あらためて日本語はほんとうに難しいと思う。日本語は長い歴史の中で用いられてきて、その中で様々な変遷を辿ってきているため、彩りや陰翳が言葉にまとわり、味わい深くも複雑なものになっている。

最近気づいたのが、「上手」と「下手」。この読み方も使われる場面で大きく異なってくる。

まず最も一般的な読みは「じょうず」と「へた」。ものの巧拙をいうときによく使われる。

さらに演劇用語では、観客席から舞台を観て、右側が「かみて」、左側が「しもて」。

上手の方が序列的には上だそうだ。

さらに、将棋や囲碁などでは、プロや上級者が素人や下級者を指導する際に、駒を落としたり、何目か置かせて、ハンデをつけることがある。そんな時、「うわて」「したて」と言う。

一般用語でも、「奴の方が一枚も二枚も上手(うわて)だ」なんて使いますね。



また、下手人なんていう時はまた新しい読み方「げしゅにん」となったりもする。

上手いも「うまい」と読んだりもする。

こんな同じ漢字ながら読み方が4通りずつあるような言葉は例外かも知らないが、同じ漢字の熟語ながら読み方が異なる、なんて世の中には五万とある。

たとえば、前に外国人を都内観光でお連れした時、浅草でなぜ浅草寺は、「あさくさじ」ではなく「せんそうじ」と読むのか、結局上手く説明できず、下手こいた(へたこいた)ことがあった。

まあ、日本人は日本語に慣れているから、その場その場で上手く使い分けるのでしょうが、外国人には難しいだろうなぁと思う。