男はTVゲームが好きだった。

RPG ADV、

パズルにアクション

レースゲームにシューティング、

ジャンルを問わず

ゲーム全般を愛していた。



男はゲームの中に入ることを夢見ていた。

無理なのはわかるけれど、

ゲームの中に入れたら

きっと楽しいに違いない、

毎日毎日そう思い続けていた。











ちょうど百万回目にそう思った瞬間、

神様があらわれて

こう言った。



「もうねー、

 そんだけ思い続けてるんならさー、

 入るかい?ゲームの中に。」







願ったり叶ったりである。

男は即答した。

「是非。

 私をゲームの中に入れてください。」







言い終わるか終わらないかのタイミングで

まわりの風景が変わった。







「どこだろう、ここは。

 あっ、体がドット絵になっている!

 ということは、ゲームの中?

 やったー!神様ありがとう!」

喜んだのも束の間、

上からブロックの固まりが落ちてきたんで

男はしこたま驚いた。







男は

次から次に落ちてくるブロックをなんとか避けていたが、

やがて男がいるところと同じ高さに

横一列にブロックが並んだとき

並んだブロックと一緒に

消えてなくなった。

男のいた場所には

100

という数字が出てきた。

何だか知らないが

100、らしかった。







その後、男を見たものはいない。