魁北斗塾!

作り話編!

野球編!⚾

 
野晒しが中学3年の時のある日曜日。
高校受験勉強なんか無視こいた同じクラスの男が20人近く寄り集まって公園で野球をやっていた。
 
その公園はYさんの家の近くだった。
 
野晒しはピッチャーをやっていた。
三振とりまくったり打ちとりまくったりデッドボールを顔面に糞ぶつけたりまくったりと大活躍だった!
 
野晒しはふと横を見たら公園の柵越しにYさんが歩いてるのが見えた。Yさんも野晒しを見た。
 
野晒しは大活躍しまくるとこをYさんに見せようと思った。YさんはYさんで、流石野晒し!ピッチャーやってる!野晒しは本当に勉強以外はなんでも1番だ!と思っていた。
 
野晒しはYさんが見てる中、三振だのファーストゴロだので打ちとった。そしてYさんに、「Yさん、どうです。打ってみませんか」とYさんをバッターボックスに誘った。
 
Yさんははにかみながらバットを持ってバッターボックスに入った。
 
野晒しは少し近づいてスローボールを投げた。
そしたらYさんは思いっきりバットを振ってブチ当たったボールは野晒しの顔面を直撃した!
 
ビックリして野晒しに駆け寄って謝るYさん。
 
しかし野晒しは、
 
まだだなあ~。
 
まだこれくらいじゃあ~、
 
致命的じゃあ~ね~なあ~。
 
オレは勉強以外はなんでも1番さ。
 
打たれ強さもタフさも1番。
 
小学3年の時には同級生が思いっきり振ったバットが画面を直撃して、今以上に顔面血まみれになったが、声一つ出さず、病院行って塗ってもらったあ。
 
この目の上の傷跡がそうさ。
 
そん時にくらべたら、
 
こんな程度じゃあ~まだまだ、
 
致命的じゃあ~ね~ぜえ~。
 
という野晒しの戯言を完全無視したYさんは必死で謝り続ける。
 
しかし野晒しは、
 
気にすることはないぜ~。
 
悪いのはいつだってオレの方さ。
 
オレがYさんに無理矢理バッターボックスに立たせたのが悪いのさ。
 
今までだってオレは、Yさんの真剣な想いに逃げてばかりだった。
 
Yさん、用事があったんだろう?
それなのに、オレはそんなYさんの用事を無視して野球をやらせちまった。
そのバチが当たったのさ。
致命的なバチがな。
 
Yさん、いいよ。オレは大丈夫だ。
さあ、用事を足しに行きな。
オレが尊敬するテキサスの荒馬テリーファンクなんて、いつだって血まみれさ。
 
Yさんは意味不明の事ばっかり言い続ける野晒しをみて頭の検査も必要だと思って家に走ってって母親を呼んできた。
 
野晒しは、
 
Yさんのお母さんですか?
Yさんをください。

あ、いや、オレは大丈夫です。

 
そしたらYさんの母親は問答無用で野晒しを病院に持ち運んだ。物凄いパワーだった。
 
野晒しは顔面を塗った。
 
野晒しは、
 
治療代は明日オレが持って来てYさんに渡します。
 
と言ったらYさんのお母様は、
 
そったら事はいいから安静にして用心して飯食って栄養摂って睡眠もとって免疫力も高めて早く治してくださいね。

しかし娘は

あげません

!!!!!!!

 
そしてタクシーを呼ばれてそん中に押し込められて家まで送られた。
 
一緒に野球をやってたクラスメイトはどうしたのか。
知らねーそったらもの!
 
次の日学校で野晒しはYさんにYさんの母親が払った治療費を渡そうとしたらYさんは拒否した。
 
拒否された瞬間に野晒しは学校を出て走ってYさんの家に行って新聞入れの中に治療費を入れて帰ってくる途中に何故か校長にバッタリ会って授業サボるなと言われてぶっ叩かれて、拒否されたりぶっ叩かれたりと糞面白くもねー事が連発こくので学校帰りに通院しようと思ってたが学校サボって病院に行って縫ったとこに薬を塗ってもらって、時間潰しのために用も無いのに院内をウロウロして給食時間近くになってようやく学校に戻って給食食って昼休みはボールで遊んで、ボールが顔面の傷に直撃して傷口が開いてまた縫った。
 
それを毎日繰り返して毎日縫ってYさんに呆れられた。
 
野晒しは家に帰ったら父親が作った、やたらと高い鉄棒にジャンプしてぶら下がって逆上がりをやって鉄棒の上に座った。
 
そのうち晩飯の時間になった。
飯ばっかりだ。
 
飯の後は懐かしの瓶のリボンナポリンを飲んだ。そしてデカパイの河合奈保子のポスターを貼ってある自分の部屋に入ってKISSのストラッター78をギターで弾いた。
 
そしてふと思った。
 
こんな包帯なんか撒いてたらYさんが気にするな。
よし、包帯なんかとってやれい!
 
次の日、野晒しは傷口丸出しで学校に行ったら、丸出しの傷口を見たYさんはもっと気にした。当り前だ。
 
なので野晒しは覆面被って学校さ行った。
クラスメイトから野晒しマスクと言われた。
 

野晒しマスクはYさんに、もう少し真面目に学校通って、真面目に病院にも通って、真面目に治療もして、とにかくテメーはもうちょっと真面目に生きろこのヤローと怒られた。

更にYさんは言った。

この前はこの前で廊下に立たされてるものの、雪降ったら学校の二階の窓から飛ぶものの、いろんな先公にしょっちゅう叩かれてるものの、授業の前に直ぐどっか行って学校から居なくなるものの、雪中運動会もどたんばでサボるものの、給食当番も掃除当番もやってるのを見た事がない!
給食だって勝手に食べてるし牛乳だって勝手に飲んでるし、何かと言えば机をブン殴ってるし壁にエルボーぶち込んでるし、いっつもプロレスやってるし、プロレスごっこの最中に私が座ってた机にぶつかってきても謝りもしないし、私があんなに熱い視線を送っても、なんの音沙汰も無いし、お前なんか死んじまえ!
 
そったら事を言われた野晒しは流石に反省した。
 
反省して反省して学校サボってまで反省してたらYさんに、だからサボるなって言ってんだあー!と言ってまた怒られた。
 
野晒しは心底反省して生まれ変わり1日20時間勉強したものの疲労と過労と睡眠不足で高校受験も受けられず、なんとか職を探してスクールバスの運転手になり、高校に通うYさんがそのバスに乗ってきた。
 
野晒しは、
♫ 発車ぁ~~ オ~ライ~~
 明るく~ 明るく~ ♫
と歌いながら発車させたらYさんに真面目に運転しろ危ねーなー!相変わらず馬鹿かお前はと怒られた。
 
 
Yさんが卒業記念旅行に行く時にバスに乗ったらそのバスも野晒しが運転手だった。
 
野晒しは、奇遇ですね~と言ったらYさんは致命的だぜと言った。
 
Yさんが宿泊先のホテルにチェックインしようとしてフロントに行ったらフロントホテルマンは野晒しだった。
 
用事を思い出したYさんがタクシーを呼んだら運転手がこれまた野晒しだった。
 
Yさんは、地球上に何人居るんだテメーはー!と怒ったが、野晒しは、どちらまで?と人の話を全く聞いてない。
 
数年後Yさんは結婚式を挙げた。
 
当然、相手は野晒しではない。
 
式が終わって新郎とホテルの部屋に入ってYさんは悲鳴を上げた!
新郎が野晒しになってるのだ!
 
野晒しは、
 
ある時はバスの運転手、
またある時は他のバスの運転手、
そしてまたある時はホテルマン、
そしてまたある時はタクシーの運転手。
そしてその実体は、花嫁泥棒!
 
オレはな、糞みてーな男がいい女に乗っかるのがイッチ番許せね~んだ。
 
ずっと好きだったぜYさん。
 
Yさんはメンドくせーから野晒しと夫婦になった。
 
そして野晒しのようなどうしようもねーガキが生まれた。
 
=============
 
こうやってフザケタ事を書いてるが、膝が壊れて何も出来ないから最近は自分というものを深く考える事が多いのだが、オレに寄って来た女は沢山居たんだがオレはその人達に全く興味が湧かなかったと知った。
 
オレはやはり底の底、真の真、芯の芯から好きになった人でないと付き合えない性格のようだ。妥協出来ないのだ。ここが妥協出来る奴ばかりの世の中だが、オレはそういう奴等とは当然合わない。そういう奴等に好き勝手な事を言われたら腹が立つ!
 
真から、底から好きになる人って一生のうちにやはり1人くらいだろうな。
 
 
 
オレは後にも先にもYさんただ1人だ。
 
しかし、
 
もしもYさんがオレが人間的に認めない部類の男が好きだった場合や、そうだと知った瞬間に切る事も出来る男だ。
 
 
 
オレはこれを非情だとは思ってない。
 
男だろうと女だろうとそうあるべきだと思ってる。