馬券戦略において・・・

 

徹底的に同じ種牡馬を買い続ける!

 

というメソッドがあります。

 

たとえば、種牡馬キズナをピックアップすると。

 

 

キズナ産駒のJRA出走全成績の今日これまでの全成績をデータベースにしたものを引っ張ってくると。

 

驚愕の事実がわかります。

 

単勝回収率105%

 

これは、たとえばキズナ産駒が出走したレースの全キズナ産駒の単勝を1倍だろうが、100倍だろうが

100円ずつ買ったとして。

1レース当たり、いや1頭購入あたり5円の利益が出てる!というモノ。

 

きょうび利回り5%の金融商品ってなかなかないですよね。

 

あ、ドル円が5%あるか?

 

けど、銀行に預金してても5%なんてあるわけないですよね。

 

お金預けただけで10%?なんて金融商品があったら詐欺商品だと思った方がいいですよ。

 

なんで、10%も利回りがつくか?っていうと、この利回りを高くしないとお客さんがつかないほど

 

不人気だからです。

 

・・・ゆえに、この10%の利回り。例えば1000万円入れたとして・・・

 

1年間預けて何事もなければ毎年100万円もの利益をだしてくれるんですけど。

 

その金融商品が消滅して元本がなくなったり、あるいは、為替のように価値が変わったりするわけです。

 

高い利回りほどそういった不安定感が増すものになってます。

 

馬券の話に戻すと・・・

 

買う段では、この利回りがわからないんですよね。

 

そして、世の中にいる種牡馬の多くが回収率100%を達成できていません。

 

けど、まれにキズナのように単勝回収率100%オーバーを長い間維持する種牡馬がいます。

 

こういう種牡馬がね、早めにみつかれば・・・

 

馬券も儲かるだろう!って理論です。

 

で、このおいしい当たり種牡馬の見つけ方を考案するのが今回のお話。

 

だいぶ、冒頭長くなってしまったのだけどね。

 

生産者目線で、種牡馬を考えると・・・

 

種牡馬の産駒の活躍にはサイクルが出てしまいます。

 

たとえばの話です。

 

種牡馬キズナの話で行くと。

 

キズナが引退して、種牡馬にあがります。

 

生産者としては、現役競争馬時代にダービーを優勝したキズナですけど。

 

これまでに何度も現役競争馬時代に活躍したけど、種牡馬としてはまるでダメだったという馬をみてきているので。

 

競争馬と種牡馬の能力はイコールではない!ということはわかっているので。

 

生産者が、新種牡馬として繋養されたキズナを自分ところの大事な繁殖牝馬につけるのには及び腰にならざるを

 

得なかったはずです。

 

キズナを預かっている社台SSとしても、生産者の不安は知っているので、種付け料は手ごろに設定して。

 

売り出すわけですけど。

 

おそらく、それでも種付けの依頼はこないのです。

 

種牡馬キズナが生産者に種付け依頼をもらうためには?

 

当然、産駒の大活躍が必要になります。

 

なので、売り出したい種牡馬には、社台グループ(主に今ならノーザンファームですかね?)

がある程度、活躍をみこむためにたくさんの良質な繁殖牝馬をあてがいます。

 

初年度の交配申し込み生産者のイメージとしては。


社台グループが、率先して種付けをし、一部の生産者が種付けを依頼しで。

7:3ぐらいで。100頭ぐらい誕生させます。

 

それを産駒がまだデビューしていない1,2年目でね。

 

生産者としてはいざ、産駒がデビューしてから種付けシーズンまでの種牡馬の成績データ、産駒の活躍をながめます。

 

生産者としては、その種牡馬をつける価値があるか?どうかを知りたいんです。

 

種牡馬の能力っていうのは、繁殖牝馬の相性とかじゃなくて。

 

どの繁殖牝馬に種付けをしてもある一定水準の能力の高い馬が出ることなんです。

 

だから、オルフェーヴルのようにG1馬を出す一方で、産駒の大半がJRAで1勝もできないなんてことになると。

 

生産者からは敬遠されてしまいます。

 

一方で、ロードカナロアのように、とりあえず産駒は1勝はするよね。

 

そしてそこそこ重賞勝ち馬も出すよね。

 

という認識が生産者の間で共有されたため・・・種牡馬の価値=種付け料

 

があがり、種付け4年目からは実績をみてから種付けをしようという生産者が殺到するといった具合です。

 

イメージはこんな感じ。

 

1年目・・・見送り(産駒がデビューしておらず、現役競争時代の実績に応じた種付け料)

2年目・・・検討(生まれた幼駒の質を見定める)

3年目・・・その年にデビューする成長した幼駒の評判を収集して種付けをする。

4年目・・・産駒のファーストシーズンの成績(勝ち上がり率など)をみて種付けをする。

5年目・・・クラシックの活躍と1世代まるごとの種牡馬成績を加味して種付けをする。

6年目・・・種牡馬の評価がかたまってるので、人気・不人気が顕著になる。

 

サイクルって大げさにいったけど。

 

社台SSの種牡馬の産駒でいうと、大まかにこんな感じ。

 

1,2年目は、社台グループが種牡馬の売り出しのために大量に良質の繁殖牝馬をあてがう。

→新種牡馬の産駒の1年目、2年目の子が活躍しやすいのはこのため。

 

3年目は、まだ産駒がデビューしていないものの牧場での生まれた幼駒の評判等で

日和見をしていた生産者がボチボチ種付け依頼をする、社台グループは、一旦あてがう繁殖牝馬をひきあげる。

たとえば、1,2年目が社台グループの種付け7:3だとしたら、

3.4年目は社台グループが3:7ぐらいになるのではないか?

5年目は、産駒がデビューしてある程度まとまったデータがあるので、産駒が活躍しまくって評判の上がった

種牡馬には応募が殺到するので種付け料をあげて需給をコントロール。

 

そんな具合。

ちなみにキズナの種付け料の価格の推移をみていくと・・・

初年度・・・250万円

2年目・・・250万円

この2年間は種牡馬としての評価はわからないのでお試し価格?的な

3年目・・・350万円

おそらく産駒の馬体とかなにかしらよかったんだろう

4年目・・・350万円

産駒がデビューしてそこそこだったので価格維持も

種付け数はだんだん減っていく。

5年目・・・600万円

産駒が予想外に大活躍!種付け数も大幅に復活

6年目・・・1000万円

産駒がさらに活躍して種付け料をあげて応募数をコントロール

リーディングサイアーランキング上位に名を連ねる。

7年目・・・1200万円

順調に人気があがる

8年目(今年)・・・1200万円据え置き

 

 

こうしてみると、一つのサイクルがみえてくると思う。

 

もう一度、おさらいすると。

1,2年目は完全に様子見、お試し期間。

 

多くの種牡馬にとって最大の試練はここ!

この2年間は、種牡馬としての能力よりも現役競争馬時代の実績と血統を踏まえて産駒の活躍を期待して

先行投資をする時代。

 

種牡馬はこの2世代で、ある程度産駒が活躍していないと、その後は生産者に見切りをつけられてしまい。

種牡馬人気が落ちすぎれば種付け応募数に応じて廃用まである。

 

3年目は早熟性を確認してからの種牡馬の出だしの評価で種付け数が変化・・・

ほとんどの種牡馬は種付け数がガクんと減る。

 

毎年、新しい種牡馬がはいってくる社台グループなんかは、そっちに繁殖をまわしちゃうからね。

 

4年目はファーストサイアーシーズンの産駒の活躍を十分吟味できるので、生産者も安心して種付けの依頼を出し始める。

産駒がまるで活躍していない場合は、種付け料が安くなればあるいは?

 

・・・

 

ということでね。

 

1,2年目で産駒がある程度活躍した種牡馬ってのは。

5年目以降に、慎重な生産者が種牡馬としての実績の評価を終えた時点で種付けするので。

また繁殖牝馬の質が上がった状態になってる可能性が高い。

 

これが一つのサイクルになる。

で、この5年目、6年目の産駒がまた活躍すると。

次の年からもさらに種付けの応募が殺到するようになり。

いい繁殖牝馬がついて、さらに産駒が活躍が活躍する可能性が上がる。

 

という感じでね。

 

5年目までのサイクルを乗り切った種牡馬はしばらくリーディングサイアー上位を維持することになる。

 

わけなんだけど・・・

 

問題は、馬券だよね。

 

当然、優秀な種牡馬として認知されてしまえば・・・

 

その血統ってだけで馬券が売れてしまうからね。

 

ドレフォンなんかは典型的で・・・

 

最初単勝回収率ものすごかったんだけど、今ではみんなドレフォン産駒ってだけで

とびつくから、単勝回収率も下がってきてしまってる。

 

生産者サイドは、種牡馬の人気があがろうがさがろうが自分たちの生産した産駒が優秀であれば

それでいいわけなんだけど。

 

馬券者サイドとしては、悩ましい問題だよね。

 

まぁ、そんなわけでですよ。

 

この5年目にして、種付け料が上がった種牡馬の産駒は活躍が期待できるというわけです。

 

で、まぁこの話の流れからわかる通り。

 

今年2歳でデビューとなるキズナ産駒は期待して良さそうですよねーっていう。

 

馬券戦略としては難しいけどもね。

 

今回はキズナしかみなかったけど。

 

5年目で種付け料が上がってる馬を探して勝負するというのもありかもしれないよねー。

 

この産駒活躍のサイクル。

 

POGでも使えるんじゃないかな?

 

来シーズンのPOGは、キズナ産駒オールで固めて指名するのもありかもしれませんね。