Yさんと同じクラスだった中1の時の最後の席替え後の席順がこれだった。

 

       

 

 

 

          

 

ピンクの席がYさんで黒の席がオレ。

つまりYさんが授業中に黒板を見るときはYさんの視界には必ずオレが入るということだ。

 

先公が前でなにかを話すときもYさんの視界にオレが入るのだ。

 

別にそれがどうしたわけでもねーし、イチイチ視界に入った奴など気にしねーものだ。

 

そしてクラス替えが近づいてきて、さよなら会をやる事になって、全員の机を廊下に出して、教室内でみんなでぐるっと輪になって座って、しかしオレはそったら輪に入る性格なんかしてねーから輪からはみ出して、偶然なんだがYさんに背を向けて座ってた。

 

そんな時、オレの横に居た奴が小声で、

「Yが野晒しを見てる。ヒューヒュー」

なんて言いやがる。

 

オレは、Yさんはついこの前のバレンタインデーにS田にチョコをやってたし、オレなんかに興味があるわけが無え。ただ単に見ただけだろうよと思ってた。

 

そのS田はクラスで1番か学年で1番勉強が出来る奴だ。オレとは正反対の存在だ。ちなみにS田はオレの隣に座ってた。

 

S田は10人くらいからチョコを貰ってた。

YさんもS田のカバンにチョコを入れるとこをオレは見てる。

 

しかしその動作というかなんというか、これがまた可愛いというか、一回入れたチョコが床に落ちてしまって、笑いながらそれを拾ってカバンに入れていたのだ。

 

その一連の動作は素早かった。

 

もしかしたらナントカ拳の使い手かもしれない!

それかCAIか。

 

まあ、S田に、S田って島田ってんだけど、Yさんはコイツにチョコやってたから、さよなら会でYさんがオレを見ててもオレは別になんとも思ってなかったが、少しは期待したもんだ。

 

そんで2年になって直ぐにあの熱い潤んで濡れた瞳で間近でオレを見てるYさんとオレが目が合って一瞬で大好きになって44年1カ月以上が過ぎたのが今だ。

 

まあな、島田にチョコをやった直ぐ後の出来事なのでオレは何かの間違いだとも思ってたのも事実だ。

 

しかし島田にチョコをやってようが、そんな事はどうでもいい事だ!とっとと告白すればよかっただけだ!

 

そこでもし断られてもオレの事だ。まだ2年間学校に通う中、オレは成長して、オレを振った事を心底後悔するようにオレが成長しまくればいいだけだ!オレはそういう努力はしまくる奴だ!当り前だ!男だろうが女だろうが、そうあるべきだ!そして次の獲物を狙うのだ!そしてそういう成長した自分を見て、一端は振ったくせにソイツがよりを戻そうと近づいて来ても絶対に相手にするな!くじけること無く落ち込む事も無く、例えくじけても落ち込んでも以前よりパワーアップして立ち直って成長する能力を見抜けなかったソイツなど一切相手にする必要は無し!

それが恋愛だ!それが人生だ!

 

オレは中体連で我流の柔道なのに3位に入ってるし運動会では3年間リレーだったし、2年の時にはYさんのクラスの応援席でオレはYさんのクラスの走者を「遅せーなーコイツ」と思いながらアッサリ抜かしてるし、運動神経は抜群で勉強以外はオレの独壇場だった!

学校始まって初のヘヴィーーーーメタルバンドで学校祭に登場して演奏して、ヨーヨーも上手いし、美術で描いた絵や作った作品は選ばれるし、プロレスごっこでは最強だったし、何もしないでただそこに居ても他の奴等とは何かが違う存在だった。

 

そう、勉強なんか出来なくても、そういうトコに惚れた女は何人か居た。

 

オレは誰の目も気にしねーで好き勝手やってただけだ。

 

オレは今も大した変ってない。

 

幼き頃のまま。そして天は目指さず、ただひょうひょうと生きて、決してがっつかず、のらりくらりで掴み所の無いワケのわからないとこに惚れる女が居るのは事実だ。

 

だがかつて天を目指した血が騒ぐ事もある!

 

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狂の奇事、

おしまい。

 

昨日米買いました。

ハッハッハッ!