甘味桜のゆるゆる甘味処

甘味桜のゆるゆる甘味処

このブログは私甘味桜がアニメの二次小説や感想を書くブログとなっています。
主なジャンルはハマトラのナイアト、黒バス黒子受け、ハイキュー!!の大菅などを書きたいと思っています。

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辺り一面を、深緑の葉で覆われた一本道。
都会の喧騒から離れたそこは、周りに全く人がおらず、聞こえるのは、可愛い小鳥のさえずりと、どこかを流れる川の音くらいだ。
ナイスとアートは、二人きりでそんな道を歩いている。
いつに無く上機嫌なアートは、外だというのに、ナイスの好きな歌手の曲を、鼻歌で歌っていた。

「アート、お前今日すげー機嫌いいな」

隣を歩く彼に話しかけると、アートは気恥ずかしそうにこちらを見た。
少しだけ頬を赤くして、照れたように微笑む。

「ごめん。君と二人で、堂々と歩けるのが嬉しくて」

細くて綺麗な白い指が、薄紅に染まった頬を掻く。
その仕草に、ナイスの目は釘付けになった。


ここ最近、ナイスとアートは互いの仕草や癖、好みが似てきている。
先程、アートが無意識に取った頬を掻く仕草。
あれは、自分が考え事をする時に、テープをいじる癖だ。
アートが行うと、ナイスよりも僅かに控えめになるが、それが彼らしくて、愛らしい。
ナイスに至っては、味覚が少しアートに近付いてきた。
以前は、コーラなどのジュース類や、コーヒーを飲むことが多かったのだが、近頃は紅茶を飲む回数が格段に増えている。

それと、アートが髪を耳にかける仕草がうつった。
アートは髪が伸びて以来、それを耳にかけるのが癖になっていた。
ナイスは、その仕草を見るのが好きだったのだが、気付くと、自分がその動きをしていたのだ。


不意に、いつしかレシオのしていた話を思い出した。
癖がうつったりする相手というのは、信頼していたり、好んでいる相手なのだという。
故に、嫌っている相手の行動は映らないのだ、と……。


ナイスは思わず笑っていた。
自分もアートも、互いの癖がうつっている。
要するに、互いに互いを好んでいるのだ。
あぁ、なんて愛しくて、嬉しいことなのだろう。


隣から再び響き始めた、好きな曲の鼻歌。
それ聞き、ナイスは思わず恋人を抱きしめた。