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東宝と松竹

 

どちらも日本を代表する映画会社であり、また演劇や芸能部門など興行も幅広く事業を行っている会社です。

 

先週末の金曜日に、東宝は第2四半期の決算発表を行い、松竹は業績予想の修正を開示していました。どちらの会社も2月期決算です。

つまり、3月1日から2月末までを決算の1年度としています。

 

ちょっと内容を見てみましたので、概要をご紹介したいと思います。

 

東宝は1年間の売上高は1900億円ほど、営業利益は250億円です。昨年度からは売上で5%ほど、営業利益で12%ほどダウンしています。


松竹は売上が911億円、経常利益が70億円ほどなっており、売り上げ規模で東宝のほぼ半分、利益規模で東宝の3割ほどです。

 

東宝は映画の製作や配給、興行(映画館)事業など、映画部門で合計1200億円程。全体売上の63%を占めています。今年度は製作では「風立ちぬ」などがヒットしたようです。

 

演劇部門は138億円で7%ほど、それ以外に不動産事業で30%ほどの収入があります。不動産事業は全国の東宝ビルやスタジオなどの収入のようです。興行自体は当たり外れがある中で、安定的な収入が見込める不動産事業は各社の業績の安定化に寄与しています。

 

松竹は、業績予想の修正の開示資料だけでは事業内容が分からないので有価証券報告書も少し覗いてみると、全体の売上高のうち、映像関連部門で6割ほどです。この中には、映画の製作だけではなく、テレビ制作も含まれます。松竹は「必殺仕事人」や「剣客商売」「鬼平犯科帳」「赤かぶ検事奮戦記」などのテレビ制作もこの映像関連部門に入っています。東宝とともに、DVDやテレビ放映権販売などもあります。


さらに、演劇部門で25%ほど、不動産事業で10%強、さらにその他事業として10%強の売上があります。その他事業というのは、舞台衣装の製作・販売・賃貸、プログラムの製作・販売、キャラクター商品の企画・販売や演劇舞台の大道具や小道具、音響の製作、などを合わせたものです。

 

 

東宝も松竹も、邦画にくらべて洋画の興行が低調だったようです。

 

また、松竹は歌舞伎座や新橋演舞場、京都南座や日生劇場、平成中村座などでの興行も事業活動に入っています。今回の業績予想を上方修正したのは、歌舞伎座の柿葺落(こけらおとし)興行が想定を大きく上回った成績だったことと、映画の夏興行が好調だったことによるもののようです。

 

ただ、さらに詳しくみてみると、松竹は新橋演舞場の会社は子会社ではなく、20%ほどの議決権を持つ関連会社の位置付けであり(持分法適用会社といいます)です。


さらには、株式会社歌舞伎座は東証2部に上場していますが、松竹が所有している議決権は14%ほどに過ぎないようです。しかし実質的な影響力を持つことから、「持分法適用」の関連会社とされているようです。

 

このあたり、さらに詳しく見てみると面白そうです。

 

さらに、松竹といえば現在浅草六区の再開発事業を行っています。昨年6月に着手し、来年の7月に完了予定となっていますが、総投資額30億円に対し、支払額は252月末時点でまだ1億円のようです。

 

有価証券報告書は見慣れない方には小難しく思われますが、その会社の実情がかなり詳しくわかるため、けっこう重宝するのです。

 

東宝と松竹、どちらも演劇には大きな影響を持つ会社ですが、その決算内容を見ると次の動きもわかってきます。演劇好きとしては、なかなか目が離せません。

 

今後も、東宝や松竹で新たな動きがありましたら、またブログでお伝えしたいと思います。


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