日はない
4.2Sがダブられない日も存在するし、バルがいいので2Dxと比べ期待値で優れている


僕の主張の根っこは、ダブルが巡って来た時点では2Dxが落ちる日はなくて、ボロ3でもスペードビッドするのが優れている、というもの。わかりやすく言うと、「ダブっちゃったんだからしょうがないじゃん」。

こういうのはビッド議論のほんと難しいところで、そもそもxxは出来ない/出来てるんだから、みたいな論点と、得られた情報から〜と判断し〜すべきという論点は密接に結びつき混在するものなので、ほつれた糸をうまく解きほぐせないこともある。「ダブっちゃったんだから、なんとかするしかないじゃん」と「そもそもダブるなよ」は別々の議論として捉えないとダメ。

でも、わかっちゃいるけど出来ないんだよね。

もう一つ。テーブルでパートナーの判断を糾して、何か得たペアをまだ見たことがない。いいじゃんラウンド終わってからで。-580取っても死ぬわけじゃないし、多くの場合お金も減らない。

1つの解決策は、その場を無言で終えて、後でお茶でも飲みながらゆっくり検討することだ。テーブルではハンドの再現が不正確で、感情のコントロールも曖昧で、ペンで紙に書いた時ほどロジカルではないだろう。テーブルでは、後で話し合うフックになる程度の論点提起でいい。

長くなった。
ダブルに対してどうすべきかと、ダブルすべきだったんだろうかに分けて考えよう。

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「ダブっちゃったんだから」


こっちの議論は結構明らかで、Northは2Sを言うしかなかったと主張し続けている。

仮に僕が望外に4=4=1=4のもうちょい強い手だったとしても、この手で4メイクもされてるんだから、2Dはおよそ落ちないと考えるべき。
バルの良さも2Sビッドのダウンサイドをケアしている。

もしWestが僕のXにXXを言ってたら大量失点の機会だったが、今回2Sはスタンドして1-2ダウンくらいに見える。

(ところで我々の取り決めではペナルティシーキングでもダブル一回はTOだが、


P P 1D P;
2D P P X;
XX 2S X*

の*はPENだろうか。パワーがあるXXの後はいきなりPENと決めるのが健全だろうか。)


それとPdは我々が白いからビッドすべきかもしれないが、赤かったらパスする、と言っていたが、まぁどうだろ。

1NT OCしなかったけど2Dで売るのが惜しくなったハンドがいるならそうかもしれないが、14-16の4333みたいな手は、最初の機会にダブル言ってあとずっとパスじゃなかろうか。


「そもそもダブるなよ」


これは最初に1H言うべきとか、最初に1Hやダブルを言わなかったならパスすべきとか色々あると思うんだけど、僕の手は強くないUNBALといった所なんで、どっちもぴったりその通りだとは思わない。

競合いに必要なハンドの強度は、NVなら十分、Vならやや不十分だが、どちらのバルでもバランシングダブルの意味するレンジに入っていると思う。


…それでもやめたほうがよかったかな。
ダブルって、なんかちょっと気持ち悪いんだよな。


実はHUBでそう考えたていたのだが、理由がわからず、その場ではうまく言葉にできなかった。

なんでだろうと一晩反省して気づいたのは、相手をゲームに連れてってしまう可能性。

実はNorthとEastの赤い2を交換した時、5Dが出来てるのにお気付きだろうか。こちらがフィットしてなかったらダブられて、フィットしてたら相手は更にフィットしてると考えると、これほど怖いことはない。今日は競り合っちゃいけない日、ボードに眠ってるコントラクトが手合い違いなのだ。

思うにこれはごく正論だ。
このハンドが4=4=0=5だろうが、このアナーこのシチュエーションで僕は、テイクアウトダブルをすべきではない。
そして僕は技術的に未熟だから、テーブルで正論には気づくことはなかっただろう。

HUBで言葉が出なかったのは、2DxをパスしたPdのジャッジだけが間違ってると思っていて、ハンドを深く考える目が曇っていたからだ。でも賢明だから、パートナーを傷つけずに済んだ。

ブログだって心のもやを捨てるために書いているのだから、せめてテーブルでは残念、次。くらいでありたい。こんなんでワーキングメモリを奪われていてはスコアにならない。


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もう一つ、ディフェンスプロブレム。
オークションは相手のフリーランで右手から

1C 1H;2C 2NT;3NT

リードはS7(4th best)、ダミーは

K6
976
Q9
AK8753

ハンドは

Q8
J84
T75432
T4

T1:S7,K,?


plan the defense.





















SQ出せました?僕は少々考えてS8を出すことにした。フルハンドは以下の通り。


T1でSK勝ち、C3にはC4でスペードのカモンを出すと、4,9,Q。HQでエグジットするも9勝確保されてジャストメイク。

このコントラクトの落ち目はT1でSQを捨て、T2で正しくCTを出してT3でS8と返すしかない。

でも冷静に考えてほしい。SQを落として、のちにSTを挟むためには僕に一度入らなきゃいけないんだけど、どのスーツで入るのか。

僕にCTで入れることにしてもいいんだけど、別にクラブ6個取られてもまだ落ちるかもしれないし、ディクレアラーがCJ9と持っていたらもうディフェンスがない。それよりはPdにクラブとサイドスーツで二度入って、スペードをあと2回出せると考えるほうが確率高そうだ。今回はパートナーが赤いAを持っていれば僕の勝ち。

ブリッジの問題集に書いてあるpaper worldに引きずられて、馬鹿なことをしてはいけない…そう思ってたらお寒い方を選んでしまった。かっこよさではSQ落としてCT出すほうが上なので、ちょっと損したかな。


この1週間はブリッジしてブリッジしてブリッジして、千葉行って千葉行って千葉行ってブリッジしてブリッジしてとなかなかのハードスケジュール。睡眠もろくに取れてないので今日明日はゆっくり眠りたい。