ハープ奏者
平野花子さん

楽器歴:28年

入団年:2017年元日

2006年早稲田大学入学 同年、小澤征爾音楽塾オペラプロジェクト7に参加、吉野直子氏の指導を受ける。

 


 

山田「ご無沙汰しております。本日はよろしくお願いします!」
平野「よろしくお願いします」
山田「早速お話を伺いたいのですが、まず平野さんとハープの出会いについてのエピソードなど教えていただけますでしょうか?
平野「母親が音大出身なんですけど、母の友人でハープ科卒業の人の家に遊びに行った時に初めて見て、その時はまだ小さくて弾けなかったんですけど
4歳の時にアイリッシュハープという小型のハープをその母の友人に習って初めました。」

 


 

山田「なるほど。やはりハープでもフルサイズ?と言って良いのですかね。その大きさの楽器は小さい時はひけませんものね...フルサイズの楽器はいつぐらいから?」
平野「私は中二ぐらいからです。身長140cmぐらいあれば一応弾けますので」
山田「そうなんですか!コントラバスのフルサイズは…140cmでは正直ちょっとしんどい汗」
山田「ちなみにコントラバスもそうですがハープって家の中で場所取りますか?」
平野「一部屋取りますね!楽器があって譜面台と椅子を置くと完全に一部つぶれます!」
山田「ですよね!これからも同じ大型楽器の仲間としてもよろしくお願いします!」
平野「よろしくお願いします笑」

 



山田「ちなみにオーケストラの楽器の中で担当者が一人だけの楽器って
ハープとチューバぐらいだと思うのですが、そいうったところでオーケストラの中で孤独感を感じたりすることってありますか?」
平野「孤独感はありますね!それに演奏する場所も一番端っこで・・・
たまに舞台から見切れてることもあるじゃないですか。
私、必要かな?と思うときも正直あります笑」
山田「いやいや、実は今手元に大フィルのエルガー1番とマーラー9番のCDがありますが、めっちゃハープよく聴こえてますよ」
平野「本当ですか?嬉しいですね。」


山田「オケの中で今までに苦労したこととかありますか?」
平野「えーーー?ええと…大型楽器ならではというか、大編成の曲はハープは絶対のっていると思われていることがありまして。実は出番がない曲もあります。
春の祭典とか笑
そういう時に家にいると、同僚から『いつ来るの?』みたいなメールが来たりします。いや、ないんですけど・・・汗。と思ったりします。」
山田「普段からスコアもきちんと勉強しないといけませんね!(春の祭典のスコアを持ち出して確認中)」
平野「そうですね!」


山田「さて、今少しずつ先が見えるような状況にもなりつつありますが
2月末、コロナの感染拡大への危機感が広がる中。大フィルの演奏会も中止になり始めましたがその時は正直どのように感じられましたか?」
平野「その時はまだそこまで深刻には考えてなくて…数年前の新型インフルエンザの時が・・・みんなマスクはしても普通に生活していたので。今回も1ヶ月もすればそのようになるかと思っていました。」
山田「確かに、当時はほとんどの人がそう考えていたように感じます。」
山田「その中で、在宅で自粛生活が始まって。平野さんはお母さんでもありますよね?生活スタイルには何か変化がありましたか?」
平野「今は、小学校も少しずつ始まりつつあって、子供がいない時間もあって少しは練習もできるのですが、自粛生活が始まった当時は学校も全部休校になって保育園も医療関係の仕事に従事している方の子供たちを優先して預かることになって・・・家に子供2人がずっといる状態が1ヶ月ほど続きまして…
練習は…主人が帰宅してから夜に少ししていましたが、昼間の育児で頭も疲れてしまって、練習した?というか楽器に触るだけみたいな時間が続いていました」


山田「平野さんは、確かこの時期にリサイタルも予定されていましたよね?」
平野「そうなんです。リサイタル自体は4月上旬だったので…大フィルの演奏会が中止になり始めたのが2月末だったじゃないですか?4月の演奏会は大丈夫だろうとその時は割と前向きに考えていました。」
山田「結局中止になってしまったリサイタルですが、リベンジなどそういう気持ちは心にありますか?」
平野「リサイタル自体は大阪新音さんが主催してくださったのですが…
新音さんからは、いつとはまだまだ言えないですがコロナが収まったら是非。
というお話はいただいております。」
山田「そうですね。練習も何か目標があったほうが絶対にモチベーションもあがりますものね。」

山田「さて、特に関西圏ではそろそろ演奏会も再始動しようという気運も高まりつつあるように思いますが、今どのように感じられていますか?」※注1
平野「再開の目処がたってきたのは、状況が落ち着いてきたことでもあり
喜ばしいとは思っています。ただ、演奏会を行うとなってお客様を集めるということになれば、お客様に対する責任もきちんとしなければいけないし、特に感染再拡大については細心の注意を払っていかなければならないと考えています」
山田「まさしく。」

山田「こうして、社会をはじめ演奏会が少しずつ動き始めてはいる今ですが、
今後の音楽活動などにおいて平野さんがやってみたいことなどはありますか?」
平野「コロナが完全に季節風インフルエンザと同じ程度にまで落ち着いてからになりますが…個人的にやりたいと思うことは、大きい編成のものでしたり、オケがピットに入って舞台と一緒に演奏するなど。というものをやりたいです。
もちろんこれらについては現状いつになるかわからないのですが…
それと、この自粛期間に我々は家にいただけなのですが、外に出て社会を回してくださった方々に対して何か…善意の押しつけにはならないように注意を払いながら何かできたら。と思います」

山田「ありがとうございます。最後にこのBlogをご覧になられている方や大フィルのファンの皆様に何か一言お願いできますでしょうか?」
平野「すごく大変な時期があり、関西はなんとか第一波は乗り換えたようにも思いますが…規制も少しずつ解除され元の生活に戻っていく中で、我々は自粛生活の時以上に感染の危険には十二分に注意を払いながら活動していきますので、
オーケストラがオープンにコンサートをできるようになれば、少しずつでも覗いていただけると嬉しいです。」
山田「お忙しい中本日は本当にありがとうございました!」
 

インタビュー 2020年6月3日 コントラバス 山田俊介

 

注1:このインタビューは6月3日に行われました。