今回はファゴットの小林祐太郎さんにお話しを伺いたいと思います。

 

【プロフィール】

・ファゴット

・大フィル在籍4年目 2017年4月入団/ 楽器歴 13年

・東京音楽大学 卒業、同大学院音楽研究科科目等履修生 修了。

 卒業時に第18回ヤマハ新人演奏会木管部門出演。2015年小沢征爾音楽塾オペラ・プロジェクト参加。

 

 

石田: では小林くんお願いします。

元気だった?

 

小林: はい、お久しぶりです。

   

石田: 今日は自粛期間中の話やオーケストラの再会についてなどをお聞きしたいと思いますが、何をしていましたか?

 

小林: 料理だとパスタ作り、魚をさばくのに挑戦したりして、あとは近所への散歩もしたりしていました。

 

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石田: 魚までさばけるのはすごいね。他にも何か挑戦してみた事はある?

 

 

 

 

 

小林: せっかく時間があるので、今まではこの楽譜を演奏したら次の楽譜を練習してという感じだったので、これを機に自分の技術的な事を見直せたらと思ってファゴットを始めた頃のエチュードから練習し直してみました。

正直、自粛生活になるまで年末ぐらいから自分で予定を積み込み過ぎてしまっていたので休める時間がなくて、はじめは少し休めるかな。ぐらいに思っていたんです。

次々と中止の演奏会が増えて、全く演奏の機会がないと生活に張り合いがなくて。

 

石田:3月の定期、ライブ配信でも久しぶりの演奏という感じはあったよね。

 

小林: そうですね。

あの頃からちょっとライブ配信が流行ったので、このまま配信って形で当分は様子見るのかなと思っていましたが、楽員が集まって演奏する事も無理になって気が緩んでしまって…。 

演奏会があって自分の生活のリズムが出来てたので自分でしっかり計画を経てて生活しないといけないと心掛けていました。

 

石田: あとは他の人みたいに沢山リード作ったりしてたの?

 

小林: リード作りも家で作って、最後にリハーサルをしながら本番会場とかに合わせて仕上げるので本番がないとそこまで数は作らないですね。

 

~リード楽器の方でも

それぞれ作るペースは違う様です。

 

小林: 他には自粛期間中に多重録音とか結構流行ってたと思うんですけど、

うちの奥さん(オーボエ)が友人と多重録音を撮るというので、

その練習相手になったりしてました。

 

石田: 小林くん自身は撮らなかったの?

 

小林: はい、この状況の中では多重録音って考えられる最善の形だと思うのですが、

アンサンブルする醍醐味って演奏しながらお互いの音を聞き合ってアンサンブルするのが面白いので、どうしても自分には馴染めなくてやらなかったです。

 

石田: では奥さんとお家で二重奏のレパートリーを増やしたりはしなかったの?

 

小林: そうですね、全然やらなかったです。

言われて始めて気付きましたが、

家でやろうと思ったら出来ましたね。(笑)

やろうっていう発想はなかったです。

 

石田:そういえば小林くんって*習高(ならこう)出身なんだって!

 

小林: はい、そうなんです。ファゴットもそこで始めまして!

石田さんの地元だからよく知ってますか、やっぱり。

 

石田:うん、習高は、スポーツでも吹奏楽でも千葉では有名だからね。

じゃあ、

甲子園も来た事あるのかな、応援で?

 

小林:そうですね、高校生の時に1回。二年生の時に選抜で甲子園来ました!

 

石田: 甲子園の近くに住む同僚が「メチャクチャ上手いな」って思ったら

習志野の吹奏楽だったって言ってたよ。

 

小林:かなりの大音量だったと思います、全員で200人ぐらいいたので。

 

石田: 200人って、習高ってそんなマンモス高校だったっけ?

 

小林: いや、全部で1000人ぐらいの学生のうち200人が吹奏楽部でした。

 

石田: すごいね、それは。やっぱり、部活は厳しかったのですか。

 

小林: 規律はきちんとしていましたが厳しいというよりは楽しかったですね。

 

石田: 吹奏楽部で始めたって事は、大学に入ってからオーケストラを始めたのかな。

 

小林: はい。でも吹奏楽は高校時代で十分やったので「ご馳走さまでした!」って感じで

オーケストラをやりたくて!

 

石田: 関東圏の出身だけど、大フィルのオーディション受けようと思ったのは何故ですか。

 

小林: それはもうチャンスがあれば挑戦してみようというのと、

受かったら万々歳という気持ちで受けました。

 

石田: 住んでみて関西はどうですか?

 

小林: 親戚も関西圏にいないので、本当に初めて来たんですけど

東京や千葉で人と接するより人が近くてフレンドリーな感じかしますよね。最初から居心地がいいです。

 

石田: 大フィルの活動再開が来週、いよいよ再開ですが(インタビューはその前の6/16に行いました)それについては、どう思いますか?

 

小林:ひとり楽器吹いているだけっていうのも、そろそろ飽きてはくるので早くオケがやりたいです。でも、まだまだ油断出来ないと状況だと思っています。少なくともオーケストラの中から感染者が出ない様にする事が安心して活動する条件だともおもうので、外出る時は気をつけて生活しています。

 

石田: では最後にこれからの目標というか、挑戦してみたい事はありますか。

 

小林: せっかくこの自粛期間中に基礎を見直す時間があったので、前より技術的にも出来る事が増えたのでオーケストラの演奏の中でも積極的に踏み込めたらいいなと思っています。

 

石田: 素晴らしい、楽しみですね!

 

 

 

 

 

 

~自粛明けの定期演奏会でファゴットでは難しいsoloの1つと言われているベートーヴェン 交響曲第4番の終楽章を見事に吹き切った小林くんに、

 

 

定期演奏会終了後み改めて感想を伺ってみました。

 

 

小林: やはり久しぶりにオーケストラの中で演奏できて最高でした。

弦楽器は1.5m、管楽器は2m間を空ける配置だったので

オケ中での時差がより一層大変でしたが、

この配置で演奏できるように試した事は元の位置で演奏できるようになってからも活かせる事があると思うので、それまではいろいろ試行錯誤してみたいと思います。

 

有難うございました。大阪フィルの演奏会も徐々に始まってきました。

やはりお客様からの拍手を頂き、聴いてくださる方がいて演奏会が成立すると改めて感じた定期演奏会だったと思います。

 

 

*習高~千葉県の習志野市にある市立高校。スポーツや吹奏楽でも強豪校として有名であり、卒業生には元プロ野球選手の掛布雅之さんを始め沢山の卒業生が活躍している。