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今日の3時限目は初めての体育だった。
涼子は女の子として体操着に着替えるのは初めてだった。

当初、どこから着替え初めていいのかわからなかったが、クラスメートを眺めているうちにわかってきたのだ。
上着は当然、脱がなければならないが下の短パンはスカートをはいたままで穿いている子が多かった。

なるほど、短パンを穿いた後にスカートを脱げばいいのか・・・

でも、きょうは思いっきり可愛いショーツを穿いてきたのでみんなに見てもらいたい気持ちもある。
もちろんタックのほうも万全だった。

涼子がまだ男の子だったころ涼子はサッカー少年だった。
サッカーだけでなく、他のスポーツも得意だったが、女性ホルモンの投与で以前の運動能力がどうなっているか分からない。
もし以前のように振舞ったなら、当然目立ってしまう。
涼子はそんなことで目立ちたくはなかった。
何かのはずみで自分の秘密がばれるかも知れない、だからただ目立たないようにするだけだった。

今日の授業内容はラジオ体操だった。
もちろん涼子は得意だったが、わざと運動神経の鈍い子を演じざるを得なかった。

ラジオ体操とはいえ他のクラスメートは汗をかいていたが、涼子は汗ひとつかいていない。
ということは涼子の運動神経はまだ健在だということだ。