皆様方、大阪クラシックを楽しんで頂いていることかと思います。

ここでは、第16公演の案内をさせて頂きます。




この配信では、オーボエ、ファゴット、ピアノによるフランスの作曲家の作品を楽しんで頂きたいと思い、このプログラムを組ませて頂きました。

一曲目の、G.フォーレ作曲の、組曲「ドリー」は、原曲はピアノ連弾による作品です。

この曲は、フォーレが妻のマリオを通じて親しくなった銀行家の娘エンマバルダック(後のドビュッシーの婦人)の娘で、1892年に生まれたエレーヌの誕生日祝いに書かれた曲を中心に書かれました。
タイトルのドリーというのはエレーヌの愛称であり、フォーレはこの曲集をエレーヌに献呈しています。

なんと!!!フォーレとエンマの関係は友人というより愛人関係だったらしく実はエレーヌも、フォーレの子ではないかという説も強く語られています、、、、😱

これを、この編成に編曲したもの演奏させて頂きます。

編曲したのは、大阪フィルのオーボエ奏者の水村一陽くんです。


1曲目 子守歌
ゆりかごのような伴奏の上に優しいメロディが歌われます。

2曲目 ミ ・ア ・ウ・
1894年にエレーヌの2歳を祝う作品として作曲されました。フォーレがもともと与えたこの曲のタイトルは「メシュー・アウル」で、エレーヌが兄のラウルを呼ぶ幼児言葉だったのですが、出版社の勘違いで猫の鳴き声を表すこの名前になってしまったとされます。リズミカルなワルツで、出版社の勘違いも無理のないようなまるで猫が飛び回っているかのような感覚も受けますね。
    
3曲目 ドリーの庭
この曲は1895年のエレーヌ3歳の誕生日に贈られました。
穏やかな曲想で、フォーレ独特の巧みな転調を用いています。

4曲目 キティ・ワルツ 
1896年作曲。エレーヌ4歳の誕生日に書かれました。
このキティというのは皆さんが思い浮かべるあの猫ちゃんのキティではありません、これも出版社が勘違いしてキティワルツと出してしまいましたが、フォーレがもともと与えたタイトルは「ケイティワルツ。」
ケティとはラウルの飼い犬です。(!)
穏やかで流れるようなワルツです。

5曲目  優しさ
次第に高揚していくような瞑想的な主題と、その再現部が輪唱を含む律動的な中間部を挟んでいます。

私自身個人的な印象なのですが、フォーレはオルガニストだったことから、この曲を吹いているとまるで教会の中にいるような響きと高揚感を感じます。

6曲目 スペインの踊り
1897年作曲、華やかさ溢れる華麗なる舞曲です。



↑国際ダブルリード協会の会報に、
特集が組まれています。




二曲目
F プーランク
ピアノ、オーボエとファゴットの為の三重奏曲。

この曲は、この編成の曲目といえばこれ!!というぐらい、有名で演奏機会も多い曲です。

ただ、今回演奏させていただくのは、今までよく演奏されてきた版とは違い、作曲者自身が初演の後に校正をした物が、2016年に新しく出版されたので、あえて新しい方を演奏させていただくことにしました。

練習やリハーサルを通して思ったことは、以前の版と違う部分が、数多くあり、頭の中を一度真っ白にしてまるで新しい曲をさらうかのような気持ちになって取り組まないと、とっさに吹くと以前の版のものを吹いてしまうことがおきてしまうので、そこに1番気を使いました。

ただリハーサルを進めていくにつれて、いろんな部分がすっきりと整理されていて、今後はこの版が多数派になっていくのかなぁ🤔
という印象も持てるようになりました。

聴いて頂く方には、版の違いを考えないで、聴いていただけると、光栄です。




最後になりましたが、オーボエ奏者である浅川さんは、私自身が大フィルに入団してから、20年近く一緒に演奏してきた大先輩です。色んな時に、大事な事を教えていただいた思い出がいっぱいです。
今年定年なので、とても寂しいですが、今回の公演や残りの大フィル公演1つひとつを大切に演奏していきたいと思っています。

        久住 雅人