相変わらず眠い。
また薬を出鱈目に服用するようになり、
通院日まで青息吐息という有り様。

這々の体でメンタルクリニックに到着した。
院内は比較的空いていた。

隣を見ると褐色の肌の親子。
多分日本人ではないだろう。

まだ私は前に勤めていた病院の退職届を出していない。
社保の保険証も返してない。
受付の医療事務の方が、社保、生保と私のことであろう事を話している。
生保だと全額、医療費は国が負担となるが、
社保+生保だと社保分が医療費をまかなうようになり、
医療事務の人にはかなりの手間らしい事が伺える。

受付の医療事務の方が、今度は褐色の肌の親子の名前であろうカタカナの単語を話し出し、
この人も生保だから云々、ただ自立支援の更新日が過ぎてるわねえと、
別に私には関係ないことだが、
声がでかいので聞こえてしまう。
やれやれ、
私と、多分日本人ではない褐色の肌のした親子は皮肉にも生保という共通点を持っているのか。
異国からわざわざ日本に来て、東京の郊外の郊外のメンタルクリニックで、どちらも生保で、
たまたまメンタルクリニックの通院が同じ時間で、席は隣同士。
確率としてはどのくらいになるだのだろうと、
私は待ち時間に考えた。
私の社保+生保の件は、結局、計算は後日で落ち着いたらしい。
院内では 残酷な天使のテーゼ のピアノ伴奏がながれていた。
褐色の肌の親子の方は自立支援という、
精神科に通院している人にはわかるだろうが、
医療費を負担してくれる制度があり、
それは年に一度更新する必要があるが、更新日を超えての通院らしく、しかし生保だから、結局、市が負担する形になるらしく、
そのために受付の医療事務の人は市役所に電話して確認しだした。
私は別に、その話を聞きたくて聞いてるわけではないが、
受付の医療事務の方の声がデカすぎ、
嫌がおうでも聞こえてしまう。
個人情報などあったものではない。

嘗て、若者のカリスマと謳われた歌手がサラリーマンにはなりたくねえと歌っていたが、
私もこんな煩雑な仕組みのメンタルクリニックの医療事務にはなりたくねえ、いやなれない。
社保か生保か、わからない暮らしさ、転がり続ける俺の生き様を〜、
と歌っても詮無い話である。

やっと私の名前が呼ばれ、先生に斯々然々、
まだ退職届を出してない事。
行く気になれないこと。
整体に行き、その場だけ腰の調子が良くなったが、
すぐにまた痛くなったことを伝えて。
陽キャの先生は、笑いながら急がば回れだよと言われた。

わかっちゃいるけど、焦るのである。

そして調剤薬局は地獄のように混み合い、
ようやっと薬を貰い、前回徴収された薬代は何だかわからないが還付され、
家路について、駅のベンチに座るが、
今だに駅前にできたコンビニエンスストアに馴染めず、
しっくりこない。