さて1次を合格して喜んだのもつかの間でした。

なぜかといいますと、2次試験が不安だったからです。

1次試験は過去問を初めとして、単語帳、問題集など
何をやれば良いかは悩むほどではありません。

しかし2次試験というのは「話す」力が問われるわけです。

ここはあまり訓練したことがないのです。「弱りました」

ま、あれこれ考えて悩むよりまずは、

「敵を知り、己を知らば百戦危うからず」

の名言どおりに、まずは過去問を分析することからはじめま
した。

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過去問は英検のホームページにサンプルがあります。

これはサンプルということで実際の過去問なのかどうか不明
です。

ところで、なぜ実際の問題がないのでしょう。

これは私の推測ですが、2次試験問題は一つではないはずです。

2次試験は1次試験のように、全員が一斉に試験をうけるのでは
なく、数人ずつ試験を受けます。

面接試験官は一人ひとり試験を行いますから、数時間かけて
それぞれを試験します。

順番は早く会場に到着した人から行われます。

さて、もし問題が同じであれば、早く来て先に試験を受けた人
がその問題を後の人に伝えることで、後の人があらかじめ問題
の内容を知ることができてしまいます。

試験が終わったら、速やかに会場を出ることになっていますが、
あまり厳密でないので、こういうことをやろうと思えば全然
可能です。

ということで、問題は複数用意されていると思います。

では、何種類あるのでしょうか。
それはたぶん秘密にされているのかもしれません。

なぜなら、それがわかれば、不正を招くことになると思われる
からです。

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以上の理由から1次試験のように実際の過去問を解くというこ
とはできないのではないかと思いました。

ただ同レベルの問題が手に入ればそれで十分です

そこで、私はこれを買いました。

一つ目がこれ

どんどん話すための瞬間英作文トレーニング (CD BOOK)/森沢 洋介
¥1,944
Amazon.co.jp

二つ目がこれ

14日でできる! 英検準1級 二次試験・面接 完全予想問題 (旺文社英検書)/著者不明¥1,620
Amazon.co.jp

この旺文社の問題集は発行年が古いことが気になりましたが、
問題はなかったです。

そして、「買って良かった」と間違いなく言えます。


私の合格は、この2冊目の本に負うところが非常に
大きかったです。

アマゾンの評価がかなり高いのもわかります。
会場に同じ本を持ってきて直前までボソボソやっている人も
いました。

この本のおかげで、実践的な問題を手にすることができまし
た。

同レベルで同じ形式の問題を繰り返し解く
という方法は2次試験対策としてもやはり最も大事
だと思いました。

さて、本書の使用方法ですが、私は1日1問というペースで
やりました。

実戦形式なので全部やってしまうともったいない気がしたの
です。

これが良い方法だったかどうかはよくわかりません。

全部ざーっとやってまた最初からやるという方法もあると思
います。

どちらが良いかはわかりません。

ただ私の場合、最初はあまりにも出来なくて進むことができ
なかったということがあります。

最初は1問が、全くと言っていいほどできなかったのです。

最初の感想は「難しいもんだなぁ~」と思いました。

試験は限られた時間の中で話さないといけません。

時間が無制限にあって紙に書いたり、何度も草稿を練ったり
というのであれば優秀な作文ができると思います。

だって問題自体は簡単な英文ですからね。

しかし、すぐに何か言えといわれても、言葉が出てこなかっ
たり、文が続かなくなったりして、最後まで行き着くことがで
きないのです。

やはり普段、「英語で話す」という訓練をしていないので
この練習不足はどうしようもないです

英文が読めたり聞けたりしても、自分の考えを英語で話すと
いうことはそれに慣れていなければ、いきなりはできません。

試験というのは良く考えて作ってあるものだと思います。

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そこで合格への対策ですが、

まず「自分の身の丈にあった最低限の表現」を試みると
いうことが大事なのではないかと思うようになりました。

難しいことを表現しようとすると失敗します。

内容が難しくなるとそれに連れて表現も複雑になり、
結局最後に行き詰ってしまいます。

だから簡単な文をつくることを心がけるべきだと
思うようになったのです。

簡単な文とは具体的にどういうことでしょうか。

それは

1、文が短い
2、単語が簡単
3、内容が単純

こんな感じでしょうか。

そうすると、これらを「どこまでやって良いか」という問題になり
ますね。

つまり、自分の発言をどこまで簡単にしてよいか、ということです。

たとえば、

"I think that is good." とか "Yes,I like that."

という発言で一体何点とれるのかという問題です。

ま、普通に考えてこれではダメでしょうね。一応、準一級の
試験ですからね。

先ほど紹介した問題集にも、こういうことがちゃんと書いてあ
ります。

しかし、なんでもそうですが、戦略としてはギリギリを攻め
るということが大事です。

よく言われることですが、合格ラインより1点上で合格する
のが効率の良い合格です。

それで、採点基準を知ることが大事だと思うようになったわ
けです。

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グーグルで「英検準1級2次試験 採点基準」

と検索すると

一番上に

「元面接官が明かす英検準1級2次合格のコツ」

と出てきてそこに大事なことがたくさん書いてありました。

まとめますと


【採点基準】
・何か話せば,それだけで2点
・質問内容に沿った答えができれば3点,
・説明の英語に(表現上,文法上の)間違いが少し含まれて
いれば4点となり,
・満点は5点

【その他】
・一番いけないのは黙ってしまうこと
・聞きなおしは2回までなら減点なし

そうすると

ナレーションが何とかまとまれば
9点

質問になんとか答えられたら
12点

態度が普通なら
2点

合計で23点、これで合格というわけです。

合格点は22点なのでどこか一個ミスしてもまだ大丈夫。

このように考えて対策を練るということにしました。

ちなみに私の結果ですが、

ナレーション 9点
Q&A   13点
態度     3点
----------------
合計    25点

での合格でした。

ま、本当にギリギリでしたね。

でも試験終了直後は「受かった」という感覚がありました。

もちろん、「ギリギリで」ですけど。

それは何とか黙り込んでしまうことなく言葉を発することが
出来たからです。

とにかく「何かそれらしいこと」を口にできれば
合格するということです。

ただ、ここでまた問題が発生したんです。

私は「それらしいこと」を口にして合格したんですけど、
その発言内容は実は私が実際に感じたこととは
異なることだったんです。

どういうことかというと、あるテーマについて
言いたいことはあったんですけど、それがちょっと
難しいように感じたので、それを否定するようなこと、
つまり逆のことを口にしてその場をやり過ごしたんですね。

そのテーマについて自分の意見はあったんですけど、
言えなさそうなので、代わりに適当なことを言って
合格のための応答にする、ということになってしまったんです
ね。

あまり良いことではないですが、合格者のブログなどを見る
と、結構の人が実はそうなっているみたいです。

だから、本当の自分の意見とは全く反対のことを
言ってしまっていることもありうるわけですね。

ただ、考えてみればすごいことですよね。
そういう思考能力というものは。

(つまり言いたいことはこうなんだけど、言うのが難しいか
ら簡単なこっちの意見を言っておこうというとっさの機転)

が即座に出来てしまうという人間の脳というのは本当に
高機能だと思いますね。

2次試験対策をしているとこういう風な能力が自然に
身についてきて、それが身につくと合格するということも事実
だと思います。

そうすると、実は本当の意味での話す力ではない、ということに
なりますけどね。

ちょっと語弊があるかもしれませんが「ウソをつく力」
「ごまかす力」のようにも思えます。

言葉とウソといのは、実は根深いものがあるのかも
しれませんね。

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さて話がそれましたが、

私は

ナレーションではパラグラフごとにできるだけ2文で説明
収まらないときは3文でもOK。

Q&Aも2文で答える。
収まらないときは3文でもOK。

というように形を決めて勉強するようにしました。

そうすると大事なことがわかってきました。

肝心なのは「動詞」だということです。

「だれが」というのは悩みません。

"The man"とか "The woman"で良いのですから。

「どこ」も、「いつ」も悩みません。

問題は「なにをした」かをどう表現するか、

つまり動詞なのです。

動詞を正確に、せめてまちがってない動詞を
選択できれば合格するのではないでしょうか。

失敗の大きな原因は変な動詞を選択してしまうことだと
思います。

おかしな動詞を選択してしまう原因ですが、私は

①複雑なことを表現しようとしている

②何が言いたいのか自分でわかっていない

この2点だと思います。

対策としては、まず簡単な動詞を探し出すことを心がけると
良いと思います。

英検のホームページにあるサンプル問題で見てみましょう

まず簡単なところから行きましょう。

2コマ目見てください。

ここでまず「ask」という動詞が「ぱっ」と出てきて
欲しいですね。

「ask」がでてくれば文ができますよね。

3コマ目行きましょう。
これは「see」でしょうか。

4コマ目はやはり「see」でしょうね。

もうそのままなんですね。

ただ、4コマ目はちょっと難易度が高いです。


さて、基本は「何してますか?」に対してぱっと答えるわけですね。

「見てます」、「頼んでます」という感じです。

で、1コマ目ですが、この1コマは難しいんです。

他と違って、ぱっと出てきづらいんです。

絵的で言うと「歩いている」んですけど、
大事なのは歩いていることではなく

混雑している道路状況の中で、タバコの火が女の人の服に
当たってしまったことで、

さらに大事なことは、この女の人が迷惑を受けたということな
んです。

そして、一番大事なのは、この女性の表情だと思います。

この1コマ目は、なぜそんなに難しいのか、もっと具体的
に考えてみますと、私が思うに、原因は、このコマが複数の
状況を一枚で表している、ということだと思います。

つまり、この絵から表現すべきことは一つではない、のです。

このコマで表現することが必要なのは

①出勤中の混雑した道路
②道路でタバコを吸う男性のタバコの火が女性の服にあたり
服がこげる
③それによって慌てる女性

つまり1枚の中に、ストーリがあるんです。

そして、ストーリーがあるということはポイントがある、つ
まり、「ある重要な意味が生じている」ということです。

そうしたときに重要なのが、「人物の表情」です。

まずは、登場人物がそのときに示している表情が
"happy"なのか"unhappy"なのかということです。

これは本当に大事なポイントとなりますので、表情には常に
注意してください。

そうしますと、この1コマ目では女性の困った表情が要点
なのです。

それがこのストーリー全体の起点でもあり、
(大袈裟に言えば)彼女の怒りこそが、このストーリーの中心にあるのです。

だから本当は使いたいのは

"upset"

なんかが使えたら最高なのですが、

たぶん"upset"を使ってこれを表現できる人は
準1級のレベルをはるかに超えている気がします。

あくまで個人的な意見ですが、ここで"upset"を使ってはいけ
ません


無論"upset"を使うことができれば、彼女の気持ちは本当によく伝えることができるのですが。。。

残念ながら、ここでは"surprised"を使うことをお勧めします。

理由は単純、簡単だからです。

合格するには、びっくりしたで十分だと私は思います。

簡単な動詞は安心感を生みます。

若干の違和感があるのはやむをえません。しかしその一方、この後に続く
文を付け足したり、修正は効きやすいんですね。

心理的に余裕があるからだと思います。

具体的な動詞は文の広がりを制限します。意味が絞られてい
くので表現は緻密に出きるのですが、それ以降の表現はさらに細か
く具体的なものとならざるを得ず、急激に難しくなってしま
うのです。

そのため、さらなる表現力がないと行き詰ってしまうんです。
沈黙を避けるために、簡単な表現をつかうのが戦略としては正しいということになると思います。

だから2次試験は自分の力量の範囲を知り、その範囲の中で
会話が成立する文を作成する能力を磨くということに
なると思います。

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私はこのようにして、まず動詞を探すことを中心に勉強を進
めていき何とか合格しました。

このことは結局、与えられた題材の内容を把握し、的確な表現を行うということの訓練なのですね。


まあ、私はギリギリの合格ですからあまり偉そうなことはいえません。

他にも良い勉強方法が多くあると思いますが、参考にしていただけますと幸いです。


英検準1級合格体験記 ~2次対策~ おわり