今日はこの本のご紹介。
- お金の流れが変わった!/大前 研一
- ¥760
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先日行われたG20では、新興国でのインフレが一つの焦点となりました。
このインフレは一言で言ってしまえば、今後成長の見込まれる新興国が投資の対象となり、
多額の余剰資金が流入することで起こっていることです。
この本によると、こうして投資先を探して世界をさまよっているお金は、現在で約4000兆円もあり、
著者の大前氏は、このお金のことを「ホームレス・マネー」と称しています。
この「ホームレス・マネー」が姿を現したのは今世紀に入ってからであり、
まだ記憶に新しい原油価格の高騰も、この「ホームレス・マネー」によるものと書かれています。
またこの本は、こうした新たなお金の流れについて詳しく書かれているだけでなく、
『中国バブルはいつはじけるのか?』
『日本は財政破綻するのか?』
といった疑問にも、キチンと答えてくれる本です。
池上彰さんも良いですが、近い将来の経済動向という点ではこの本の方が良いかも。
超良書です。
以下、各章ごとのメモです。
この本のエッセンス
●アメリカ 「唯一の大国」はいかにして崩壊したのか
・(オバマ大統領は)フェイントをかけて、世界を彷徨している「ホームレス・マネー」
とでも呼ぶべき余剰資金を呼び込み、このお金を自国企業の救済に使うことにしたのである。(P.20)
・結局はドルのジャブジャブ路線をとりはじめたアメリカ経済は、いっそう混迷の色を強めている。
「日本の二の舞は絶対に避ける」とのたまうガイトナー財務長官は、
じつに忠実に日本の陥った溝をなぞっているように見える。(P.31)
●中国 バブル崩壊はいつやってくるか
・中国は輸出から内需拡大に経済成長の方針を大転換することで、
低迷する世界各国、日本を尻目にG2へと昇りつめたのである。(P.33)
・いま中国で起きているバブルは、かつて日本やアメリカが経験したものとは次元が違う。
すでに中国では新築物件(多くは投機で買ったマンション)の空室が7000万戸もあるといわれている。(P.50)
・このバブルはいつ弾けてもおかしくない状況にあることを知っておかなければならない。
日本の国債が暴落しても、中国の不動産バブルが弾けても、世界経済は奈落の底に沈むのである。(P.52)
●EU 帝国拡大から防衛へのシナリオ
・ギリシャ危機が起こった後、EU全体の崩壊が懸念されたが、今やそんなことを論じる人はいなくなった。
ポルトガル、スペイン、アイルランドぐらいまではドイツ独りでも支えられるとみなが思っているからだ。(P.77)
●市場が日本を見限る日
・日本には1400兆円を超える個人金融資産がある。たしかに国は900兆円もの国債を発行しているが、
それを買っているのはほとんどが日本人だ。アメリカの場合は世界中に米国債を売りつけている。
もし借金は返せませんなどと居直れば世界経済が大混乱に陥るから、そんな暴挙にはまず出られない。
しかし日本の場合は、いざとなったら「徳政令」を出して借金を踏み倒しても
日本人だけしか被害を受けないので、政府がその気になればいつでもできる。
そうゆう奥の手が残されていると、マーケットは”少なくともこれまでは”見ているのだ。(P.144)
・「こんな膨大な借金を返せるわけがない」という事実に気づき、誰かが声をあげたとたん、暴落が始まるのだ。
行き着く先はデフォルト、預金封鎖、ハイパーインフレ、あるいはそれらの組み合わせでしかない。(P.149)
・日本の金融機関は、ふたを開ければ国債しか買っていないのである。
国民は銀行や郵貯に預金したと思っているが、じつは間接的に国債を買っていたのだ。
つまり、日本国民の金融資産の大半は日本国債なのである。それはすなわち、
日本国債がデフォルトしたら、国民の金融資産はたちまち消えてなくなることを意味する。(P.155)










