【感想】 『上野先生、勝手に死なれちゃ困ります …』上野千鶴子×古市憲寿 | daissouqueのブログ

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たくさん書きたくなった時のために。

上野千鶴子×古市憲寿『上野先生、勝手に死なれちゃ困ります――僕らの介護不安に答えてください』読了。
古市氏の若い話し方と質問、先生との受け答えに妙な親近感が湧いて、一気に読めてしまった。
上野先生が時折はさんでくる、「この時、女性は~だったのよ」という類のセリフに、フェミニストとしての矜持が垣間見える。
上野氏が携わっている本を読むのは、今更ながら初めてなので過去に既出なのかもしれないが、
「若者の女性化」というのは新鮮だった。
社会で何かが起こった時にこうなった、と書かれている際、どうしても男性中心で見てしまうきらいがあるのはよくいわれていること。その時女性がどういう位置づけだったか、という視点は社会をマクロに見る時に抜け落ちやすいので、その意味で大事なところを指摘してくれている。
だが、やはり彼女がフェミニストであることは割り引いて読まないと、ずるずると引きずりこまれてしまう。
日本の社会の現状について、詳しいながらも難しすぎない説明をしているのは、古市氏が自分と同じ世代であること、介護についてよく知らない人を演じて?いるのに対応して上野氏が合わせてくれているおかげだろう。
著者が「この本の読み方」に書いているように、みんなが読んで各々が自分の周りのことについて考えるによい本であるし、そうできるような配慮を、前述したことも含め随所にちりばめられている。
これからの日本のこと、社会に出ようとしている自分の人生を考えていくきっかけを与えてくれた。

社会学はやはり面白い。社会学というと、どうしても空中からものごとを見ているだけの、何もしないような学問のようにとらえていた時もあったが、彼ら彼女らのように我々が考えていくべきことを提示し、社会に働きかけていく姿を見ると、社会学も社会を斜に構えて見るだけでなく、アクションをかけていけるのだと可能性を感じた。
「社会は~」と一括りで語ることが難しいと思うこともあるが、典型的にみられる事象もあるのは確かで、何か一つの現象に注目して分析していくのは面白い。
あと、将来を含め長いスパンで見ていく姿勢が、やっぱり好きだ。
社会学に惹かれた理由はこのへんにあるのかもしれない。

「あとがきに代えて」で書かれている、教員と学生はナナメの関係がうまくいく…というくだりから、院での人間関係を構築していくうえでのヒントを得た気がする。