大阪クラシック2021第16公演では、第2ヴァイオリントップ奏者宮田英恵とピアニスト平山麻美さんのデュオの公演をさせていただきます。

 

2人は東京藝大の学部、大学院の同級生でとても気の合う仲間であり、音楽家として互いに励ましあいながら歩んできました。


 

大阪クラシックでは2017年にデュオを行い、4年ぶりに再び演奏できる舞台をとても楽しみにしています♪



【2020年大阪クラシック↓】


 


 【2019年、2020年大阪クラシックにてピアノ五重奏で共演】

※2019年共演時の写真↓




【2018年3月池田市逸翁美術館マグノリアホールにて↓】


【2017年大阪クラシック共演時↓】





 

有料・第16公演2021年9月16日(木) 19:00開演

住友生命いずみホール

ヴァイオリン 宮田 英恵   ピアノ 平山 麻美

 

M.ラヴェル:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ ト長調

S.プロコフィエフ:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ 第1番 へ短調 作品80

 

フランスを代表する作曲家、モーリス・ラヴェルは初期と晩年の時代それぞれに1つずつ、ヴァイオリンとピアノのためのソナタを残しました。


今回演奏するのは、晩年1927年52歳の頃の作品で、4年の時間を費やして描かれました。

もう1つの作品は初期1897年22歳の頃に作曲されましたが、彼の死後40年ほど経ってから発見されたため、「遺作のヴァイオリンソナタ」として出版されました。


 

晩年に交流のあったハンガリー出身のヴァイオリニストの存在をきっかけに作られたト長調のソナタは3つの楽章からなっています。


水面に舞い降りる花びらのようなピアノの右手による柔らかな旋律から始まり、ヴァイオリンと共に不思議なファンタジーの世界へと引き込みます。

第2楽章はジャズの要素を大いに取り入れたブルース。指で弾くピチカート奏法や左指を滑らせ音を滑らかに繋ぐグリッサンド奏法などを取り入れ、小気味のよい夏の夜を感じます。


第3楽章はラテン語で【永久の運動】を意味するPerpetuum mobile。無窮動でクライマックスへ向け華やかさをどんどん増していきます。

 

 

ロシアを代表する作曲家セルゲイ・プロコフィエフも2つのソナタを残していますが、第2番はすでに完成していたフルートソナタを聴いたヴァイオリニストであるダヴィット・オイストラフの勧めでヴァイオリンソナタへと書き改められた作品です。


それに対して第1番が、第2番よりも6年ほど前に着手され、完成には8年という時間を要しました。


私はプロコフィエフのメロディがとても好きで、ヴァイオリン協奏曲2つ、無伴奏ヴァイオリンソナタ作品115、2つのヴァイオリンのためのソナタ作品56など、様々な作品を演奏してきました。


第1番はそれらの作品の中でも、より深くプロコフィエフの内面的感情が表現された作品のように感じています。

4つの楽章からなるこの作品は、ソ連の厳しい時代背景から感じた孤独や闇、5拍子や7拍子といった変拍子で表れる熱情、プロコフィエフらしさが溢れた音形の堂々たる旋律、氷のように冷たく美しい旋律、様々な表情が盛り込まれています。

 

今まで大阪クラシックの会場になることはなかった、いずみホールでソナタを2作品演奏できる機会に恵まれたことを心から幸せに感じています。

 

お聴きくださるお客様1人1人のことを思い、演奏したいと思っています。


 

文:宮田 英恵